コラム

【Google広告】ランディングページ(LP)のA/Bテスト実施ガイド

コラム:2024年3月26日

LPのABテスト実施ガイド

A/Bテストは、ランディングページのクオリティを高めるために有効な手法です。
A/Bテストを行うことで、コンバージョン獲得に最適化されていき、よりよいページになっていきます。

本記事では、A/Bテストの概要やランディングページでA/Bテストを行う理由、具体的な実施手順・方法、A/Bテストで便利に使えるツールなどについて紹介します。

そもそもA/Bテストとは

A/Bテストとは、2つ以上の施策を同じタイミングで実践し、その結果を比較して優劣をつける手法です
基準となるコントロールグループと変更を加えたテストグループを比較して、どちらの施策が効果的かを検証するのが一般的です。

A/Bテストでは正確な比較を行うために、一度に多くの要素を変更したり、異なる時期にテストを行ったりすることを避ける必要があります。
変更する要素が多過ぎると、どの要素が優劣を分ける原因になったのかが特定しづらくなるからです。
また同じタイミングでテストを実施しないと、施策による影響以外の要因がテスト結果を左右することになり、テスト自体の精度を低下させる可能性があるからです。

ランディングページ(LP)のA/Bテストはなぜ必要なのか

ランディングページにA/Bテストが必要な理由は、テストを重ねてページをブラッシュアップし、常に最適な状態を保つためです
ランディングページのブラッシュアップを怠ると、徐々にパフォーマンスが落ちてしまい、コンバージョン率も下がっていきます。

また、ランディングページの修正やリニューアルには多額の費用や多くの時間がかかるため、施策をひとつひとつ順番に試していくのは効率的ではありません。
A/Bテストで一番効果の高いパターンを見つけ出し、その要素や施策を反映させた方が時間や費用を節約できます。

テストを実施した方がいい箇所

ランディングページでA/Bテストを行う主な箇所は以下のとおりです。

  • ファーストビュー
  • CTAボタン
  • ページ遷移の導線

ファーストビュー

ランディングページ1
ランディングページのファーストビューは、いわばページの顔です。
ページを訪れたユーザーが必ず目にする部分なので、インパクトの大きい箇所といえます。

施策の効果も確認しやすいので、A/Bテストを行うならまずはファーストビューからはじめるのがおすすめです

ファーストビューのA/Bテストでは、ユーザーにもっとも伝えたいメッセージであるキャッチコピーと、ランディングページのイメージを決める画像が重要です。
「ランディングページを最後まで閲覧してもらうためには、最初に何を伝えればいいのか?」を考えて施策を検討しましょう。

CTAボタン

ランディングページ2

CTAは「Call To Action(コール トゥ アクション)」の略で、行動喚起を意味します。
ランディングページでは、次の行動を促すリンクボタンを指すことが多いです

ランディングページのCTAでは、以下のようなアクションをユーザーに促します。

  • 商品の購入
  • サービスへの申し込み
  • 商品の予約
  • 資料やカタログの請求

CTAのA/Bテストで変更する要素は以下のとおりです。

  • ボタンの形状・色・サイズ
  • ボタンをランディングページに表示させるときの位置
  • ボタン内に記載する「行動を促すため」のテキスト
  • ボタン回りのマイクロコピー(※1)

※1「マイクロコピー」
”Webサイトのユーザーインターフェース(ボタン、入力フォーム)に添える、短い文字や文章のこと”

これらの要素は、クオリティ次第でコンバージョン率アップに大きく貢献します。

ページ遷移の導線

ランディングページ3

ランディングページでは、ページ内の要素を見てもらう順番や流れも重要になります
たとえば、ファーストビューからすばやく目当ての商品やサービスの詳細ページに遷移できるよう、目立つ場所に目立つ形でリンクやボタンを配置するなどがあります。

