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リスティング広告のクリック単価(CPC)相場|調べ方や最適化する施策を解説

コラム:2024年8月7日

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リスティング広告を運用して成果を出すには、クリック単価の適正化が欠かせません。
広告を検索結果の上位に表示してどれだけコンバージョンを獲得しても、経費となる広告費が大きければ利益は大きくならないからです。

費用対効果の高い広告運用を行うには、クリック単価の適正化への取り組みが必須になります。

本記事では、リスティング広告のクリック単価の決まり方や相場について紹介します。
また、平均クリック単価の調べ方やクリック単価高騰の原因、クリック単価を最適化する方法なども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

リスティング広告のクリック単価(CPC)とは

クリック単価とは、広告がクリックされるたびに発生する料金のことです。

たとえば、自社のリスティング広告のクリック単価が200円の場合、20回クリックされたら4,000円です。
この場合、必要になる広告費は4,000円となります。

計算式は「クリック単価×クリック数=広告費」です。

クリック単価は競合の多さやキーワードへの入札状況によって日々、変動します。

リスティング広告は1日あたりの広告予算を事前に決めて運用するのが一般的です。
このとき、「クリックを1日に20回獲得するにはどれくらいの予算が必要か?」を考えるときに、クリック単価が必要になります。

【合わせて読みたい】
クリック単価(CPC)とは?相場や改善方法を分かりやすく解説!

クリック単価の決まり方

リスティング広告のクリック単価は、競合とのオークションで決まります。
人気のキーワードでよくあるように、複数の広告主がひとつのキーワードに集中して広告を出稿する場合、広告ランクの高いものから優先的に表示されます。

ちなみに、広告ランクはGoogle広告での名称です。
Yahoo!広告では、オークションランクと呼ばれます。

広告ランクを決定する3つの要素は以下のとおりです。

  • 入札単価(1回のクリックでかかる費用の上限。上限クリック単価ともいう)
  • 品質スコア(ランディングページのクオリティ・広告との関連性の高さ・推定クリック率で総合的に判断される)
  • 広告表示オプション有無や設定内容)

Google広告では、品質スコアをアカウントで確認できます。

クリック単価は「自社広告の1つ下の広告ランク ÷ 自社広告の品質スコア+1」の式で計算されます。

計算例を挙げると以下のとおりです。

「900÷7+1=129円」
「820÷8+1=103円」

クリック単価の適正化には、上限クリック単価と品質スコアの最適化が重要です。

リスティング広告のクリック単価(CPC)相場

海外メディア「WordStream」が調査したリスティング広告のクリック単価の相場は、以下のとおりです。

業界平均クリック単価(検索)[¥]平均クリック単価(GDN)[¥]
非営利団体369.093.0
自動車369.087.0
企業向け499.5118.5
消費者サービス960.0121.5
デートと出会い417.0223.5
電子商取引174.067.5
教育360.070.5
雇用サービス306.0117.0
金融・保険516.0129.0
健康と医療393.094.5
家庭用品441.090.0
産業サービス384.081.0
法律サービス1012.5108.0
不動産355.5112.5
テクノロジー570.076.5
旅行・ホスピタリティ229.566.0

(1ドル=150円で換算)

参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry

上記の相場はあくまでも平均です。
先述のとおり、品質スコアや出稿するキーワードによって変動するので注意してください。

出稿したいキーワードの平均クリック単価(CPC)の調べ方

この項目では、キーワードの平均クリック単価の調べ方について紹介します。

  • 【step①】Google広告の「キーワードプランナー」にログインする
  • 【step②】「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックする
  • 【step③】キーワードを入力して「開始する」をクリックする

