インプレッションシェアを改善する7つの方法を解説
インプレッションシェアは、「自社の広告がどれだけ表示されているか?」を確認するための割合です。
この割合が低過ぎると、広告が十分にユーザーに届いていないことになるので、ビジネスチャンスを逃していることになります。
本記事では、インプレッションシェアの概要やその目安、具体的に改善する方法などについて解説します。
インプレッションシェアとは
画像引用元:Yahoo!広告ヘルプ
「広告が表示される予定の回数」に対する「現実に表示された回数」の割合をインプレッションシェアといいます。
インプレッションシェアは「自社の広告が十分に表示されているか?」を確認する重要な指標です。
この割合が低ければ、その分だけ、自社は広告運用におけるビジネスチャンスを失っているといえます。
インプレッションシェアの割合は、ターゲットに設定する内容や入札単価の額、品質スコアなどの影響を受けて変動します。
インプレッションシェアの目安
インプレッションシェアの目安は媒体や広告主の業界、扱う商品などによって異なります。
たとえば、リスティング広告であれば一般的に6~8割が目安で、指名検索(※1)なら9割が目安です。
※1「指名検索」
”企業名や特定の商品名をキーワードにして検索エンジンで検索すること”
これらの数値を見てわかるように、インプレッションシェアの割合が10割になることはそうそうありません。
また、インプレッションシェアの割合が高いからといって、それがコンバージョンの獲得や集客効果に直結するわけでもありません。
あくまでも「表示される回数の目安」です。
重要なことは、コンバージョンの獲得につながりそうなキーワードへの広告のインプレッションシェアを高め、広告を見たユーザーを適切にサイトに導くことです。
インプレッションシェア損失率の目安については以下の記事でも詳しく解説していますのでご一読ください。
「インプレッションシェア損失率(ランク・予算)の目安や改善方法を解説」
インプレッションシェアを改善する方法
この項目では、インプレッションシェアを改善する方法について紹介します。
- 【方法①】競合分析を行う
- 【方法②】品質スコアを上げる
- 【方法③】マッチタイプを活用してキーワードを最適化する
- 【方法④】カスタムオーディエンスを活用してターゲットを絞る
- 【方法⑤】除外キーワードを設定する
- 【方法⑥】広告予算を増やす
- 【方法⑦】キーワードの入札単価を上げる
【方法①】競合分析を行う
競合分析によって自社の広告の品質を向上させることは、インプレッションシェアの改善に有効です。
競合の広告を分析して優れている部分を見つけ、その要素を取り入れれば自社の広告をブラッシュアップできます。
自社広告の品質ランク(※2)を向上させることは、インプレッションシェアの割合を高めることにもつながります。
※2「品質ランク」
”診断ツールを使って広告の品質の目安を10段階で評価したもの。キーワード単位で確認できる”
具体的な方法
競合分析の具体的な方法には2種類あります。
ひとつ目は、Googleの検索エンジンでターゲットキーワードを検索し、競合の広告やその遷移先のサイトを確認してファネル(※3)を分析する方法です。
※3「ファネル」
”漏斗・じょうご。集客した見込み客がふるいにかけられて検討・商談・成約へ流れる中で少しずつ少数になっていくこと”
二つ目は、Similarwebなどのデジタルマーケティングインテリジェンスツールを使って調べる方法です。
デジタルマーケティングインテリジェンスツールを使えば、競合の広告のターゲットキーワードやターゲットオーディエンス、広告予算などをかなり正確に分析できます。
競合分析で得られたデータや情報は、自社の広告の「何をどのように改善するべきか?」を理解するのに役立ちます。
競合分析の方法について以下の記事で詳しく解説していますので、ご一読ください。
「リスティング広告の競合調査手順やデータの活用方法を徹底解説」
【方法②】品質スコアを上げる
品質スコアを上げることも、インプレッションシェアの改善に役立ちます。
Googleはユーザーのニーズに合致する広告を表示させたいと考えているからです。
品質スコアが高い広告とは、ユーザーが検索するキーワードとの関連性が高く、遷移先のランディングページもキーワードとの関連性が高いものです。
このような「ユーザーのニーズを満たす可能性の高い広告」をGoogleは品質が高い広告と評価し、優先的に表示します。
実際、2つの広告が同じ広告枠を争う場合、Googleは品質スコアの高い広告を表示することが多いです。
逆にGoogleが低品質と評価した広告は、まったく表示されないか、もしくは表示されても目立たない場所に表示されます。
具体的な方法
広告の品質スコアを高める方法は以下のとおりです。
- キャッチコピーにキーワードを入れる
- 広告のタイトルやキャッチコピーをユーザーの興味を引く内容にする
- ターゲティング設定を見直し・改善する
- 広告とランディングページの目的や方向性を一致させる
- ランディングページの利便性を向上させる
品質スコアの向上に取り組むときは、キーワードと広告の関連性やクリック率の向上、ランディングページの使いやすさなどを意識して行いましょう。
品質スコアを上げる方法について以下の記事で詳しく解説していますので、ご一読ください。
【方法③】マッチタイプを活用してキーワードを最適化する
インプレッションシェアの改善には、以下のような、キーワードのマッチタイプを活用するのも効果的です。
- 完全一致(キーワードと完全に一致)
- フレーズ一致(キーワードと同じ意味のフレーズと一致)
- 部分一致(キーワードと直接的・間接的に関連するものと一致)
完全一致は狙ったターゲットに対してより正確に広告を表示できますが、その反面、一致条件が厳しいので表示回数は少なくなります。
フレーズ一致と部分一致は、一致条件がゆるいので多くのキーワードで広告を表示可能です。ただその反面、狙ったターゲット以外にも広告を表示してしまうので、ターゲティングの精度は低くなります。
具体的な方法
インプレッションシェアを向上させつつ狙ったターゲットに広告を表示させてコンバージョンを獲得するには、完全一致と部分一致を組み合わせるのが効果的です。
この二つを組み合わせると、部分一致で配信対象を広く取りつつ、完全一致でターゲティングの精度を高められます。
