クリック単価(CPC)とは?相場や改善方法を分かりやすく解説!
Web広告の運用でかかる費用の多くは、クリック単価方式を採用しています。
クリック単価は、広告がクリックされて初めて費用が発生するコストパフォーマンスのよい課金方式です。
本記事では、クリック単価の概要や金額の決まり方、具体的な金額の相場などについて紹介します。
また、クリック単価の確認方法や改善方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
クリック単価(CPC)とは
クリック単価とは、Web広告のクリック1回分にかかる費用のことです。
クリックされない限り料金が発生しないので費用対効果が高く、広告効果の検証もしやすいのが特徴です。
クリック単価は、リスティング広告やX(旧Twitter)、Instagramなどに出稿できるSNS広告で採用されています。
費やした広告費をクリック数で割ると計算できます。
つまり、広告費が100万円で5千回クリックされた場合、クリック単価は200円です。
クリック単価は、低ければ低いほど広告運用の費用対効果も高まります。
「平均クリック単価」と「上限クリック単価」の意味
クリック単価には2種類あります。
ひとつはクリック単価の平均値である「平均クリック単価」です。
Google広告ではこの名称で、Yahoo!広告では「平均CPC(※1)」と呼びます。
※1「CPC」
”Cost Per Clickの略。クリック単価を表す英語”
「クリック獲得にかかった総額÷クリック総数」で計算します。
たとえば、10回クリックされたうち、クリック単価が100円で3回、300円で3回、400円で1回であれば、平均クリック単価は160円です。
広告運用の現場で使われるクリック単価という言葉は、平均クリック単価を指すことが多いです。
もうひとつは、クリック1回分に設定できる費用の上限額である「上限クリック単価」です。Google広告ではこの名称で、Yahoo!広告では「入札価格」と呼びます。
たとえば、上限クリック単価を250円に設定した場合、これ以上の額でクリック単価を請求されることはありません。
上限クリック単価は、キーワードごとにそれぞれ設定することが可能です。
クリック単価はどのように決まっているのか?
この項目では、「クリック単価はどのように決まっているのか?」について紹介します。
- 【要素①】入札単価
- 【要素②】品質スコア
- 【要素③】広告表示オプション
【要素①】入札単価
クリック単価が決まる要素のひとつ目は入札単価(上限クリック単価)です。
入札単価は、クリック1回分で出せる限界額を設定し、この額をもとに競合とのオークションを行います。
入札では、広告が表示される場所などを決めます。
入札なので入札単価の額が高い広告ほど有利です。
ほとんどの場合、実際のクリック単価は入札単価で設定した額より安くなります。
【要素②】品質スコア
クリック単価が決まる要素の二つ目は広告の質を示す品質スコアです。
品質スコアは、下記の3つの要素を審査して決定します。
- 広告と遷移先のランディングページとの関連性
- 予想されるクリック率
- 遷移先のランディングページのクオリティ
上記の項目について、診断ツールを使って10段階で評価します。
品質スコアを高めるとクリック単価の額をおさえられるので、広告の費用対効果を高めることが可能です。
【要素③】広告表示オプション
クリック単価が決まる要素の三つ目は広告表示オプションです。
広告表示オプションはその名のとおり、広告表示に追加できるさまざまなオプションのことです。
追記したい情報や画像などを表示できます。
Google広告で追加できるオプションの例を挙げると以下のとおりです。
- サイトリンク
- 構造化スニペット(リスティング広告で商材やブランド名を一覧で表示する機能)
- コールアウト(広告文に短く商品やサービスの特徴を追記できる)
広告表示オプションは、広告の上位掲載を決める広告ランクに関係します。
広告ランクが上がって広告が上位に表示されると、ユーザーの目に付きやすくなるのでクリックされやすくなり、クリック単価を下げる効果が期待できます。
クリック単価はキーワードごとに差がある
クリック単価はキーワードによって異なり、金額の幅も数十円~数千円までさまざまです。
たとえば「カレンダー」であれば、収益性が高くなく、強い競合もいないキーワードなのでクリック単価も数十円単位です。
キーワード | 検索ボリューム | CPC |
---|---|---|
カレンダー | 1.8百万 | ¥34.01 |
カレンダー 2023 | 550,000 | ¥10.35 |
カレンダー 2024 | 165,000 | ¥22.18 |
カレンダー 大安 | 165,000 | ¥0.00 |
カレンダーアプリ | 74,000 | ¥84.29 |
対して「SEOコンサルタント」の場合、収益性も高く、多くの競合が上位掲載を狙うキーワードなのでクリック単価は2,400円と高額になっています。
キーワード | 検索ボリューム | CPC |
---|---|---|
seoコンサルタント | 1,300 | ¥2,416.25 |
seoコンサルタントとは | 140 | ¥193.71 |
seoコンサルタント 求人 | 165,000 | ¥554.52 |
seoコンサルタント 年収 | 70 | ¥377.08 |
seoコンサルタント フリーランス | 70 | ¥1,155.63 |
クリック単価の調べ方
この項目では、Google広告のキーワードプランナーでクリック単価を調べる方法について紹介します。
Google広告「キーワードプランナー」
キーワードプランナーでクリック単価を調べるときの操作方法は以下のとおりです。
①自社のGoogle広告のアカウントにログインし、「キーワードプランナー」を選ぶ
②左側にある「検索のボリュームと予測データを確認する」を選ぶ
③「検索ボリュームと予測のデータを確認する」の下にある空欄に、クリック単価を知りたいキーワードを入力
④「キーワード候補」の下にある「予測」を選択
⑤「平均クリック単価」の欄で金額を確認する
クリック単価を改善して上位表示させるには?