また上記画像のように、ユーザーの利便性を向上させるための工夫も重要です。

  • 商品ページからレビュー記事に遷移するためのリンク
  • ページのトップに戻れるリンク
  • 詳細な内容を確認したいときのお問い合わせリンク

逆に、ユーザーに取ってもらいたい行動を妨害するような外部リンクや余計なページへの遷移ボタンを削ることも大切です。

A/Bテストによって必要なものを効果的に追加し、不要なものを効果的に削除した結果、ページ遷移の導線が改善されてコンバージョン率が向上した事例は多くあります。

ランディングページ(LP)のA/Bテストを実施する手順

この項目では、ランディングページで行うA/Bテストの手順について紹介します。

  • 【手順①】目的を明確にし、仮説を立てる
  • 【手順②】A/Bテストを実施する
  • 【手順③】仮説検証を行う
  • 【手順④】分析結果をもとに改善を行う

【手順①】目的を明確にし、仮説を立てる

ランディングページのA/Bテストでは、まず目的を明確にし、それを達成するための仮説を立てることからはじめます

目的には、コンバージョン率アップやお問い合わせ数の増加、購入ページへの遷移率の向上などが多いです。
これらの目的を達成するために必要なことを洗い出し、仮説を立て、「ファーストビューの画像変更」や「リンクボタンのテキスト変更」などのテストする施策を検討します。

テストにかけたいページが多い場合は、コンバージョンに影響するページや多くのユーザーが離脱しているページを優先するのがおすすめです。
メルマガのA/Bテストでは、同じ内容のメールをそれぞれ別の時間帯に配信する施策が有効です。

【手順②】A/Bテストを実施する

ランディングページのA/Bテスト実施において、テスト期間の長さは重要です
ひとつの目安として、最低でも1週間は必ず確保しましょう。

1週間以上確保しておけば、平日と休日それぞれのデータを取得して比較できるため、一定のテスト精度を保てます。

理想としては、2週間~4週間程度のテスト期間を確保するのが望ましいです。
2週間~4週間程度の期間テストを行えば、データの信憑性や精度も十分でしょう。

【手順③】仮説検証を行う

A/Bテストの実施後は、効果の検証と仮説の検証を行います
特に設定した仮説の妥当性の確認は、今後のA/Bテストの方針や施策を検討するときの判断材料になるので、非常に重要です。

テスト結果が芳しくない場合は、「そもそもの仮説がまちがっていたのか?」「変更した要素や試した施策がユーザーに刺さらなかったのか?」などの視点で検証します。

A/Bテストの成功率は約3割ともいわれているので、次のテストに活かすために失敗の原因を特定し、次につなげることが大切です。

【手順④】分析結果をもとに改善を行う

ランディングページ4

A/Bテストの結果から継続した改善が必要と判断した場合は、その後も引き続き改善作業を行います
仮に継続した改善が不要と判断した場合でも、定期的にA/Bテストを実施することをおすすめします。

その理由は以下のとおりです。

  • ユーザーの好みや行動パターンは時間と共に変化する
  • A/Bテスト実施時に有効だった施策も、時間の経過によって効果を失う可能性がある
  • トレンドの移り変わりによってユーザーの好みが変化する

今は有効な施策であっても、1年後有効かはわかりません。
そのため、定期的にA/Bテストを実施し、常に市場やユーザーの好みの変化に対応できるようにしておきましょう。

