Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?種類や特徴を分かりやすく解説
Microsoft広告は、Microsoftが提供するブラウザや検索エンジン、ポータルサイトなどに広告を配信できる媒体です。
GoogleやYahoo!などの広告媒体とはまた違ったユーザー層にアプローチできるため、新たなビジネスチャンスを生み出せる可能性があります。
本記事では、Microsoft広告の概要や種類、メリットなどを紹介します。
また、運用を始める際の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Microsoft広告のサービス概要
Microsoft広告は、Microsoft社が日本で2022年5月に提供を始めた広告媒体です。
Microsoft社が提供する検索エンジン「Bing」で検索連動型広告を出稿できる他、以下のプラットフォームでオーディエンスネットワーク広告を配信できます。
- ブラウザ「Microsoft Edge」
- ポータルサイト「msn」
- メールソフト「Outlook」
(出典)Statista(StatCounter)
総務省の調査では、検索エンジンのシェアの85%以上を占めているGoogleの勢いが鈍化し、その分Bingがシェアを伸ばしていると出ています。
また、Microsoft広告を利用している企業も、まだまだ少ないのが現状です。
そのため、Microsoft広告は今後、更なる成長が見込まれる媒体であるといえます。
Microsoft広告の種類
この項目では、Microsoft広告の種類について紹介します。
検索キャンペーン
Microsoft広告の検索キャンペーンは、商品やサービスの情報を探しているユーザーに対して広告を表示できます。
このキャンペーンで利用されるMicrosoft Search広告は、キーワードマッチングを利用することで、商品やサービスへのニーズが高まっているユーザーに広告を届けられます。
Google広告でいうところのリスティング広告と考えればイメージしやすいでしょう。
Microsoft Search広告が表示される場所は以下のとおりです。
- Bing
- AOL
- Yahoo!
- DuckDuckGo
- Ecosia
上記の他、パートナー関係にあるサイトの検索結果にも表示されます。
オーディエンスキャンペーン
Microsoft広告のオーディエンスキャンペーンは、MicrosoftのAI技術を利用して、Webサイトに用意されている広告枠などに広告を配信します。
これにより、潜在ユーザーに対して魅力的な広告を届けることが可能です。
オーディエンスキャンペーンで利用されるオーディエンス広告は、潜在ユーザーに関する豊富なデータに基づいて以下のサイトの広告枠に表示します。
- MSN
- Microsoft Start
- Microsoft Edge
- Outlook.com
- その他パートナーサイト
P-MAX(パフォーマンスの最大キャンペーン)
Microsoft広告のP-MAXキャンペーンは、アセット(広告素材)に重点を置いたキャンペーンで、Microsoft Advertisingネットワーク全体における広告目標達成のために広告パフォーマンスの最大化を自動で行います。
キャンペーン内容の作成・管理が簡単で、広告内容とニーズがマッチするユーザーに適切なタイミングで広告を表示するよう最適化できます。
ショッピングキャンペーン
Microsoft広告のショッピングキャンペーンでは、製品広告の作成が可能です。
製品広告は、Microsoftマーチャントセンターストアにある製品フィードの画像とデータを使って広告クリエイティブを作成し、検索結果画面に表示します。
これにより、商品を検索するユーザーに対して視覚的にアピールできるため、ユーザーの購入意欲を高められます。
ショッピングキャンペーンで成果を出すには、製品フィードの情報を正確かつ最新の状態に保つことが重要です。
特に、商品名、価格、画像の品質、商品説明の内容などに注意を払いましょう。
Microsoft広告のキャンペーンタイプ
この項目では、Microsoft広告のキャンペーンタイプについて紹介します。
レスポンシブ検索広告
レスポンシブ検索広告は、最大15個の見出しと4つの説明文を指定できます。
