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CPAを劇的に下げる12の改善策!広告費を効率よく抑えるには?

コラム:2024年10月10日

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広告運用におけるCPA(顧客獲得単価)は、広告の費用対効果を確かめるための重要な指標です。
CPAが抑えられている運用状況は、最小限の広告費でたくさんのCV(コンバージョン)を獲得できていると判断できます。

逆にCPAが高騰していれば多額の広告費をかけてCVを獲得している状況なので、広告費が利益を圧迫している可能性が高いです。
そのため、費用対効果を高めるための改善策を実行する必要があります。

本記事では、まず業界別のCPAの相場とCPAが高騰する原因を紹介し、これを踏まえ、高騰したCPAを下げる施策を12個解説します。
「CVR(コンバージョン率)が低下しているケース」と「CPC(クリック単価)が上昇しているケース」の2パターンの改善策をそれぞれ解説しますので、ぜひ参考にしてください。

CPA(顧客獲得単価)の相場

まずは業界別のCPAの相場を確認しておきましょう。
下記の表は、Googleが2022年2月に発表したレポートを参考にしたものです。

業界 CPA
全業界平均 7,593円
自動車 3,489円
BtoB 15,036円
消費者サービス 9,222円
出会い 8,356円
Eコマース 6,775円
教育 13,180円
転職 6,558円
金融・保険 8,460円
健康と医療 9,191円
家庭用品 12,401円
産業サービス 7,982円
法律 7,658円
不動産 11,675円
テクノロジー 14,464円
旅行 8,775円

参照:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]│WordStream

【1ドル122円で計算】

上記の内容はあくまでも海外を含めた数値であり、業界のくくりもおおざっぱな範囲であるため、日本の業界や自社のCPAとズレているケースもあります

たとえば、自動車業界と一口にいっても、「車本体を扱う業界か」「タイヤなどの車関連のアイテムを扱う業界か」によってCPAは大きく変わってきます。
業界平均はあくまでも目安として参考にしましょう。

CPA(顧客獲得単価)が高騰してしまう2つの原因

CPAが高騰する主な原因は、「CVRが低下した場合」と「CPCが上昇した場合」の2パターンがあります。

この項目では、CPAが高騰するこの2つのパターンについて解説します。

  • CVRの低下
  • CPCの上昇

CVRの低下

CVRが低下するとCVに至るユーザーを1人獲得するための費用も高くなるため、CPAが高騰します。

CVRが低下する主な原因は以下のとおりです。

  • 商品のニーズが減少する季節、物価の高騰、競合のセールといった市場の変化の影響などを受けて自社商品のニーズが減少する
  • ターゲット設定の失敗やキーワードのマッチタイプの調整失敗などが原因で、CVに発展しにくいキーワードからの流入が増える
  • ランディングページの構成・質が低く、コンテンツにも魅力がないためCVに至る前にユーザーがサイトから去っている
  • 広告クリエイティブに問題がある
  • 登録や問い合わせ時の入力項目が多い

CPCの上昇

CPCが上昇すると、ユーザーをランディングページに誘導するために必要な広告の上位表示の費用も高くなるため、CPAも高騰しやすくなります。

CPCが上昇する主な原因は以下のとおりです。

  • 多くの競合が狙う人気のキーワードに入札している
  • 広告ランクが競合より低い
  • 自社広告の品質スコアが低い
  • アドフラウド(※1)による悪影響

※1「アドフラウド」
”無効なインプレッションやクリックを発生させてわざとCPCを高騰させる不正行為”

【合わせて読みたい】
CPAが高騰してしまう4つの理由|今すぐ実践できる改善ポイントとは?