デジタルマーケティングインテリジェンスツールで競合が成果を出しているキーワードを調べ、これらを自社の広告運用で活用すれば、より大きな成果が期待できるでしょう。
マッチタイプについては以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。
「リスティング広告の「部分一致」と「フレーズ一致」の違いは?効果的な活用方法も解説」
【方法④】カスタムオーディエンスを活用してターゲットを絞る
インプレッションシェアの改善には、カスタムオーディエンスを活用することもおすすめです。
カスタムオーディエンスは、ターゲット設定で特定の条件を設定し、これに該当するユーザーに広告を表示できる機能です。
自社の広告内容に興味を持ちやすいユーザーに限定して広告を表示させれば、広告の質が上がってインプレッションが高くなります。
ただターゲットの条件を細かく設定し過ぎると、広告を表示させるユーザーの母数も減り過ぎてしまうため、結果的にインプレッションも減少してしまいます。
そのため、ちょうどよい設定条件を見つけることが大切です。
具体的な方法
インプレッションシェアを改善するには、「ジオターゲティングフィルター」を適用する方法がおすすめです。
このフィルターで、広告を表示させるターゲット地域を指定しましょう。
そして、自社の商品やサービスに興味を持ちそうなユーザーが検索しそうなキーワードを予想して登録しましょう。
これにより、登録したキーワードと同じ、もしくは似たキーワードを検索したユーザーに広告を表示できます。
性別や年齢、職業などを絞り込むのも有効ですが、これらの属性情報は絞り込み過ぎるとターゲットの母数が減り過ぎてしまうので注意してください。
カスタムオーディエンスについては以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。
「Google広告の「カスタム オーディエンス」とは?仕組みや設定方法等を解説 」
【方法⑤】除外キーワードを設定する
インプレッションシェアの改善には、除外キーワードの設定も有効です。
除外キーワードを設定すれば「広告を表示したくないキーワード」への広告表示を避けられます。
関連性の低いキーワードに広告を表示すると、広告の品質スコアが低下してしまいます。
そのため、このようなキーワードはあらかじめ除外しておきましょう。
具体的な方法
除外キーワードを設定するときは、まず自社商品やサービスと関連性の低いキーワードを特定します。
たとえば、自社が大阪にある美容院を運営しているのであれば、「エステ」や「ネイルサロン」、「東京」といったキーワードが該当するでしょう。
思いつく限りのキーワード候補を出したら、これらを登録します。
その後は、除外したいキーワードが見つかるたびに追加していきましょう。
キーワードの選び方については以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。
「リスティング広告のキーワードの選び方:ステップや設定ポイント等を解説」
【方法⑥】広告予算を増やす
インプレッションシェアを改善するには、広告キャンペーンの予算を増やすことも効果的です。
予算の額が少ないと、Googleは自動的に広告を表示する頻度を下げてしまうからです。
具体的には、設定されている配信期間に予算を均等に配分するため、必然的に広告の配信頻度が下がります。
具体的な方法
広告予算を増やすときは、1日あたりに必要になる予算額を予測して金額を設定しましょう。
必要となる予算額は、キーワードの検索ボリュームなどによって異なります。
オーディエンスやキーワード、ターゲットの設定などを最適化していながら、予算不足で機会損失を招くのはもったいないので、適切な予算額を設定しましょう。
予算消化できないときの対処法については以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。
「【リスティング広告】予算消化できないのはなぜ?原因と対処法を徹底解説」
【方法⑦】キーワードの入札単価を上げる
インプレッションシェアを改善するには、キーワードの入札単価を上げるのも有効です。
入札単価を上げれば、広告表示を賭けて行われるオークションで競り勝つ可能性が上がるからです。
広告の掲載順位も上がりやすくなるため、インプレッションだけでなくクリック率、コンバージョン率も向上します。
具体的な方法
入札単価を上げてインプレッションシェアの割合を高めるのは、「短期間で多くの認知を獲得する」といった短期的な目的の場合のみ有効です。
基本的に、インプレッションシェアの改善だけを考えて入札単価を高額にし過ぎるのは避けなければなりません。
インプレッションシェアを改善できても、収益性が損なわれては意味がないからです。
原則として、入札単価を上げてインプレッションシェアを改善することは、長期的に継続するのがむずかしいことを覚えておいてください。
クリック単価の改善方法について以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。
「クリック単価(CPC)とは?相場や改善方法を分かりやすく解説!」
まとめ
広告のインプレッションシェアの割合を改善できれば広告の表示回数も増やせるので、ビジネスチャンスを増やすことにもつながります。
本記事で紹介した改善方法は、インプレッションシェアの改善だけでなく広告のパフォーマンスそのものを向上させられるので、ぜひ取り組んでいただきたいものです。
ただ中には「どの改善方法も専門的過ぎてどう取り組めばいいかわからない」と感じる人もいるでしょう。
競合分析やカスタムオーディエンスの設定などを効果的に行うには、一定のノウハウと経験が必要です。
初心者の方が一からインプレッションシェアの改善に取り組んだ場合、成果が出るまで時間がかかります。
ただ、すでに豊富なノウハウや経験を持つ広告代理店を利用すれば、この時間を短縮することが可能です。
代理店は、改善作業の代行から御社が作業する際に必要なアドバイスまで、幅広く対応できます。
わからないことは専門家に聞くのが一番です。
弊社に相談していただければ、御社のインプレッションシェア改善の道も見えてくるでしょう。
ぜひお気軽にお問い合わせください。