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リスティング広告のCVRを改善する8つの方法|離脱防止のための施策を解説

コラム:2024年7月4日

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リスティング広告運用で売上を出すには、CVRを適正にする必要があります。
リスティング広告でどれだけランディングページにユーザーを誘導しても、肝心のコンバージョンを獲得できなければ売上につながらないからです。

本記事では、リスティング広告のCVRの概要と業種別の平均CVR、CVRが上がらない理由などについて解説します。
また、リスティング広告のCVRを改善するための方法も8つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

リスティング広告のCVRとは

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CVRは「Conversion Rate」の略で、日本語でコンバージョン率のことです。
商品購入・サービス加入、資料請求、問い合わせなど、広告運用における最終目標に至った割合を示す指標です。
リスティング広告では、広告のクリック数に対して、どれくらいのコンバージョンを獲得できたかを確認できます。

CVRは、上記画像の計算式で算出します。
たとえば、リスティング広告がユーザーに1,000回クリックされて獲得したコンバージョン数が50件なら、CVRは5%です。

CVRは、「広告がどれだけユーザーに届いているか」を確認するものであり、広告がコンバージョンの獲得にどれだけ貢献できているかを確認できます。

「リスティング広告の効果を最大化できているか?」は、CVRを見れば判断できるといえるでしょう。

リスティング広告の平均CVRは?

海外メディア「Digital Gravity」の調査結果では、Google広告のCVRの平均は約3.75%になっています。

業種別で見ると以下のとおりです。

業種CVR
アパレル&シューズ1.57%
自動車6.21%
建設6.15%
コンサルティング・プロフェッショナルサービス3.70%
eコマース&マーケットプレイス2.81%
教育6.15%
食品4.34%
健康7.51%
健康とウェルネス3.63%
情報技術・サービス3.57%
工業・製造業2.76%
不動産4.76%
SaaS2.96%
テクノロジー3.55%

出典:Google Ads Benchmarks By Industry 2024

上記のように、平均CVRは業種によって大きく異なります。
また、同じ業種であっても、業界や商材が違えば平均CVRも変わってきます。

自社CVRの指標は、自社商材にとってもっとも適切と考えられる場所にコンバージョンポイントを設定し、ユーザーの行動傾向を把握した上で決めるのが一般的です。
まずは、自社の業種・業界における平均CVRを目標にして、それを上回ることを目指しましょう

自社のCVRは、Googleアナリティクスというツールで確認できます。

CVRの平均については、下記の記事もおすすめです。
CVR(コンバージョン率)の平均値は?業界別の調査データと具体的な改善策を紹介

CVRが上がらない原因は「離脱率」にある

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離脱率とは、自社サイトを訪れたユーザーが、他のWebページに移動することなくそのままサイトを離れた割合のことです。

CVRを改善するためには、この離脱率の分析・改善が重要です。
離脱率が高いWebページを特定すれば、どのページが原因でユーザーがサイトを離れているかを把握できます。
ユーザーの離脱につながっているページを改善すれば、獲得できるコンバージョン数も多くなり、CVRの改善にもつながります。

離脱率が高くなる主な原因は以下のとおりです。

  • コンテンツがユーザーニーズに合っていない(ユーザーは「知りたい情報が得られない」と判断したらすぐに別のサイトに移動する)
  • サイト・コンテンツの使い勝手が悪い(読み込みが遅い、リンクの場所がわかりにくい、欲しい情報がどこにあるかわかりにくいなどは、離脱の大きな原因となる)
  • 売り込みが激しい(テキストの数行ごとに広告を設置するなどの売り込みが激し過ぎると、「しつこい!」「うっとうしい!」と思われて離脱につながる)

CVRを上げるためには、ユーザーの離脱につながっている原因を取り除き、サイト全体の離脱率を下げるための施策を取ることがもっとも重要です。

リスティング広告のCVRを改善する8つの方法

この項目では、リスティング広告のCVRを改善するための方法を8つ紹介します。

  • 【方法①】キーワードを見直す
  • 【方法②】貢献度が高いキーワードの入札単価を上げる
  • 【方法③】広告を配信する日時やエリアを見極める
  • 【方法④】CVまでの導線を短くする
  • 【方法⑤】広告表示オプションを設定する
  • 【方法⑥】広告文を見直す
  • 【方法⑦】LPを改善する
  • 【方法⑧】動画を設置する

【方法①】キーワードを見直す

リスティング広告のCVRを改善するには、まずキーワードを見直しましょう

具体的な施策を以下にまとめます。

  • 除外キーワードを設定する
  • マッチタイプは「完全一致」や「フレーズ一致」を使う
  • ニーズが明確になっているキーワードをねらう

除外キーワードを設定することで、コンバージョンに至りにくいキーワードを避けて広告を出稿することが可能です。
一例を挙げると、高価格帯の商品を扱う場合の「中古」や「安い」といった語句が該当します。

マッチタイプでは、「部分一致」を避けることでコンバージョンに至りにくいキーワードへの広告出稿を避けられます
コンバージョンを獲得しにくいキーワードを避ければ、広告費の浪費を防ぐことが可能です。