高騰したCPAを下げる12の改善策

この項目では、CPAが高騰したときに下げるための12の改善策を紹介します。

  • CVRが低下している場合
  • CPCが上昇している場合

CVRが低下している場合

CVRが低下している場合の改善策は以下のとおりです。

  • 【改善策①】成果が出ているキーワードに入札を強化する
  • 【改善策②】広告クリエイティブを見直す
  • 【改善策③】ターゲットを絞り込む
  • 【改善策④】広告クリエイティブとLPの訴求に一貫性を持たせる
  • 【改善策⑤】LPO(LP最適化)を行う
  • 【改善策⑥】EFO(エントリーフォーム最適化)を行う

【改善策①】成果が出ているキーワードに入札を強化する

「CVを獲得しているキーワード」「CVを獲得できそうなキーワード」がわかっているなら、それらの入札を強化する方法があります。
同時にCVにつながらないことが明白なキーワードを除外キーワードに登録していけば、より効率よくCVを獲得できるようになり、CVRも高くなります。

【改善策②】広告クリエイティブを見直す

CVRが低下している状態で以下の状況に当てはまるなら、広告クリエイティブを見直すのもおすすめです。

  • 推定クリック率よりも実際のCPCが低いとき
  • キーワードの検索意図と広告文の内容が合致していないとき

広告文をキーワードの検索意図とマッチさせつつ、ユーザーの興味を引く文章に仕上げれば広告がクリックされやすくなり、ランディングページを訪問するユーザーも増えます
ランディングページへの訪問者数が増えればCVを獲得する数も増えやすくなるため、CVRも大きく改善されることが見込まれます

【合わせて読みたい】
Google広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・分析まで徹底解説
Yahoo!広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・分析まで徹底解説

【改善策③】ターゲットを絞り込む

CVにつながりやすいターゲットの属性や条件が明らかな場合、ターゲット設定の条件をより詳細に深く絞り込めば、効率よくCVを獲得することが可能です。
なぜなら、CVに至りやすいターゲットだけをピンポイントで狙えるからです。

Google広告では広告の出稿エリアや出稿する時間帯などを細かく設定できます。

たとえば、自社が店舗型のビジネスを運営している場合、自店舗の周辺エリアを指定して広告を配信できます。
また一週間のうち、毎週金曜日のCVRが高いなら、金曜日に使う広告予算を大幅に増額して配信範囲やキーワードを強化するといった運用も有効です。

このように、配信のターゲティングを最適化すればCVにつながりやすいユーザーに効率よく広告を届けられるので、CVRを高めることにもつなげられます。

【改善策④】広告クリエイティブとLPの訴求に一貫性を持たせる

CVRの改善には、広告文とランディングページの訴求内容の一致度が重要になります。
広告文とランディングページの訴求内容が違っていれば、ユーザーは「話が違う」と感じ、すぐに離脱してしまいます。

ランディングページを訪問したユーザーの離脱率が高いときは、広告クリエイティブとランディングページの訴求内容にズレがないかを確認しましょう。

広告のクリック率に問題があるなら広告クリエイティブを調整し、ランディングページの離脱率に問題があるならランディングページの訴求内容を調整してください。

【改善策⑤】LPO(LP最適化)を行う

CVRが下がる原因のひとつにランディングページの品質の悪さがあります。
狙うキーワードの選定や広告文の訴求とランディングページの内容に相違がないのに離脱率が高いときは、ランディングページの最適化(LPO)を行うのがおすすめです。

LPOの例を挙げると以下のとおりです。

  • 長さの違うランディングページを2つ用意してテストし、ユーザーの反応が良かったパターンを採用する
  • ファーストビューのデザインやコンテンツを改善する
  • ページ全体のコンテンツを再配置する
  • CTA(行動喚起ボタン)の内容、配置を改善する
  • チャットボットフォーム(チャット形式で自動的に会話するシステム)を設置する

ランディングページの改善は、現状の課題を把握して原因を特定し、改善に関する仮説を立ててから施策を考えることが重要になります。

 

【合わせて読みたい】
【Google広告】ランディングページ(LP)のA/Bテスト実施ガイド

【改善策⑥】EFO(エントリーフォーム最適化)を行う

何らかの原因でエントリーフォームの離脱率が高い場合、いくらキーワードや広告文、ランディングページを最適化してもCVRは上がりません

エントリーフォームは、ユーザーが商品の購入申し込みをしたり、資料請求・問い合わせなどを行ったりするときに利用されるものです。
ここで離脱されるとCVを獲得できずCVRも改善されないので、可能な限り最適化を行うことが重要になります。