【step①】Google広告の「キーワードプランナー」にログインする

グラフィックス1

画像引用:Google広告 キーワードプランナー
グラフィックス2

まず、Googleアカウントを持っていない場合は事前に作成し、ログインしておいてください。

Googleアカウントでログインした状態でGoogleキーワードプランナーのトップページにアクセスし、「キーワードプランナーを使ってみる」を選択します。

管理画面にアクセスできる場合は、「ツール」→「キーワードプランナー」の順に選択します。

【step②】「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリックする

グラフィックス3

上記赤枠で確認できる「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選びます。

【step③】キーワードを入力して「開始する」をクリックする

グラフィックス4

「検索のボリュームと予測のデータを確認する」のテキストボックスにクリック単価を調べたいキーワードを入力してください。

エンターキーで改行すれば、一度に複数のキーワードを入力して調査できます。

調査したいキーワードの入力が完了したら「開始する」の青いボタンを押します。
グラフィックス5
上記画像のように、先ほど入力したキーワードのクリック単価相場が表示されます。
目安にする場合は赤枠の高額帯に注目し、「このキーワードのクリック単価は高くてもこれくらいの額になるんだな」と考えておきましょう。

過去の単価を参考にしたデータが表示されるため、実際のクリック単価はその時の需要や競合性で変わることもあります。ですので、あくまでも参考程度に見ましょう。

低額帯・高額帯の概要は以下のとおりです。

指標説明
ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯)対象キーワードで検索結果上部に広告を表示した広告主の単価実績の中で、低い範囲の入札単価が表示される
ページ上部に掲載された広告の入札単価(高額帯)対象キーワードで検索結果上部に広告を表示した広告主の単価実績の中で、高い範囲の入札単価が表示される

リスティング広告のクリック単価(CPC)が高騰する原因

この項目では、リスティング広告のクリック単価が高騰する原因について紹介します。

  • 【原因①】同じキーワードで出稿する競合が増える
  • 【原因②】広告の品質スコアが低い
  • 【原因③】利益率の高い商品を扱っている

【原因①】同じキーワードで出稿する競合が増える

リスティング広告のクリック単価は、ひとつのキーワードに広告を出稿しようとする競合の数が多ければ多いほどクリック単価も高くなります。
オークション形式で広告の表示順位が決まるため、広告ランクの値が近い場合、より高い入札単価に金額が引っ張られるからです。

多くのユーザーが検索する人気のキーワードほどオークションでの競争も激しくなり、結果としてクリック単価が上がる傾向にあります。

【原因②】広告の品質スコアが低い

リスティング広告のクリック単価は、自社広告の品質スコアが低いと高くなる傾向にあります。
リスティング広告のオークションは、広告ランクの影響を強く受けるためです。

広告ランクを決める要素のひとつに品質スコアがあるため、品質スコアが低い状態だと広告ランクにも悪影響が出ます

品質スコアが低いと、「影響を受けて広告ランクも低くなる→入札単価を高くしない限り広告の掲載順位は上がらない→クリック単価が高騰する」という流れになります。

【原因③】利益率の高い商品を扱っている

リスティング広告のクリック単価は、自社が利益率の高い商品を扱っている場合でも高くなります。
利益率の高い商品を扱っている広告主は、多少、入札単価を高くしても十分な利益が見込めるので、確実にオークションに競り勝てるように金額を高くする傾向にあるからです。

このケースは、高額な商品・サービスを扱うことの多いBtoB企業の入札でよく見られます。

リスティング広告のクリック単価を最適化する施策

この項目では、リスティング広告のクリック単価を最適化する施策について紹介します。

  • 【施策①】出稿キーワードを見直す
  • 【施策②】除外キーワード
  • 【施策③】品質スコアを上げる
  • 【施策④】広告表示オプションを設定する
  • 【施策⑤】入札単価を見直す

【施策①】出稿キーワードを見直す

クリック単価を最適化する方法のひとつが出稿キーワードの見直しです。
検索ボリュームの大きいキーワードは大きな利益が見込めるため、多くの競合が狙います
そのため、クリック単価も高騰することが多いです。

自社に強い資金力や広告ランクがあれば良いですが、ない場合はこのようなキーワードを避ける方が無難といえます。
人気のキーワードにこだわるあまりクリック単価が高くなり過ぎると、赤字になってしまう可能性があるので注意が必要です。