Microsoft Advertisingは、指定したこれらの要素を使って潜在ユーザーにマッチする最適な組み合わせを選び出します。
自動的に最適な組み合わせを選んでくれるため、どの見出しや説明文がもっとも効果的かを一つひとつ試す必要はありません。
そのため、作業コストを大幅に抑えることが可能です。
パフォーマンスの高い組み合わせは継続して表示され、パフォーマンスの低い広告は自動的に表示されなくなるため、常に最適な広告を配信できます。
動的検索広告
動的検索広告は、Webサイトのコンテンツに関連する検索クエリを自動的にターゲティングし、その検索クエリにマッチする広告を動的に作成して配信してくれます。
キーワードリストや広告タイトルの管理・更新なども自動化できるため、広告配信にかかる手間を大幅に軽減することが可能です。
また、新しく有望な検索クエリを見つけたら自動的にターゲティングしてくれるので、従来の手動設定では見逃されていたビジネスチャンスも逃さずに済みます。
ショッピング広告
出典:Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ
ショッピング広告は、Microsoftマーチャントセンターで作成した商品カタログの情報を使って広告を作成・配信できます。
広告で使われる主な情報は以下のとおりです。
- 商品のカスタム画像
- 特定の販売キャンペーンで使われた特別なテキスト
- 商品価格
- 販売者の詳細情報
上記の情報を利用することにより、広告に商品の詳細情報を正確に反映できます。
Bingスマート検索でのMicrosoft Advertising
出典:Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ
Bingスマート検索広告は、Windows 8.1のスマート検索結果に表示される広告です。
アメリカ、イギリス、カナダの3国のみで配信されます。
一見するとBingやAOL、Yahoo!の検索ネットワークサイトのテキスト広告に似ていますが、実際は最新のタッチデバイスに最適化されたフォーマットで表示されます。
広告に遷移先のランディングページのプレビューも表示できるため、広告をクリックする前にユーザーが内容を確認できるのも大きな特徴です。
アプリ インストール広告
アプリ インストール広告は、アプリのダウンロードを促進できる広告です。
見た目はテキスト広告に似ていますが、ユーザーがボタンをクリックすると、該当するアプリストア(Apple App StoreやGoogle Play)に遷移させられます。
具体的には、ユーザーのモバイルデバイスとOSを自動的に検出して対応しているアプリストアに誘導できます。
余計なリンクをはさむことなくユーザーをダウンロードページに誘導できるので、アプリのダウンロード率を高めることが可能です。
オーディエンス広告
オーディエンス広告は、ユーザーの興味や関心、ニーズなどに基づいて配信できる広告です。
興味・関心、ニーズといったシグナルをMicrosoftのAI技術と最適化機能で組み合わせることで、それぞれのユーザーにマッチする広告を届けられます。
オーディエンス広告には、ネイティブ広告、ディスプレイ広告、動画広告があり、MSNやMicrosoft Edgeなどのサイトに表示できます。
マルチメディア
マルチメディア広告は、視覚的訴求力の強い大きめの画像を使って商品やブランドを紹介する広告です。
商品・ブランドの認知度拡大やWebサイトのトラフィック、売上の向上などが見込めます。
マルチメディア広告はサイドバーなどの人目を引く場所にテキスト広告を補完する形で表示されるため、広告全体の表示範囲をより広く取れます。
バーティカル広告
バーティカル広告は、動的データフィード(※1)を活用してクオリティの高いクリエイティブを作成できる広告です。
※1「動的データフィード」
”動的に生成される広告を構成するための素材となる商品データ。主なものとして、商品名や商品画像URL、価格などがある”
MicrosoftのAI技術を利用して、キーワードの要件なしに広告を生成し、カスタマイズできます。
バーティカル広告を活用すれば、クリック数の増加やクリック率の向上、クリック単価の低下といった効果が期待できます。
Microsoft広告の特徴・メリット
この項目では、Microsoft広告の特徴やメリットについて紹介します。