EFOを行うときは、ユーザーが使っているデバイスと同じものを使い、同じ流れでフォームを使用して使いにくい部分や不満などを特定・改善するのがおすすめです。

EFO施策の例は以下のとおりです。

  • EFOツールで各設問の離脱率を測定し、離脱率の高い設問を修正・削除する
  • フォームの入力項目を必要最低限のものだけにする
  • 郵便番号から住所を自動入力できる機能を追加する
  • ランディングページのCTA文言とフォームのページタイトルを一致させる
  • Amazon Payやチャットボットなどを導入して利便性を上げる

EFOでは、ユーザーにストレスを与えず、自社に必要な情報を確実に取得できるように調整しましょう。

CVR(コンバージョン率)の平均値は?業界別の調査データと具体的な改善策を紹介

CPCが上昇している場合

CPCが低下している場合の改善策は以下のとおりです。

  • 【改善策①】配信キーワードの拡張
  • 【改善策②】除外キーワードを追加する
  • 【改善策③】品質スコアを上げる
  • 【改善策④】入札戦略を見直す
  • 【改善策⑤】キーワードの入札単価を下げる
  • 【改善策⑥】広告表示オプションの設定を増やす

【改善策①】配信キーワードの拡張

配信キーワードの拡張やバリエーションを増やす方法は2つあります。

ひとつは、ロングテールキーワードを活用する方法です。
ロングテールキーワードには以下の特徴があります。

  • 3つ以上の語句で構成される
  • 競合の数も検索ボリュームも少なめ
  • 構成する語句数の多さから検索意図を予想しやすい
  • 検索するユーザーの購買意欲が高い

活用するメリットとして、入札コストが抑えられるのでCPCを抑える効果も期待できることが挙げられます。
また、購買意欲の高いユーザーに効率よくアプローチできるので、CVRが向上しやすいのもメリットです。

ただ、アプローチできるユーザーの母数が少ないというデメリットもあります。

ロングテールキーワードは、検索ボリュームと推定平均CPCを特定したキーワードをキーワードプランナーで調べることで見つけられます。

二つめはマッチタイプの調整です。
キーワードのマッチタイプには「インテントマッチ」「フレーズ一致」「完全一致」の3つがあります。
この3つの中では、インテントマッチがもっともキーワードの拡張性が高く競合も少ないのでおすすめです。

CPCが低いキーワードも探しやすいので、まずはCV獲得につながりやすいキーワードで試してみましょう。

ただ、使い過ぎると自社の商品にニーズを感じないユーザーにまで広告を届けてしまうので注意してください。

インテントマッチが使えない場合は、フレーズ一致を利用するのがおすすめです。
【合わせて読みたい】
インテントマッチ(旧:部分一致)とは|フレーズ一致・完全一致との違いも解説

【改善策②】除外キーワードを追加する

Google広告の検索レポートは、広告を表示させた検索語句のリストの他、広告費を浪費しているキーワードも確認できます。
広告の無駄打ちの原因になっているキーワードを除外キーワードに登録すれば、CPCの高騰を抑えることが可能です。

【改善策③】品質スコアを上げる

品質スコアは、広告の掲載順位を決める広告ランクの構成要素のひとつです。
そのため、品質スコアが高くなれば広告の掲載順位が上がってクリックされやすくなるので、CPCを低く抑えることにつながります

逆に品質スコアが低いと広告ランクも低くなり、掲載順位も低くなるので、CPCを高くしないと順位は上がりません

品質スコアは1~10で評価され、「広告とランディングページの関連性」と「広告のクリック率」、「ランディングページの利便性」の3つの要素で決まります。

【改善策④】入札戦略を見直す

入札戦略を見直す場合、4つのパターンがあります。

  • 「コンバージョン数最大化」の場合
  • 「目標コンバージョン単価制」の場合
  • 「クリック数最大化」の場合
  • 「拡張クリック単価(eCPC)」の場合
「コンバージョン数最大化」の場合