【Google広告】ランディングページ(LP)のA/Bテスト設定方法

この項目では、ランディングページで行うA/Bテストの設定方法について紹介します。

  • Google広告のカスタムテストとは
  • A/Bテストの設定方法

Google広告のカスタムテストとは

Google広告にある既存のキャンペーンをコピーして下書きを用意し、それをテスト用のキャンペーンとして使う機能がカスタムテストです

要素や施策の変更前と変更後の結果を数値で確認・比較できます。

変更した要素以外はもとのままの状態なので、もとになるキャンペーンや広告運用に大きな影響を与えることなくテストできます。

A/Bテストの設定方法

A/Bテストの設定方法は以下のとおりです。

①「すべてのテスト」→「+ボタン」の順で選んでいきます。
ランディングページ5

②「すべてのキャンペーン」のページから「カスタムテスト」を選びます。
ランディングページ6

③「キャンペーンタイプ」のラジオボタンの中から「検索」を選び、「続行」ボタンを押してください。
ランディングページ7

④任意のテスト名を入力し、「基本のキャンペーン」を選んで「保存して続ける」を押します。
ランディングページ8

⑤テスト用に作成したランディングページのURLを入力してください。
ランディングページ9

次にスケジュールの作成について説明します。
操作方法は以下のとおりです。

  • 「広告」→「schedule」の順にクリック
  • 次の画面で「テストの目標」「テストの分配比率」「ウェブテスト期間」を設定
  • 「同期を有効にする」のラジオボタンで「オフ」を選ぶ
  • 「テストを作成」ボタンを押す

上記の操作の中で、特に「同期の有効をオフする」操作は必ず行いましょう。
オフにしない場合、テスト用に設定した変更内容がもとのキャンペーンに反映されてしまうので注意してください

ランディングページ(LP)のA/Bテストで役立つツール

この項目では、ランディングページのA/Bテストで役立つツールについて紹介します。
ちなみに、A/Bテストで便利に使えるツールに「Googleオプティマイズ」というものがありましたが、昨年廃止になったため本項では紹介しません。

  • Optimizely
  • VWO(Visual Website Optimizer)
  • DLPO

Optimizely

Optimizely

出典:Optimizely正規代理店ギャプライズ|No.1ABテストツール

「Optimizely」は、9,000以上の企業が導入しているツールです。
アメリカで開発されたもので、「株式会社イー・エージェンシー」などが正規代理店になっています。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 日本語対応しており、操作も簡単
  • A/Bテスト・多変量テスト・複数ページテストに対応
  • Webテストのほか、モバイルアプリのテストにも対応
  • 外部ツールとの連携も可能

30日間の無料トライアルが用意されているので、事前に使用感を確かめて導入を検討できます。
価格は高額ですが、初心者から上級者まで幅広く対応している優秀なツールです

VWO(Visual Website Optimizer)

VWO

出典:デジタル エクスペリエンスを最適化し、コンバージョンを最大化する|VWO

「VWO」は世界で4,000以上、日本でも400社以上が導入しているツールです。
インドで開発されたもので、「株式会社アッション」が正規代理店になっています。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 価格がリーズナブル
  • テストできるドメインやアカウント数、サポート回数が無制限
  • ヒートマップ機能が無料

操作そのものが簡単で、ブラウザでデザインも変更できるコストパフォーマンスに優れたツールです

DLPO

DLPO 出典:日本国内で実績No.1※のLPOツール

「DLPO」は、700社以上の大手企業サイトに利用されている国産LPOツールです。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 独自のテストエンジンにより、ビジュアル・アクションボタン・流入もとの組み合わせなどを加味したテストを高速で実施できる
  • テスト成功後のCVR最大化・最適化も自動で行ってくれる
  • セグメント別チャンピオン自動発見機能により、セグメント(※2)ごとにテストを実施してその結果を反映できる

※2「セグメント」
”区分や部分といった意味を持つ単語。マーケティングでは一定の共通要素を持った既存顧客や見込み客のまとまりを指す。共通要素には年齢・性別・居住地域・収入・ライフスタイルなどがある”

国産ツール特有の充実したサポートが魅力のツールで、A/Bテストの設計サポートや実施代行も依頼できます

Google広告でランディングページ(LP)のA/Bテストを実施する際のポイント

この項目では、ランディングページで行うA/Bテストのポイントについて紹介します。

  • 【ポイント①】同期間に実施する
  • 【ポイント②】ページへの導線は同じにする
  • 【ポイント③】複数の箇所を同時にテストしない
  • 【ポイント④】母数の多いページでテストする

