コラム

SWOT分析のやり方ステップ:ポイントや企業例も解説

コラム:2023年12月22日

SWOT分析のやり方

企業や事業の現状を理解し、課題解決やビジョン達成のためにSWOT分析を用いる企業が多いです。

今回は、このSWOT分析について、実際に企業でどのように活用されているのかについて見ていきましょう。

本記事を参考にして、自社の強み・弱みを分析し、効果的な対策を打ち出せるようにしてみてください。

SWOT分析とは

SWOT分析とは

SWOT分析とは、

  • 強み(Strength)
  • 弱み(Weakness)
  • 機会(Opportunity)
  • 脅威(Threat)

4つの要素から自社分析し、事業計画や課題を考えていくフレームワークです。

それぞれの要素の頭文字を取り、SWOT(スウォット)分析と呼ばれます。

3C・4P・PESTといった分析法と併用して用いられるケースも多く、それぞれ異なった視点から自社を分析します。

市場への参入やマーケティングプランの策定をするためには、自社の内部環境外部環境の把握が必要です。

そのためには、SWOT分析のようなフレームワークを用いて、今後の戦略や競合との差別化を図っていかなくてはいけません。

SWOT分析をうまく活用すれば、企業としての経営戦略だけでなく、個人としての目標にも落とし込めるため、活用幅が広いフレームワークといえるでしょう。

SWOT分析を活用する際のポイント

どのようなシーンでどのような情報を用いて、誰が行うのかという点がSWOT分析では大切です。

そこで次に、SWOT分析を活用する際のポイントについて解説します。

【ポイント①】目的を明確にする

何事にも当てはまりますが、なぜSWOT分析をするのか、という点が明確ではないと、最大限の成果は得られません。

まずは目的を明確にしていきましょう。

SWOT分析は、自社の内部環境と外部環境を分析し、市場へ参入する機会があるか、事業課題はどこにあるのかを見つけることが目的です。

そのため、事業計画や企業全体のゴールがどこなのかを含めて、目的を決定していきましょう。

【ポイント②】前提条件を整理する

続いて前提条件の整理です。

  • 分析対象
  • 事業計画・目標
  • 対象顧客(属性)
  • 競合

以上の情報を整理していきます。

もし、上記の前提条件が少しでも異なった場合、条件に伴った強み・弱み・機会・脅威全てが変わります。

そうなると、メンバー間で認識の違いが生まれ、分析結果が効率の悪いものになってしまうので注意しましょう。

【ポイント③】分析する目的・対象に合わせたメンバーを選ぶ

情報を整理し終えたら、分析する目的・対象に合わせたメンバーを選抜します。

分析する目的・対象に対して、強み・弱み・機会・脅威を全て洗い出していかなくてはならないため、多角的な視点から議論を進めなくてはいけません

そうなると、ある一定のメンバーではなく、経営層やエンジニアなど、さまざまな部門から代表を選出する方が、多くの意見が出やすいです。

分析する目的・対象が該当するであろう部門の把握も行い、自社の内外環境にある要素を洗い出していきましょう。

【ポイント④】メリット・デメリットを理解する

メリット・デメリットを理解すれば、SWOT分析を最大限活用できます。

SWOT分析のメリットは以下の通りです。

  • 自社全体の状況を俯瞰的に把握できる
  • 強みだけでなく弱みを理解した対応策が練れるようになる
  • 企業・事業・個人について深く理解できるようになる

社内で事業計画・戦略を進めていくと、どうしても主観的に物事を捉えがちになります。

しかし、SWOT分析は外部環境の分析も行うため、より広い視野で企業・事業・個人を理解できるようになるでしょう。

また、分析対象は強み・弱みの両方なので、長所を伸ばし、短所をカバーするという思考に切り替えられるのも魅力です。

一方、分析項目を極端に分ける必要がある点はデメリットです。

分析していく中には、強み・弱みどちらとも取れる要素があるかもしれません。

しかしSWOT分析では、必ず一方に振り分けなくてはならず、場合によっては難しいこともあるでしょう。

SWOT分析のやり方ステップ

ここまで、SWOT分析の長所・短所を含めた活用方法について解説しました。

では次に、具体的なSWOT分析をステップごとに見ていきましょう。

【ステップ①】外部環境分析

まずは、外部環境となる機会(Opportunity)と脅威(Threat)について分析をしていきます。

外部環境は、市場や社会情勢が当てはまり、何を分析対象とするかによって大きく異なるのが特徴です。

例|脅威

  • 競合が市場を占有している
  • 新規参入企業が増えている
  • 商品・サービスの代替品が普及している
  • 景気・経済の不況化
  • 法律の改正

例|機会

    • 競合が市場から撤退を始めた
    • トレンドや注目を集める事態が起こった
    • 景気・経済状況が好転してきた

外部環境の分析で役に立つフレームワーク

PEST分析
ファイブフォース分析

PEST分析は、

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

という4つの観点から、外部環境を分析します。

ファイブフォース分析は、

  • 新規参入企業
  • 売り手(サプライヤー)
  • 買い手(顧客)
  • 代替品
  • 既存競合他社

という5つの外部環境を対象として分析するフレームワークです。

より正確かつ細かくSWOT分析するために、並行して取り入れてみてください。

【ステップ②】内部環境分析

内部環境は強み(Strength)・弱み(Weakness)が該当するため、以下の項目を分析してみましょう。

  • 認知度・ブランド力
  • 価格・料金
  • 商品・サービスの品質
  • 社内リソース
  • 技術力・ノウハウ・コンテンツ力
  • 店舗の立地

 