入札戦略が 「コンバージョン数の最大化」の場合、tCPA(目標コンバージョン単価)を適切に設定することでCPCを抑えられる可能性が高くなります

具体的には、「自社が今、許容できるCPAの数値」や「過去に成果が出たCPAの数値」を参考に設定します。

コンバージョンデータの不足が原因でCPCが上昇している場合は、「ユーザーがエントリーフォームに移動する」などの指標をマイクロコンバージョン(※2)に設定するのがおすすめです。

※2「マイクロコンバージョン」
”ゴールとなるコンバージョンの手前に設置するコンバージョンポイント。ECサイトで商品の購入が最終コンバージョンの場合、在庫の問い合わせや予約などのアクションがマイクロコンバージョンになる”

これらの施策で効果がない場合は、暫定的に入札戦略を「クリック数の最大化」に変更することも検討しましょう。

「目標コンバージョン単価制」の場合

入札戦略が「目標コンバージョン単価制」のケースでは、「CPCが高い広告グループ」や「CV獲得がむずかしい広告グループ」のtCPA(目標コンバージョン単価)を下げるのがおすすめです。
これにより、全体のCPCを抑える効果が期待できます。

ただ、tCPAを下げ過ぎると広告の表示回数も大幅に減ってしまうので注意してください。
tCPAの数値と広告の表示回数のバランスをうまく保ちながら、キーワードの追加・インテントマッチの設定などを活用しましょう。

「クリック数最大化」の場合

入札戦略が「クリック数の最大化」の場合、上限クリック単価を適正に調整できればCPCの上昇を抑制できます

また、ターゲティングごとの入札比率を調整することも有効です。
具体的には、CPCが高いターゲットの入札比率を下げつつ、CPCが低いターゲットの入札比率を上げます

「拡張クリック単価(eCPC)」の場合

「拡張クリック単価(eCPC)」は、キーワードごとに入札価格を設定できるので、入札価格が高過ぎるキーワードの価格を下げるとCPCも下げることが可能です。

また「クリック数の最大化」と同様、各ターゲットの入札比率をコントロールできます。
そのため、CPCが高いターゲットの入札比率を下げ、CPCが低いターゲットの入札比率を上げるのもおすすめです。

【改善策⑤】キーワードの入札単価を下げる

入札単価を下げてCPCの上昇を抑える場合、高確率で掲載順位が下がります
しかし、入札単価を下げ過ぎなければCPCの上昇を抑えつつ、ほど良い順位で広告を表示できます

CPCの上昇が問題になっている状況で有効な改善策が見つからない場合は、あえて広告の上位掲載にこだわることをやめるのも理にかなった考えです。

広告費とのバランスを取りつつ、適切な掲載順位を狙うことで、CPCの上昇を抑えつつCVRを下げ過ぎない広告運用が可能になります。

【改善策⑥】広告表示オプションの設定を増やす

広告表示オプションの種類を増やせば自社広告が占める面積を広げられるため、ユーザーにより多くの情報を提供できます。
訴求力の高い情報を数多く伝えればクリック率の向上が期待でき、品質スコアの向上も期待できるため、CPCの上昇を抑えられます。

リスティング広告を出稿するときなどは、できる限りオプションを設定するのがおすすめです。
ただ、過度にオプションを増やすとCPAやCVRが悪化する可能性があるので、バランスをうまく保つようにしましょう。

【合わせて読みたい】
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「必ずCPAが改善される施策はない」のでPDCAを回そう

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広告運用では市場の状況やトレンド、ユーザーニーズなどが常に変化しているため、そのときどきにマッチした最適な施策を考えて実行することが大切です。

たとえば、CVRを上昇させてCPAを上げるためにLPOを実施したとします。
同時期に競合が大々的なキャンペーンを開催すると、自社のランディングページを訪れるはずだったユーザーの多くが競合に流れる可能性が高くなります。

そうなれば、せっかく行ったLPOも思うような効果を発揮できないでしょう。

広告運用での数値の改善は、悪化する原因の特定や効果の分析、改善策の検討などを状況に合わせて柔軟に行うことが重要です。
そして「改善につながる可能性が高く、すぐにでも取り掛かれる施策」を運用状況に合わせて実践していくのがおすすめです。

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この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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