広告代理店の手数料が丸わかり！成功する契約のコツと費用相場

コラム：2024年10月23日

広告代理店に依頼できること

広告代理店には、広告運用全般の業務を依頼することができます。
以下に、広告代理店に依頼可能な具体的なサービスを紹介します。

広告戦略の策定
広告運用の代行
広告クリエイティブ制作
効果測定とレポート作成
成果報告の定例会議

※上述した業務の「広告クリエイティブの制作」は別途費用がかかる場合があります。それ以外はほとんどの場合、手数料の範囲内で行ってくれます。
広告代理店に依頼できる業務は多岐にわたりますが、これらのサービスをまとめて依頼することで、広告運用にかかる時間やコストを大幅に削減できる点が大きなメリットです。

また、広告代理店は専門知識と経験を持っており、最新のマーケティングトレンドに基づいた最適な戦略を提案してくれるため、広告の効果を最大化することが期待できます。

定例の成果報告会議では、広告のパフォーマンスを定期的に確認し、常に改善を続けることが可能です。これにより、広告費用に対するリターンを最大限に引き出すことができ、自社のマーケティング目標の達成に大きく貢献します。

広告代理店の手数料の相場は？

広告代理店に運用代行を依頼する際、手数料の決定方法は代理店によって異なります。リスティング広告を依頼する際に考えられる主な手数料の体系と、それぞれの相場について紹介します。

広告代理店の料金体系

代理店によっては、広告費用や作業内容に応じてさまざまな料金体系を採用しています。代表的な手数料体系は以下の3つです。

料金体系	特徴	手数料の決め方の例
料率型	広告費に応じて決定	広告費×20％
定額型	一定の作業量に応じて決定	月額固定費用で10万円〜
成果報酬型	成果に応じて決定	コンバージョン数×（売上の10％）

料率型

「料率型」は、広告費用に応じて手数料が決定されるモデルです。一般的には、広告費の15％〜20％が手数料として設定されます。このモデルは、広告費が大きくなるほど手数料も増加するため、一定の予算を運用する企業にとっては透明性が高いと言えます。

例: 広告費が100万円の場合
100万円 × 20％ = 20万円
→ 広告費＋手数料の合計は120万円となります。

定額型

「定額型」は、作業量に応じて月額固定で手数料が決定されるモデルです。広告予算に左右されず、一定の作業や管理を依頼できるため、予算の見通しを立てやすいのが特徴です。多くの広告代理店では、月額10万円〜50万円程度の手数料が一般的です。

例: 広告費が100万円の場合
定額手数料が20万円の場合
→ 広告費＋手数料の合計は120万円となります。

成果報酬型

「成果報酬型」は、広告の成果（コンバージョン数など）に応じて手数料が決まるモデルです。特にリード獲得や販売など、具体的な成果が求められるキャンペーンでよく使われます。一般的には、成果1件あたりの報酬が売上の5％〜10％で設定されます。

例: コンバージョン数が150件、売上単価が1万円の場合
150件 ×（1万円 × 10％） = 15万円
→ 広告費＋手数料の合計は115万円となります。

それぞれのメリット・デメリットを図表で比較

モデル	メリット	デメリット
料率型	– 広告費に応じた手数料のため、収益が上がればそれに応じた運用が可能 – 広告費に比例するため、予算が少ない段階でも代理店のサポートが得られる	– 広告費が高額になると、それに伴い手数料も高額になる可能性 – 成果が上がらなくても、広告費に応じた手数料が発生する
定額型	– 月額固定でコストが明確なため、予算管理が容易 – 広告費に関係なく一定のサポートが得られる	– 広告効果が見込めなくても、一定の費用が発生する – 大きな成果が出ても、固定費用のためコストメリットが少ない
成果報酬型	– 成果が出たときにのみ支払いが発生するため、リスクが低い – 成果に対する報酬のため、代理店の積極的な運用が期待できる	– 成果が出ないと代理店側のモチベーションが下がる可能性 – 成果が大きい場合、支払い額が高額になる場合がある

このように、広告代理店の手数料は依頼するモデルや予算に応じて異なります。それぞれの料金体系のメリットとデメリットを理解し、自社の目標や予算に最も合ったモデルを選ぶことが重要です。

広告代理店と成功する契約のポイント

広告代理店との契約を成功させるためには、単に手数料だけに注目するのではなく、代理店の選び方や交渉の仕方にも戦略が必要です。
適切な代理店を選び、双方にとって利益のある契約を結ぶことで、長期的に安定した広告効果を得ることができます。以下に、成功するための具体的なポイントを解説します。