例|強み

  • 競合にはないオリジナルな商品・サービス
  • 顧客の満足度が高い
  • 新しい流行に敏感
  • 高品質・低価格

例|弱み

  • 商品・サービスの知名度が足りない
  • 資金が限られている
  • 最新の技術の導入が難しい
  • 人員が少ないため、手が足りていない

 

ここで、注意したいのが、強み・弱みを主観的に考えてしまう点です。

「社内では、ココをウリにしているから強みとして判断できる」というのは決してしないようにしましょう。

内部環境は、外部環境や競合の状況を含めて分析できるよう判断してください。

関連する数値やデータがあると、正確な分析ができておすすめです。

そのため、所有している数値・データは事前に準備しておくといいでしょう。

【ステップ③】クロスSWOT分析

ここまでのステップが終わると、事業においての状況が把握できるようになるため、最後のクロスSWOT分析で戦略や課題解決を目指していきましょう。

クロスSWOT分析とは、先ほどの強み・弱み・機会・脅威を掛け合わせた分析法です。

クロスSWOT分析のやり方

  • 機会×強み

機会に合わせて自社の強みを最大限に活かす

  • 機会×弱み

機会に活かせるよう自社の弱みを補える対策を施す

  • 脅威×強み

強みをもって脅威を避けるあるいは機会へ活かす

  • 脅威×弱み

弱みを理解して脅威を避けるあるいは被害を最小限に抑える

 

会社や事業を大きく成長させるためには、機会×強みについて細かく分析するといいでしょう。

また、機会に恵まれている状態であれば、自社の弱みも補える対策も思いつくかもしれません。

場合によってはビジネスチャンスとして活きる可能性もあるので、機会×強みだけでなく機会×弱みも深堀していきましょう

脅威×強みについては、脅威による影響を少なくする点に注力する方法があります。

例えば、自社の強みを持っていない競合がいる市場で勝負する、などです。

脅威の影響を少なくすることができれば、新たな機会の発見にもなるので、広い視野で見ていきましょう。

企業や事業としての損失を最小限に抑えたい場合は、脅威×弱みについても取り組まなくてはいけません。

もし、この部分をないがしろにしてしまうと、大きな損失を生んでしまう可能性もあるでしょう。

クロスSWOT分析は、全ての項目についてしっかりと考えて、戦略・対策を練るようにしてください

【ステップ④】戦略・計画に落とし込む

最後に、クロスSWOT分析で集めた情報をもとに、どのような戦略・計画を立てていくべきかを考えていきましょう。

戦略・計画は、繰り返しレビューを行い、課題点はないか見直していきます。

上記ステップを踏みながら、戦略・計画の落とし込みまで行い、チームあるいは全体に共有していきましょう。

企業を例にSWOT分析

実際に企業を例にして、自社の内部環境・外部環境・クロスSWOT分析を説明していきましょう。

今回は、マクドナルドを例にします。

【企業例①】外部環境分析

先ほど解説したSWOT分析のステップを参考にすると、まずはトヨタ自動車の外部環境、つまり機会(Opportunity)と脅威(Threat)を洗い出します。

脅威

  • 食の安全性に疑念の声
  • 健康志向の方が増えている
  • コンビニの低価格・高品質なコーヒー販売
  • 競合他社の低価格帯での提供

機会

  • テイクアウトの市場規模拡大
  • 個食の一般化
  • 高付加価値商品のニーズが増加

マクドナルドの競合他社は、モスバーガーやバーガーキングなどのハンバーガーショップを思いつくはずです。

しかし、細かな部分を見てみると、コーヒーを提供するコンビニやコーヒーショップも脅威になりえます。

また、休日のランチという点だけでみるなら、ファミレスやラーメン、牛丼屋も脅威になるでしょう。

このように、視点を俯瞰的に見て、それぞれ分析することが大切です。

【企業例②】内部環境分析

続いて、マクドナルドの内部環境である強み(Strength)・弱み(Weakness)の分析です。

強み

  • ファストフード店における認知度・ブランド力
  • 店舗数の多さ
  • 商品開発力
  • キッズ・ファミリー層への人気
  • 低価格帯

弱み

  • 利幅の少なさ
  • 低価格帯というブランドイメージ

 

マクドナルドは、店舗数の多さと商品開発力、低価格帯での提供が強みといえます。

キッズ・ファミリー層への支持もあるが、低価格だからこそ利幅は少ないです。

利益を考えた場合には、商品を多く売らなくてはいけない点は弱みになるでしょう。

【企業例③】クロスSWOT分析

最後はクロスSWOT分析で戦略や計画を落とし込みます。

  • 機会×強み

商品開発力を活かして、高付加価値商品を定期的に生み出していく

  • 機会×弱み

回転率を上げるため、ニーズを満たす商品や期間限定商品を打ち出す

  • 脅威×強み

低価格でサラダなどのヘルシー路線の商品を開発する

  • 脅威×弱み

立地や内装など、価格以外の部分にもこだわる

今回のSWOT分析のように、各項目を組み合わせて何ができるのかを議論することで、より自社への理解が深まるはずです。

マクドナルドを例にしましたが、どのような企業・個人でもSWOT分析はあてはめられます。

必ずクロスSWOT分析まで行い、戦略や計画を実行できるまで落とし込むようにしましょう。

まとめ

今回はSWOT分析のやり方と、マクドナルドを例にして実際に当てはめてみた場合をご紹介しました。

SWOT分析があれば、自社の取り巻く環境を把握し、事業戦略・計画に活かすことができます

ただし、SWOT分析をする目的が異なれば、要素も大きく変わってしまうので注意が必要です。

必ずSWOT分析を行う目的を明確にしてから、各ステップを踏んで事業に活かしていきましょう。

 

この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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