【ポイント①】同期間に実施する

先述のとおり、A/Bテストは同時期・同タイミングに実施することが重要です
同じタイミングでなければ、施策や要素の変更以外の外的要因が、テストの結果に影響を与えてしまう可能性があるからです。

施策や要素変更の優劣だけを比較するのがA/Bテストなので、他の要因をテスト結果に反映させてしまうとテストの精度が落ちてしまいます。

A/Bテストは、複数のパターンを並走させるイメージで行いましょう。

【ポイント②】ページへの導線は同じにする

ランディングページのA/Bテストでは、ユーザーがページに流入する入口を同じにすることが重要になります
広告文の文言やクオリティの異なるリスティング広告などが2つ以上ある場合、それぞれの広告を経由して流入してくるユーザーの熱量や質に差が出るからです。

訴求力の高いリスティング広告は購入意欲の高いユーザーを連れてきて、訴求力の低いリスティング広告は購入意欲の低いユーザーを連れてくるといったイメージです。

このように、ユーザーの質や熱量、態度に差があるとテストの精度が落ちるので、ランディングページへの入口は同じにしましょう。

【ポイント③】複数の箇所を同時にテストしない

A/Bテストを行うときは、複数の箇所を1度にテストしないようにしましょう
テストで検証する箇所が多過ぎると、どの要素がコンバージョンに影響を与えているのかを特定しにくいからです。

A/Bテストは、短時間で行えるといっても最低1週間はかかります。
1回のテストで多くの箇所をテストしたくなるものですが、ここは欲張らずにコンバージョンに影響を与える可能性の高い箇所から根気よく実施しましょう。

【ポイント④】母数の多いページでテストする

A/Bテストは、インプレッション数の母数が多いぺ―ジから実施することが大切です
一定数のインプレッションを確保できるページでないと、データとしての信憑性が低くなり、要素変更や施策の有意差(※3)もわかりにくくなります。

※3「有意差」
”統計的な有意差のこと。あるグループの選択と他のグループの選択に大きな違いがあるかどうかを統計的に検証した結果。数値間に明確な差がある場合、その差が、データ分析による結果の明確な裏づけになり得る”

そのため、A/Bテストを行うときは母数の多いページで行いましょう。

PDCAサイクルを回そう!

ランディングページ10

A/Bテストの成功率は、一般的に約3割といわれています
そのため失敗が続いてもあきらめずに、PDCAサイクルを回し続けることが大切です。

具体的には、前回の失敗の要因や反省点を洗い出し、それらを改善してコンバージョンにつながる仮説を立て、その仮説を実証するためにテストを行う必要があります。
高いレベルでのPDCAサイクルを回すためには、まさにこの事前準備、PLANの部分が肝になります。

PLANの部分については、特に時間をかけて取り組みましょう。

まとめ

ランディングページは、定期的にA/Bテストを行ってブラッシュアップしないとパフォーマンスが落ちていきます
パフォーマンスが落ちているランディングページでは、どれだけ広告運用で集客してもコンバージョン率は上がりません。

ただ実際、ランディングページでA/Bテストを行うハードルは高めです。
実施そのものは簡単ですが、初心者の方は、下記のような悩みに直面する可能性が高くなるからです。

  • どの施策を試せばいいのか?
  • どの要素の優劣を比較すればいいのか?
  • 仮説はどのように立てればいいのか?
  • PDCAサイクルの回し方がよくわからない

上記のような悩みをノウハウがない状態で解消するのはむずかしいでしょう。
このようなときは、A/Bテストの設計や実施の代行、実施のアドバイスなどに対応している広告代理店の利用がおすすめです。

広告代理店には豊富な実績とノウハウがあるので、最短で成果を出せます。
ランディングページのA/Bテストでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

広告運用にお困りですか?

この記事をシェアする

WEB広告・SEOを駆使した、集客実績をまとめております。ぜひご覧ください。