ニーズが明確なキーワードとは、商品のジャンルや名称などが含まれているキーワードのことです。
たとえば、「チェア おしゃれ」よりも具体的な商品ジャンルが含まれた「ゲーミングチェア おすすめ」の方が、購入意欲の高いユーザーにアプローチできます。
自社の商品へのニーズが高まっているユーザーが検索しそうなキーワードをねらえば、CVRの改善につながるでしょう。

リスティング広告のキーワードの扱いについては、下記の記事もおすすめです。
リスティング広告のキーワードの選び方:ステップや設定ポイント等を解説

【方法②】貢献度が高いキーワードの入札単価を上げる

リスティング広告のCVRを改善するために、貢献度の高いキーワードの入札単価を上げましょう
入札単価を上げれば、オークションで競り勝つ確率が上がります。

オークションに競り勝ち、貢献度の高いキーワードに出稿した広告の露出が増えれば、クリック数やクリック率も向上してランディングページへの流入も増えます。
ランディングページへの流入が増えればコンバージョンを獲得する機会も増えることになり、CVRも上がりやすくなるでしょう。

ただ、人気の高いキーワードは入札額が高くなる傾向にあるため、予算の適切な管理が重要です。
可能であれば、予算の範囲内で競合が少なく、かつコンバージョンが取れそうなキーワードを探しましょう。

【方法③】広告を配信する日時やエリアを見極める

リスティング広告のCVRを改善するためには、広告を配信する日時やエリアを見極めましょう

具体的な施策を以下にまとめます。

  • CVRの高いエリアを見極める
  • CVRの高い時間帯や曜日を見極める
  • CVRの高いユーザー属性を見極める
  • CVRの高いデバイスを見極める

上記の項目は、商材がBtoBかBtoCかによって傾向が異なるので注意が必要です。

エリアについては、ターゲットユーザーの行動を予測して、立ち寄りやすそうな地域などを見極めましょう。

時間帯や曜日については、平日の朝から夕方、早朝、夜、土日といったさまざまな時間帯や曜日に配信するのがおすすめです
広範囲に広告を配信してそのデータを分析し、CVRの高い曜日や時間帯を見極めれば、費用対効果の高い広告運用が可能になります

ユーザー属性については、自社のターゲットユーザーの情報を深掘りして見極めましょう。
ユーザー属性のイメージが鮮明になってくれば、ターゲットがメインに使うデバイスや、商品を購入する際によく利用するデバイスなども予想できます。

【方法④】CVまでの導線を短くする

リスティング広告のCVRを改善するためには、コンバージョンまでの導線を短くしましょう
具体的には、広告をクリックした後に移動するサイトのページを、トップページ以外に設定することです。

商品購入やサービス加入の他、お問い合わせや資料請求といった自社が設定するコンバージョンに至るまでの導線を短くすると、CVRが改善される可能性が高まります。

リスティング広告からの遷移先をトップページのみに設定していると、ユーザーが目的の情報にたどり着くまでの手間が多くなり過ぎる可能性があるので注意してください。

目的の情報にたどり着くまでの手間が多過ぎると離脱率が上がり、CVRも低下する危険性が高くなります。
これを防ぐには、ユーザーが目的を達成できるページに直接遷移させるなどの工夫が必要です。

【方法⑤】広告表示オプションを設定する

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リスティング広告のCVRを改善するために、広告表示オプションを設定しましょう

具体的な施策を以下にまとめます。

  • 住所表示オプションで自社の住所を伝える
  • 電話番号表示オプションで自社の電話番号を伝える
  • コールアウト表示オプションで商品やサービスの特徴をシンプルに伝える
  • サイトリンク表示オプションで訪問してほしいWebページのリンクを表示させる

上記のようなオプションを設定することで広告の表示スペースが広がり、視認性が向上するのでクリックされやすくなります。
また、文字数の制限で伝えきれなかった情報を追加できるのもメリットです。

住所表示オプションについては、店舗への来店を促すと同時に「実在する店舗である」とユーザーに安心感を与えられます。

電話番号表示オプションは予約や在庫の確認の他、飲食店や美容院などで、店内の混み具合やアクセス方法などを確認するときに便利です。

コールアウト表示オプションは短文ではありますが、広告文では伝えきれない商品やサービスの特徴を端的に伝えられます。

サイトリンク表示オプションは自社にとって重要なWebページのリンクを表示させることで、ユーザーと複数の接点を生み出すことが可能です。
ランディングページだけでなく各種SNSでユーザーとつながるきっかけを生み出したり、他の関連サービスを紹介したりできます。

ユーザーに提供する情報量が増えればより多くのコンバージョンの獲得が期待できるため、CVRの改善も見込めます。

リスティング広告の広告表示オプションについては、下記の記事もおすすめです。
【Yahoo!広告】広告表示オプションの設定方法|メリット・注意点も徹底解説!