代理店選びのコツ

【コツ①】手数料体系の透明性を確認する

手数料がどのように決まるのか、その体系が透明で理解しやすい代理店を選ぶことが重要です。

例えば、広告費に対する料率型なのか、月額固定型なのか、あるいは成果報酬型なのか、それぞれの違いを理解し、自社の予算やニーズに合ったものを選びましょう。手数料の内訳が明確で、追加費用が発生する場合も事前に説明してもらえる代理店が望ましいです。

【コツ②】総費用の見通しを持つ

手数料だけでなく、広告運用にかかるトータルコストをしっかり確認しましょう。

クリエイティブ制作や運用中の改善作業に追加費用が発生するケースもあるため、すべてのコストを見込んだ上で、予算を管理することが重要です。代理店の説明が曖昧な場合は、具体的な費用構造について詳細な説明を求めるべきです。

【コツ③】パフォーマンスとのバランスを考える

手数料が低い代理店に惹かれることもありますが、重要なのは、その費用に見合ったパフォーマンスを提供できるかどうかです。

過去の実績やクライアントのフィードバックを参考にし、手数料がどの程度の成果をもたらしているのかを評価することで、長期的なパートナーとして信頼できるかを見極めましょう。

【合わせて読みたい】
「運用予算を無駄にしない！リスティング広告代理店の選び方や注意点を解説」

契約の際のアドバイス

【アドバイス①】手数料の「内掛け」・「外掛け」を確認する

手数料の計算方法には、「内掛け」と「外掛け」の2つの方式があります。内掛けは広告費に手数料が含まれた額、外掛けは広告費に手数料が追加される形で計算されます。

例えば、広告費100万円で、内掛けの場合、20％が手数料だとすると実際に広告に使用する費用は80万となります。
認識が違うと、トラブルになりかねませんので、どちらの方法を採用しているかは契約前に確認しておくべきです。

【アドバイス②】初期費用の有無を確認する

広告運用を開始する際、代理店によっては「初期費用」を請求する場合があります。

この費用にはアカウント作成、キーワード選定、キャンペーン設定などの初期作業が含まれます。初期費用が発生する場合、その内容と金額が妥当であるかどうかを確認しましょう。

【アドバイス③】運用手数料の交渉余地を探る

広告代理店の運用手数料は多くの場合、広告費の20％前後に設定されていますが、長期契約や大規模キャンペーンの場合は手数料の減額交渉が可能な場合もあります。

さらに、月々の広告費が高額な場合、ボリュームディスカウントを依頼できる可能性もあります。

【Q＆A】よくある質問

Q:手数料の支払いのタイミングは？

A:広告代理店の手数料は一般的に、月次で支払うのが通常です。多くの場合、前月の広告運用結果に基づき、手数料が請求されます。
具体的なタイミングや条件は、代理店との契約内容によって異なります。ただ、資金繰りが苦しいため、広告費を後払いにしたいという場合は、立て替えに対応している代理店を選びましょう。
とはいえ、自社のキャッシュフローが十分に安定している場合は、先払いのみに対応している代理店でも問題なく利用できます。

Q:広告費が数万円の場合、どの報酬形態の代理店がいい？

A:広告費が数万円程度の場合、定額型か成果報酬型の代理店が適していることが多いです。広告費が低額だと、料率型の手数料が広告費に対して高すぎる割合を占める可能性があり、コストパフォーマンスが悪くなることがあります。
一方、成果報酬型であれば、広告効果に応じた支払いとなるため、リスクを軽減できます。ただし、月額固定型でも、低額なプランを提供している代理店があるため、そのようなオプションを検討することも有効です。

Q:手数料を支払って、成果が出なかった場合のリスク管理は？

A:まず契約前に、自社の広告運用に対する代理店の見解や戦略を確認し、他社と比較したうえで代理店を決定することが重要です。また、契約時に成果指標（KPI）を具体的に設定することで、どの程度の成果が見込まれるかを明確にしておきましょう。

最終的に、経過をしっかりと把握しながら進めることで、代理店との関係を継続的に改善する機会が得られます。
広告運用は効果的なマーケティング戦略ですが、必ずしも成果が出るとは言いきれない施策です。成果が出なかった場合でも、プロセス自体に納得感が生まれ、次の改善に向けての準備がしやすくなるように、積極的に代理店と連携しましょう。