「Bing」に広告配信が可能
Microsoft広告のメリットのひとつに、Bingに広告を配信できる点があります。
Windowsがインストールされたパソコンを使うユーザーはメインブラウザとしてBingを使うケースが多いので、多くのWindowsユーザーに広告を届けることが可能です。
また、Microsoft広告とYahoo!広告はBingの検索結果にテキスト広告を配信できますが、ショッピング広告を配信できるのはMicrosoft広告だけです。
ショッピング広告は検索結果に商品画像や価格情報を表示できるので視覚的訴求力が高く、広告がクリックされやすくなるため、コンバージョン獲得にもつなげやすくなります。
BtoBに強い
Microsoft広告は、BtoBの商材やサービスと相性が良いのもメリットです。
Microsoftの製品はビジネスの現場で利用されることが多いため、ユーザーもビジネスパーソンが多いです。
そのため、BtoB商材の広告に興味や関心を持ってもらいやすくなります。
また、製品は有料で提供されるので偽アカウントも少なく、個人に紐づいているデータの信頼性も高い傾向にあります。
Googleブラウザのようにシェアは大きくないものの、Bingもビジネスの現場で使われることが多いので、BtoB商材を訴求する広告の配信先として魅力的であるといえるでしょう。
広告表示オプションが豊富
Microsoft広告は、広告表示オプションの種類が豊富です。
内容は以下のとおりです。
広告表示オプション | 詳細 |
---|---|
アクション表示オプション | ユーザーが注文したり、メッセージを送信したりなどのアクションを促すボタンを設置できる |
アプリリンク表示オプション | アプリをインストールするためのリンクを表示してインストールを促す |
電話番号表示オプション | 電話番号を表示できる |
コールアウト表示オプション | 商品や特典などのオファーを強調するテキストを追加できる |
フィルターリンク表示オプション | Webサイト内の商品の価格やサイズといったカテゴリーごとのリンクを表示できる |
チラシ表示オプション | 商品やプロモーションのチラシ画像を表示できる |
画像表示オプション | 任意の画像を表示できる |
住所表示オプション | 自社や店舗の住所と電話番号を表示できる。スマートフォンであれば電話番号をクリックすると電話をかけられる |
ロゴ表示機能 | 目を引くロゴを表示できる |
価格表示オプション | 商品の価格と簡単な特徴を記載できる |
プロモーション表示オプション | 期間限定のセールやキャンペーンなどのお得情報を強調表示できる |
レビュー表示オプション | ユーザーの商品やサービスに関するレビューを表示できる |
サイトリンク表示オプション | 任意のサイトリンクを表示できる |
構造化スニペット表示オプション | 扱っている商品やサービス、ブランドなどを一覧表示できる |
動画表示オプション | 広告内容に関連する動画を表示できる |
参照:広告表示オプションの種類
信頼度が高いサイトに配信できる
Microsoft広告は、信頼度の高いサイトに広告を配信できるのもメリットです。
Microsoft広告で配信できるオーディエンス広告は、MSN・Outlook.com・Microsoft Edgeといった「Microsoft Audience Network」内のサイトに配信できます。
Microsoft Audience Networkが提携しているサイトはMicrosoft社が管理・運営しているので、信頼性は抜群です。
Microsoft社は今後も提携先を増やしていく方針なので、オーディエンス広告を配信できる信頼度の高いサイトも増えていきます。
利用者の属性が明確
利用者の属性が明確であることもMicrosoft広告のメリットです。
Microsoftの商品を利用するユーザーは、16~24歳の若年層と45歳以上の購買力の高いユーザーが多いようです。
若年層が多い理由としては、ICT環境(教育現場に情報通信技術を取り入れている環境)の整備に伴い、WindowsPCやMicrosoft社製のタブレットを使う学生が多いからと考えられます。
45歳以上のユーザーが多い理由としては、Windows95発売以降ずっとWindowsを使い続ける人が多いことなどが考えられます。