【方法⑥】広告文を見直す

リスティング広告のCVRを改善するために、広告文を見直しましょう

具体的な施策を以下にまとめます。

  • 広告文とキーワードの検索意図を一致させる
  • 広告文とランディングページの関連性を深める
  • ABテストを行う

広告文とキーワードの検索意図を一致させるためには、積極的にキーワードで使われている語句を広告文で使いましょう。
広告文にキーワードを含む際は、意味が通じる範囲でシンプルかつ効果的なテキストになるよう心がけてください。

広告文とランディングページの関連性については、リスティング広告の上位表示に関わります。
両者の関連性が高いと自社の広告が上位に表示されやすくなるので、それぞれに設定されたキーワード、広告文、訴求内容などが一致するよう調整しましょう。

広告文の改善にはABテストも有効です。
複数の広告文を同時に配信し、どちらがより多くのコンバージョンを獲得するかを比較します。
これにより、もっとも効果的な広告文を特定し、CVRの向上に役立てることが可能です。

【方法⑦】LPを改善する

リスティング広告のCVRを改善するために、ランディングページを改善しましょう

具体的な施策は以下のとおりです。

  • ユーザーのニーズに合致した情報を提供する
  • ファーストビューを魅力的にする
  • CTAの位置を適切にする
  • 提供する情報の順番を適切にする
  • Webページの読み込み速度を上げる
  • 申し込みフォームやお問い合わせフォームを最適化する

上記のような改善をLPO(ランディングページ最適化)と言います。
LPOによってランディングページの魅力を上げることで、コンバージョン獲得数も上がり、CVRの改善にもつながります。

ユーザーのニーズに合致する情報の提供については、ランディングページ全体を通して徹底すべきものです。
ユーザーは、知りたい情報がないと判断したWebサイトからはすぐに離脱してしまうので注意しましょう。

ファーストビューの魅力度も、ユーザーの離脱に関係します。
ファーストビューの完成度や魅力が、ランディングページの第一印象を決めるからです。
ユーザーが最初に目にする部分であるファーストビューは「ランディングページの看板」だと捉えて、ブラッシュアップを繰り返しましょう。

CTAとは、ユーザーのアクションを促すボタンやリンクの総称です。
ボタンやリンクの設置場所が悪いと機会損失につながったり、ユーザーが知りたい情報にたどり着けなかったりするので、A/Bテストで最適な場所を見つけましょう。

提供する情報の順番については、ユーザーのニーズや理解に合わせて適切な順序で配置しましょう。
PASONAの法則や新PASONAの法則などの型を活用するのもおすすめです。

Webページの読み込み速度はWebサイトの離脱率に大きく関係するので、画像を圧縮する、ページをスクロール読み込みさせるなどを行って最適化を図りましょう。

また、申し込みやお問い合わせの際の入力項目を必要最低限にし、郵便番号を使った住所検索などの機能を実装するEFO(エントリーフォーム最適化)を行うことも重要です。

LPOとEFOを組み合わせることで、ランディングページの効果を最大化でき、CVRの向上につながります

【方法⑧】動画を設置する

リスティング広告のCVRを改善するために、ランディングページに動画を設置しましょう

具体的な施策は以下のとおりです。

  • ファーストビューに動画を設置する
  • テキストで説明しづらい内容を動画にし、テキストと合わせて設置する

1分間の動画はテキストで約180万語、一般的なWebページの約3,600ページ分の情報量になると言われています。
適切な場所に配置すれば、ユーザーの関心を引き、購入意欲を高める効果が期待できます。

特にユーザーはファーストビューをじっくり確認するため、ファーストビューに魅力的な動画を設置しておけば強く関心を引けるでしょう。

また、専門用語が多く理解しづらい金融や不動産、コンサルティング、映像で訴求するのに向いているアパレルやコスメ、リゾートなどの商材も動画との相性が良いです。
これらの商材を扱っているなら、積極的に動画を活用するのがおすすめです。

動画を設置したタイプと動画なしのタイプをそれぞれA/Bテストにかけ、効果を確かめつつ取り組みましょう。

離脱率を下げ、CVRを改善するためにA/Bテストを実施しよう

CVRを改善するには、ランディングページにおける離脱率を下げるための施策とユーザーがコンバージョンに至りやすい施策を行うことが大切です。
そして、これらの施策を行うときは、積極的にA/Bテストを行ってより良い選択肢を見つけることも重要です。

これらの作業を繰り返し行いながらさまざまな施策を試し、積極的にPDCAを回しましょう。

もし、これらの作業を行う上でのノウハウや社内リソースが足りていないなら、リスティング広告運用で豊富な知識と経験を持つ弊社にご相談ください。

弊社は、これまで多くの企業様のCVRを改善してきた実績がございます。

お問い合わせ時に業界や商材、現在の運用状況、課題や悩みなどをお伝えいただければ、最適な改善プランを提案いたします。

※広告運用におけるA/Bテストについては、下記の記事もおすすめです。
リスティング広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・測定・分析まで徹底解説
【Google広告】ランディングページ(LP)のA/Bテスト実施ガイド

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この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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