この項目では、クリック単価の改善方法について紹介します。
- 入札単価を見直す
- 品質スコアを上げる
- 広告表示オプションを活用する
- 出稿キーワードを見直す
入札単価を見直す
クリック単価を改善する方法のひとつ目は入札単価の見直しです。
入札単価を高くすると広告が上位に表示されるので有利ですが、高くし過ぎると広告効果によって得られる利益を圧迫してしまう可能性があります。
上位表示できても、費用が利益を圧迫して赤字になっては意味がありません。
もし利益を圧迫するくらいに入札単価が高くなっているなら、入札単価を下げてみるのがおすすめです。
そして、「入札単価が高い状態で上位掲載されて得られる利益」と「入札単価を下げたときの掲載順位や得られる利益」をくらべてみましょう。
利益とかかる費用、掲載順位の推移を見ながらバランスを取り、適切な入札単価の額を探してください。
品質スコアを上げる
クリック単価を改善する方法の二つ目は品質スコアを上げることです。
先述のとおり、品質スコアは広告と遷移先のランディングページとの関連性、予想されるクリック率、遷移先のランディングページのクオリティで決まります。
この3つの要素は以下の3段階で評価されます。
- 平均より上
- 平均的
- 平均より下
上記の評価の中で、「平均的」と「平均より下」に評価されている部分を見つけて改善すれば、品質スコアの底上げにつなげられるでしょう。
品質スコアが上がれば広告が上位に掲載されやすくなるので、その分、入札単価の額を下げられるようになり、クリック単価の改善につながります。
品質スコアを改善するための具体的な方法は、下記の記事でくわしく解説しています。
広告表示オプションを活用する
クリック単価を改善する方法の三つ目は広告表示オプションを活用することです。
広告表示オプションを駆使すれば広告内の情報量を増やすことができるので、訴求力も高まり、クリック率も向上させられるでしょう。
クリック率を向上させられれば入札単価を下げられるので、クリック単価が改善します。
広告表示オプションを活用するときは、目的を明確にすることが大切です。
たとえば、来客数や予約件数を増やしたいなら店舗の住所に電話番号、最寄駅の情報、メールアドレスといった情報の追加がおすすめです。
オンラインショッピングサイトのコンバージョン増加が目的なら、サイトリンクとともに構造化スニペットで商品の一覧情報を追記するとよいでしょう。
また、広告出稿の目的達成の邪魔になる情報を削ることも重要です。
よりくわしい利用方法は、下記の記事で解説しています
【Yahoo!広告】広告表示オプションの設定方法|メリット・注意点も徹底解説!
出稿キーワードを見直す
クリック単価を改善する方法の四つ目は出稿キーワードの見直しです。
主な方法は以下のとおりです。
- クリック単価が高い、コンバージョンに結びつかないキーワードの広告出稿をやめる
- キーワードプランナーを使って適切なクリック単価と検索ボリュームを持つキーワードを見つける
- ロングテールキーワードを積極的に狙う
- ニッチだがニーズのあるキーワードを狙う
- 除外キーワードを設定して狙ったキーワードにのみ広告を表示する
クリック単価が高くて掲載順位が低いキーワードへの広告出稿は、広告費を浪費するだけで終わる可能性が高いです。
これらへの出稿をやめて適切な検索ボリュームのキーワードを狙えば競合が少ない分、上位掲載されやすくなり、クリック単価もおさえられます。
適切な検索ボリュームのキーワードは、ロングテールキーワードであることが多いです。
ニッチなキーワードであればあるほど競合が少なくなるので、その分、クリック単価をおさえる効果が期待できるでしょう。
また除外キーワードを設定すると、コンバージョンにつながらないキーワードでの広告表示を避けられるので、費用対効果が高まってクリック単価の改善につながります。
ただ、除外キーワードを使い過ぎると、コンバージョンを獲得するためのユーザーの母数も減ってしまうので注意が必要です。
【あわせて読みたい】
リスティング広告のキーワード数の目安|予算・規模・単価に分けて解説
まとめ
クリック単価は、狙うキーワードによって必要となる金額が異なります。
収益性が高くて検索ボリュームも多い人気のあるキーワードは、競合も当然狙ってくるので、多少入札単価を高額にしても上位掲載はむずかしいケースが多いです。
クリック単価をおさえて広告の費用対効果を高めるためには、ツールを使って「競合が少なめで検索ボリュームもほどほどにあるキーワード」を見つける必要があります。
また同時に、自社広告の品質スコアを高め、広告表示オプションを使いこなすことも求められます。
ただこれらの作業には、ある程度の経験・知識・ノウハウが必要です。
キーワードを探すにしても、知識やノウハウがなければ候補をピックアップするだけで一苦労でしょう。
ある程度の経験・ノウハウを得るまでには、長い試行錯誤の時間が必要になります。
このようなケースでは、すでに十分な運用実績やノウハウを持つ広告代理店を利用するのがおすすめです。
広告代理店は作業の代行からアドバイスまで、幅広く対応してくれるので御社の足りない部分を補うのにピッタリです。
弊社もアドバイスから作業の代行まで承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。