このようなユーザーはブラウザもEdgeを利用し、検索エンジンもBingを使っている可能性が高いです。
そのため、16~24歳と45歳以上のユーザーが自社のターゲット層であるなら、Microsoft広告を使うと大きな広告効果が見込めます。
Microsoft広告を始める際の注意点
この項目では、Microsoft広告を始めるときの注意点を紹介します。
- 【注意点①】検索広告はオーディエンス広告としても配信される
- 【注意点②】インポート機能で意図しない設定・変更がされることがある
- 【注意点③】タイムゾーンが自動変更されることがある
- 【注意点④】カスタムパラメーターの情報が自動変換されないことがある
【注意点①】検索広告はオーディエンス広告としても配信される
Microsoft広告の検索広告は、オーディエンスネットワークにも配信されることを知っておきましょう。
具体的には、「オーディエンスネットワークに検索広告を配信するかしないか」を選べないことに注意が必要です。
広告効果が見込めないといった理由でどうしても検索広告をオーディエンスネットワークに配信したくない場合は、配信されるWebサイトを除外する設定を行うのがおすすめです。
【注意点②】インポート機能で意図しない設定・変更がされることがある
Microsoft広告は、Google広告などの広告媒体で利用している設定やキャンペーンをインポートできます。
ただ、インポートした際に設定などが変更されてしまうケースがあるので注意が必要です。
インポート機能を利用する際は、以下の内容に気を付けましょう。
- インポート機能を利用するとデメリットがあるケースでは、スケジュール機能をオフにする
- インポート機能を利用するときは内容が正常に反映されているか確認する(除外キーワードが削除されたり、余分な広告が作成されたりしないか確認する)
- アクセス解析ツールを利用する場合はURLトラッキング用のパラメーターに注意する(インポートの際に設定が変わったり、設定が不十分になったりするケースがある)
インポート機能が使えても、広告プラットフォームごとに使える機能に相違があったり、設定を変えないと使えなかったりするケースは多いです。
そのため、不安な場合はインポート機能を使わず、地道に広告管理画面で設定するのがおすすめです。
【注意点③】タイムゾーンが自動変更されることがある
アカウント作成の際、不具合でタイムゾーンが自動的に「ヤクーツク(※2)」に変更されるケースがあることもおぼえておきましょう。
※2「ヤクーツク」
”協定世界時を9時間進ませた標準時。 ロシア第8標準時とも呼ばれ、日本標準時と同じ”
ヤクーツク時間と日本時間に時差はありませんが、日本で広告運用するなら日本時間に設定する必要があります。
管理画面の「変更履歴」でタイムゾーンを確認し、ヤクーツクに変わっていたら日本時間に変更しましょう。
【注意点④】カスタムパラメーターの情報が自動変換されないことがある
カスタムパラメーターの情報が自動変換されないケースがあることにも注意しましょう。
データをインポートで引き継ぐとき、媒体単位のパラメーターデータは自動で変換されますが、カスタムパラメーターは自動で変換されないケースがあります。
カスタムパラメーターの自動変換ができていないと広告運用をスムーズに始められないので、正常に完了しているかどうかを自分の目で確認しましょう。
まとめ
Microsoft広告は、BingやEdge、msn、Outlookなどの信頼性の高いサイトなどに広告を配信することが可能です。
Google広告と組み合わせて運用すれば、Google・Microsoft両方のサイトやサービスに広告を配信できるので、アプローチできる範囲も広がります。
またMicrosoft広告には、BtoBに強い、広告表示オプションの種類が豊富、利用者の属性が明確などのメリットがあります。
本記事で紹介したインポート機能に関する注意点などに気を付けて運用すれば、Google広告などでリーチできない属性のユーザーに広告を届けることが可能です。
弊社では、Microsoft広告の運用代行や自社運用におけるアドバイスなどを請け負っております。
「Microsoft広告を始めたいが何から手を付ければいいか分からない」
「自社運用で迷ったときにプロのアドバイスが欲しい」
上記のような悩みがあるなら、ぜひ弊社にお問い合わせください。