リスティング広告のキーワード数の目安|予算・規模・単価に分けて解説
リスティング広告を出稿するために登録するキーワードの数は、運用成果に大きな影響があります。
ただ、「最低でも〇個」というような明確な正解はありません。
本記事では、リスティング広告のキーワードの基礎知識や視点別のキーワード数の目安、登録したキーワード数を調整するときのポイントなどを紹介します。
リスティング広告のキーワードとは
リスティング広告のキーワードは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで広告を表示する範囲を決める重要な要素です。
ユーザーが検索しそうな語句を予想し、実際に検索されたら広告が表示されるようにリスティング広告の管理画面で登録します。
キーワードに登録する語句と実際にユーザーが検索する語句がズレていると、自社の商品にニーズを感じないユーザーにばかり広告を届けてしまうので注意が必要です。
リスティング広告で成果を出せるかどうかは、キーワードに登録する語句次第だとおぼえておいてください。
ちなみに、キーワードと検索語句はよく混同されますが、実際はちがうものです。
キーワードはリスティング広告の管理画面に登録する語句を指し、検索語句はユーザーが検索エンジンに入力するものを指します。
「リスティング広告の運用者が登録画面で入力する単語がキーワード」、「ユーザーが何かを知りたいときに検索窓に入力する単語が検索語句」とおぼえておいてください。
マッチタイプとは
リスティング広告のキーワードには、登録したキーワードとユーザーが検索する語句との一致度合いを調整するマッチタイプという設定があります。
一致度合いを調整することにより、広告を表示させる範囲を広くしたり、狭くしたりすることが可能です。
マッチタイプの種類や内容は以下のとおりです。
マッチタイプ | 内容 |
---|---|
完全一致 | 登録したキーワードと同じ意味か同じ意図の検索語句で広告を表示する。表示対象をもっとも絞り込むことが可能で、広告表示範囲はもっとも狭い |
部分一致 | キーワードと検索語句の一致対象範囲がもっとも広いため、他のマッチタイプを指定する必要がない |
フレーズ一致 | キーワードと検索語句が同じ意味のときにも広告を表示できる。 意味さえ同じであれば文言がちがっていても表示される |
マッチタイプに関するくわしい内容は下記の記事で解説していますので、興味のある方はクリックしてみてください。
リスティング広告のキーワード数は多ければいいというものではない
リスティング広告のキーワード数は質が重要であるため、単純に数が多ければいいというわけではありません。
リスティング広告の運用では、コンバージョン単価を低くおさえつつコンバージョン数を増やすことが理想だからです。
登録するキーワードの数が多過ぎると、コンバージョン単価も高くなってしまいます。
まずは、自社商品のメインターゲットが検索しそうな検索語句を予想し、それらに集中して広告を配信するのがおすすめです。
メインターゲットが検索する検索語句は、業種や商材によって異なります。
数にとらわれることなく、予算とのバランスを考えて登録する数を調整しましょう。
設定できるキーワード数には上限がある
リスティング広告で登録できるキーワードの数には上限があります。
Google広告ではアカウントごとに最大500万個、広告グループごとでは最大2万個のキーワードが設定可能です。
Yahoo!広告の場合はアカウントごとに5万個、広告グループごとでは2,000個まで設定できます。
実際にこれらの上限に達するケースは少ないものの、長期にわたる広告運用を見越して早い段階から登録するキーワードの有用性や優先順位を明確にしておくことをおすすめします。
【予算で考える】リスティング広告キーワード数の目安
リスティング広告運用時の予算面から考えたキーワード数の目安は以下のとおりです。
予算 | キーワード数 |
---|---|
10万以下 | 20~100 |
50万以下 | 100~500 |
100万以下 | 200~1000 |
100万以上 | 300以上 |
上記の表はあくまでも目安です。
広告戦略や自社商材のジャンル、設定するマッチタイプによって登録するキーワード数は大きく変動します。
【事業規模で考える】リスティング広告キーワード数の目安
リスティング広告のキーワード数を、事業規模の視点から考えた場合の目安は以下のとおりです。
事業規模 | キーワード数 |
---|---|
小規模・または初心者 | 5~50 |
中規模ビジネス | 50~200 |
大規模ビジネス | 200以上 |
上記のキーワード数もあくまでも目安です。
広告戦略や設定するマッチタイプ、用意する広告文の内容などによって必要になるキーワード数は異なります。
【クリック単価で考える】リスティング広告キーワード数の目安
リスティング広告で必要になるキーワード数を、クリック単価の視点で考えた場合の目安は以下のとおりです。
