コラム

リスティング広告のキーワードの選び方:ステップや設定ポイント等を解説

コラム:2023年10月31日

リスティング広告は、検索連動型広告やPPCとも呼ばれており、ユーザーが検索したキーワードや入札単価によって広告の掲載順位が決定されます。

リスティング広告を出稿する際は、ユーザーのニーズに適したキーワードを設定する必要があり、多くの担当者がキーワード選定に悩んでいます。

そこで本記事では、リスティング広告のキーワードの選び方及びステップや設定ポイントについて解説していきます。

リスティング広告のキーワードとは

リスティング広告のキーワードとは、ユーザーの検索キーワードと、Googleなどの検索エンジンに表示される広告内容を一致させるために、広告主が設定する単語や語句を意味しています。

キーワードを設定する際は、自社のサービスや商品を検索するときに使用されるであろう検索キーワードを推測して設定します。また、自社のサービスや商品のメインターゲットとなるユーザーに広告を配信するには、設定したキーワードを自社のランディングページと一緒にGoogle広告やYahoo!広告に登録する必要があります。

設定したキーワードが他にも複数の企業から登録されていた場合は、広告の品質やキーワードの入札価格により掲載順位が決定されます。

キーワードを決定するためのステップ

【ステップ①】商品・サービスのヒヤリングを行う

商品・サービスのヒヤリングを販売担当者などに行い、どのようなイメージを持っているのか理解を深めましょう。理解を深めることで最適なキーワードを選定することができ、コンバージョンを獲得することができる可能性が高くなります。

広告の運用を外注する場合は、外注した業者から自社に対してヒヤリングが行われることが一般的です。しかし、自社で広告運用を行う場合は、商品・サービスに対する理解が深いことからヒヤリングをしないケースもあります。ヒヤリングは、自社が気づいていなかった良さや改善点を知ることができる機会なので、必ず行うようにしましょう。

また、ヒヤリングを行う際は、対面で意見を聞く1次情報収集に加え、Yahoo!知恵袋やSNSなどのWeb上で意見を収集する1.5次情報収集も行うようにしましょう。

【ステップ②】競合分析を行う

キーワードを決定する際は、自社が提供している商品・サービスの競合についても分析を行います。

競合の分析を行うことで、「競合と比較して優れているところ」や「逆に劣っているところ」が分かるため、訴求するべきポイントが明確になります

また、競合サイトを閲覧し、商品・サービスの価格や特徴及びサイト内で訴求している強みを一覧化することで、競合サイトの配信内容と差別化することができます

【ステップ③】ターゲットのニーズを分析する

自社が提供している商品・サービスのメインターゲットとなるユーザーのニーズを分析することで、最適なキーワードを選定することができます。メインターゲットの中でも、特に商品・サービスの利用に至っている「エンドユーザー」のニーズについて詳しく分析し、理解を深める必要があります。

エンドユーザーを分析する際は、以下のような情報を集めるようにしましょう。

  • 年齢層
  • 性別
  • 商品・サービスを知ったきっかけ
  • 商品・サービスの利用に至った理由
  • 会員登録に至った理由

このような情報を収集することで、ターゲットのニーズを詳細に分析することができます。

【ステップ④】軸となるキーワードを決める

上記のような分析を行い、候補となるキーワードが推測できたら、次に軸となるキーワードを決めていきましょう。

例えば、家具・インテリア・雑貨を販売している「ニトリ」でソファーの購入を検討しているエンドユーザーは、どのような検索キーワードで商品にたどり着くのでしょうか。「固有名詞」「商品名」「ニーズ」「類似商品」「購入タイミング」の5つに分けて考えていきましょう。

5つの分類

ニトリのソファ例

固有名詞ニトリ ソファ
商品名ローソファ・ダイニングソファ
ニーズ腰が痛くならないソファ・座りやすいソファ・肘置きがあるソファ
類似商品ベット・ソファベッド・クッション
購入タイミング買い替え ソファ・引っ越し ソファ・新婚 ソファ

上記のように分類することで、軸となるキーワードを決めやすくなります。また、キーワード選定が上手くいかない場合は、「キーワードプランナー」などのキーワード選定のお手伝いをしてくれるツールを活用しましょう。

【ステップ➄】掛け合わせるキーワードを収集する

軸となるキーワードを選定することができたならば、次に選定したキーワードに掛け合わせるサブキーワードを収集していきます。上記の【ステップ➃】で紹介したように5つの分類に分けることで、サブキーワードも見つけやすくなります。

また、メインキーワードに掛け合わせるサブキーワードには、ユーザーが購入するか判断するうえで重要となる「予算」を含めることで、コンバーション率が増加する可能性があります。ユーザーは、商品・サービスを購入する前に、ある程度の予算を考えているケースがほとんどです。そのため、自社が提供している商品・サービスの金額をメインキーワードに掛け合わせるようにしましょう。

掛け合わせるキーワードの収集が思うように進まない場合は、掛け合わせるキーワードを探してくれる「ラッコキーワード」に登録しておくと安心です。

リスティング広告のキーワード数の目安|予算・規模・単価に分けて解説

キーワードを設定する際のポイント

キーワードを設定する際のポイントは以下の2つです。

【ポイント①】マッチタイプを設定する

キーワードの選定が完了したら、選定したキーワードに対してマッチタイプを設定していきます。

マッチタイプとは、選定したキーワードとどのくらいマッチする検索キーワードに広告を配信するか決めていくというものです。キーワード選定が適切であっても、広告の掲載範囲が間違っていた場合、選定したキーワードとまったく関連のない検索キーワードにリスティング広告が配信される可能性があります。