クリック単価の最適化を狙うなら、クリック単価が低く、それなりのコンバージョンを獲得できるキーワードを見つけて広告出稿を狙うのがおすすめです。

【合わせて読みたい】
リスティング広告のキーワードの選び方:ステップや設定ポイント等を解説

【施策②】除外キーワード

除外キーワードを設定することも、クリック単価を最適化させる方法のひとつです。
除外キーワードの設定とは、広告を表示させたくないキーワードを事前に登録しておくことです。

「クリックはされるが、コンバージョンが発生する見込みはまったくない」と明らかに判断できるようなキーワードは、積極的に設定しておきましょう。
これにより、コンバージョンに至る可能性の高いキーワードにのみ広告を出稿できるため、広告運用の費用対効果が高まります。

除外すべきキーワードは、リスティング広告の管理画面の運用データで確認できます。

【施策③】品質スコアを上げる

品質スコアを上げることも、クリック単価を最適化させる方法のひとつです。
品質スコアを上げれば広告ランクも上がるので、その分、低いクリック単価で広告を上位に表示できます。

品質スコアを向上させる方法は以下のとおりです。

  • 広告文をブラッシュアップして訴求力を上げ、推定クリック率を高める
  • 広告とランディングページのコンテンツを調整して関連性を高める
  • ランディングページの利便性やクオリティを高める

上記の取り組みは費用対効果の高いリスティング広告運用に欠かせない工程なので、積極的に行うことをおすすめします。

【合わせて読みたい】
品質スコアを上げるための3つの施策を解説

【施策④】広告表示オプションを設定する

広告表示オプションを設定することも、クリック単価を最適化させる方法のひとつです。
広告表示オプションを設定すると広告がクリックされやすくなり、推定クリック率の向上も期待できるため、広告ランクに良い影響があるからです。

オプションでは電話番号や住所、商品の価格、別途クリックして欲しいサイトのURLなどを広告に追記できるため、広告のクオリティや訴求力も向上します。

自社の広告に最適なものを設定すれば、広告ランクの向上だけでなく、コンバージョン率の向上も期待できるでしょう。

【合わせて読みたい】
【Yahoo!広告】広告表示オプションの設定方法|メリット・注意点も徹底解説!

【施策⑤】入札単価を見直す

クリック単価を最適化させる方法のひとつに、入札単価の見直しがあります。
広告を上位に表示させることにこだわって入札単価を高くし過ぎると、クリック単価も高くなってコンバージョンから得られる利益も少なくなります

利益があるならまだ良いですが、赤字になるなら広告を出稿する意味がありません。

キーワードや商材によっては、検索結果の上位に表示されなくてもコンバージョンを獲得できるケースもあります。
クリック単価が高くなり過ぎて広告費が利益を圧迫しているなら、一度入札単価の上限を下げ、クリック単価や顧客獲得単価(※1)の推移を確認することをおすすめします。

※1「顧客獲得単価」
”CPA(Cost per Acquisition)とも呼ばれる。コンバージョン一件あたりにかかった費用”

【合わせて読みたい】
高騰したCPCを下げる8つの改善策を解説

まとめ

クリック単価を低く抑えられれば広告運用にかかる費用を抑えることになるので、コンバージョン獲得によって得られる利益も高くなります
そのため、広告運用の費用対効果を高めるためにも、ぜひ取り組みたい施策といえます。

ただ、クリック単価を低く抑えるための方法は専門知識やノウハウを必要とするものが多いです。
たとえば、品質スコアを上げるには推定クリック率を高めたり、ランディングページのクオリティを高めたりすることが必要になります。

初心者の方がこれらの施策に取り組む場合、知識やノウハウを身に付けて成果を出すまでに多くの時間がかかります。
そのため、すぐに成果を出したいなら、広告運用の専門家である広告代理店を利用するのがおすすめです。

弊社もそのひとつで、リスティング広告運用全般に精通しております。
これまで多くの企業様のリスティング広告運用において、クリック単価を抑えることに成功してきました。

お問い合わせ時に業界や商材、現在のクリック単価の状況、課題や悩みなどをお伝えいただければ最適な改善プランを提案いたします。

ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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