クリック単価 | キーワード数 |
---|---|
1~50 | 100~300 |
50~200 | 50~100 |
200以上 | 5~50 |
上記の表も前項と同様、自社運用での目安にしてください。
自社の運用目標や自社の業種・業界、市場規模、設定したいマッチタイプなどによって必要になるキーワード数は異なります。
キーワード数を調整する際のポイント
この項目では、キーワード数を調整するときのポイントについて解説します。
- 【ポイント①】関連性の高いキーワードを設定する
- 【ポイント②】自動で提案されるキーワードは厳しく精査する
- 【ポイント③】検索意図が同じキーワードは1つにまとめる
- 【ポイント④】各マッチタイプで重複したキーワードは「部分一致」にまとめる
また下記の記事では、キーワード選定に便利な無料ツールを紹介していますので、参考にしてください。
「キーワード選定におすすめの無料ツール6選」
【ポイント①】関連性の高いキーワードを設定する
これからリスティング広告をはじめる人は、運用の軸となるキーワードと関連性の高いキーワードだけを追加しましょう。
広告運用の初心者ほどさまざまなキーワードが気になってしまい、軸となるキーワードと関連性の低いキーワードを追加したくなるからです。
たとえば、自社がドッグフードを広告でPRしたい場合、「ドッグフード おすすめ」というキーワードは関連性が高く適切です。
しかし、「ドッグラン おすすめ」のような本来の目的と関連性が低いキーワードを設定すると、ニーズのないユーザーにまで広告が表示されてしまいます。
関連性の低いキーワードを使った場合、ねらっているターゲット層のクリック率が悪くなるだけでなく、関連性の低いユーザーにしか広告が届かない可能性が高いです。
そうなれば、広告費用を浪費する危険性が高まります。
関連性の低いキーワードを避ける方法には「除外キーワード(※1)」があります。
除外キーワードを使えば、関連性の低いキーワードに広告を表示することを避けることが可能です。
※1「除外キーワード」
”特定の語句を含む検索に対して広告が表示されないようにできる機能。”
【ポイント②】自動で提案されるキーワードは厳しく精査する
Google広告の管理画面では、キーワードの候補を合計195個ほど自動で提案してくれます。
最初の提案で25個ほど、さらに追加を選ぶと170個ほど提案してくれます。
登録するキーワードの候補が思い浮かばない人にとっては非常にありがたい機能です。
しかし、提案されたキーワードの有用性の精度は7~8割程度なので、そのままキーワードとして登録するには少し不安があります。
70~80%の精度は高いと感じるかもしれません。
ただ先述のとおり、リスティング広告で成果を出せるかどうかはキーワード選定の精度で決まります。
そのため、Google広告が提案してくれたからといって油断せず、「ユーザーの検索ニーズとマッチしているか?」「検索語句とズレていないか?」などを一つひとつ精査しましょう。
【ポイント③】検索意図が同じキーワードは1つにまとめる
同じ意味を持つキーワードを登録する場合は、1つにまとめるのがおすすめです。
1つにまとめたほうがいいキーワードの例は以下のとおりです。
- 「靴 紳士用」と「紳士用 靴」のような語順がちがう場合
- 「コーヒー」と「珈琲」のような表記がちがう場合
上記のように、表現や語順、文言などがちがうだけで意味が同じキーワードならどれか1つだけ登録しましょう。
Googleでは「キーワードの類似パターン」という機能があるため、意味が同じキーワードにも広告を表示してくれます。
Google広告の設定で「広告のパフォーマンスを維持する」を設定し、「重複するキーワードを削除しましょう」にチェックを入れればキーワードの重複を自動で管理してくれます。
【ポイント④】各マッチタイプで重複したキーワードは「部分一致」にまとめる
キーワードを部分一致にすると、同じ意味のさまざまな語句で検索されたときも広告が表示されます。
キーワードそのものを含まない検索でも広告を表示させられるため、より多くのユーザーに広告を届けられます。
そのため、マッチタイプが重複しているキーワードは、部分一致にまとめるのがおすすめです。
さいごに|リスティング広告のキーワード数に正解はない
リスティング広告の運用で登録するキーワードの数には、明確な正解はありません。
先述のとおり、予算や事業規模によっても目安の数は異なりますし、広告戦略や商材のジャンル、自社の業界、業種によっても目安の数はちがってきます。
ただ少なくとも「多いから良い」「少ないから悪い」という概念はないことだけはおぼえておいてください。
登録したキーワードの個数や内容はいつでも変更・調整が可能です。
そのためあまり敏感にならず、「とりあえず今はこのキーワードを登録しておこう」くらいの感覚でキーワードをピックアップするのがおすすめです。
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