そのため、マッチタイプを設定し、適切な検索語句にリスティング広告を配信していきましょう。

マッチタイプは、Google広告・Yahoo!広告ともに変わらず以下の4つとなります。広告配信される可能性があります。

フレーズ一致

フレーズ一致とは、広告主が設定したフレーズがユーザーの検索キーワードに一致して検索された場合や設定したキーワードの語順に関係なくても、検索の意図が同じと判断された場合、リスティング広告が表示されるタイプとなります。

例えば、「ソファ 引っ越し」とキーワードを設定している場合、「引っ越し ソファ 二人掛け」は語順が異なり他単語が(間に)入っていても意味が一緒であればリスティング広告が配信される対象です。

※フレーズ一致は、Google広告・Yahoo!広告において2021年7月から新しい設定が採用されました。
<Google広告>https://support.google.com/google-ads/answer/10286719?hl=ja
<Yahoo!広告>https://ads-promo.yahoo.co.jp/support/release/30145083.html

完全一致

完全一致とは、広告主が設定したキーワードとユーザーの検索キーワードが完全に一致した場合のみ、リスティング広告を表示するタイプとなります。ただし、設定したキーワードと同じ意味を持つ検索キーワードであれば、語順やつづりが違っていてもリスティング広告を表示することができます。

例えば、「ソファ 腰痛」とキーワードを設定している場合、「ソファ 腰が痛い」などの検索語句でもリスティング広告が表示されます。

部分一致

部分一致とは、登録したキーワードに関連するキーワードや類義語なども含めて一致した場合にリスティング広告を表示するタイプとなります。関連キーワードや類義語も含めると、リスティング広告が表示されるキーワードはかなり多くなるため、幅広いキーワードでリスティング広告を表示することができます。

例えば、「ソファ 引っ越し」とキーワードを設定している場合、「引っ越し いす」のように関連したキーワードが入っていればリスティング広告を表示することができます。

絞り込み部分一致

※絞り込み部分一致はGoogle広告・Yahoo!広告において2021年7月から廃止となり、フレーズ一致に統合されました。
<Google広告>https://support.google.com/google-ads/answer/10286719?hl=ja
<Yahoo!広告>https://ads-promo.yahoo.co.jp/support/release/30145083.html

リスティング広告の「部分一致」と「フレーズ一致」の違いは?効果的な活用方法も解説

【ポイント②】除外キーワードを設定する

リスティング広告に掛かる費用は、表示される検索キーワードの数が多いほど高くなってしまいます。そのため、商品・サービスの購入につながりにくいクリックやコンバージョンの見込みが低いキーワードは、除外キーワードに設定するようにしましょう。除外キーワードに設定したキーワードでは、リスティング広告を非表示にすることができます。

除外キーワードに設定するべきキーワードは以下のとおりです。

  • 競合他社が訴求しているキーワード
  • 広告と関連性のないキーワード
  • ユーザーの購買欲を低下させてしまうネガティブキーワード

除外キーワードは、Google広告では「除外キーワード」に、Yahoo!広告では「対象外キーワード」に入力することで設定することができます。

キーワード選びにおすすめのツール

キーワードを選定する際、ツールを活用することでより簡単にキーワードを選定することができるようになります。

キーワード選びにおすすめのツールは以下の2つです。

【ツール①】キーワードプランナー

キーワードプランナーは、Google広告が公式に提供しているキーワード選定ツールです。以前まではGoogle広告に出稿する場合のみ使用できましたが、現在ではGoogle広告に出稿しないユーザーでも利用することができます。

キーワードプランナーでは、対象となりWebサイトのURLを入力すると、関連キーワードの候補を表示してくれます。表示されたキーワード候補には、月間平均検索ボリューム・競合性・クリック単価など、キーワード選定に役立つデータも表示されています。

各データを分析しながら、最適のキーワードを見つけることができます。

【ツール②】ラッコキーワード

ラッコキーワードは、サジェストキーワードが分かるツールです。また、サジェストキーワードだけでなく、Q&AサイトやGoogleトレンドなどのさまざまな情報を一度に収集することができます。

ラッコキーワードは、無料で利用することができ、キーワード選定にとても役立つツールとなっています。

キーワードの設定方法

Google広告とYahoo!広告でのキーワードの追加方法をそれぞれご説明します。

【Google広告】

Google広告管理画面 ▶ “キーワード” ▶ “検索キーワード” ▶ “+マーク(青色)”

キーワードを入力 ▶ “保存”

【Yahoo!広告】

Yahoo!広告 管理画面▶ “キーワード”  ▶ “+キーワード作成”

キーワードを入力 ▶ “保存”

まとめ

今回は、リスティング広告のキーワードの選び方及びステップや設定ポイントについて解説させていただきました。

リスティング広告でのキーワード選定は、広告の成果に大きく影響するとても重要なものです。

今回解説した内容を参考にし、リスティング広告の成果が上がりやすいキーワード選定を行いましょう。

 

この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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