コラム

Google広告のカスタマーマッチとは?仕組みや注意点を解説

コラム:2023年12月14日

I カスタマーマッチ

Google広告の管理画面で顧客のデータとGoogleのデータを利用してリストを作る機能がカスタマーマッチです。
カスタマーマッチで作ったリストを活用すれば、ねらいたいターゲットに向けて効率よく広告を届けられます。

本記事では、広告配信のターゲティング精度向上に役立つカスタマーマッチについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

カスタマーマッチとは

先述のとおり、カスタマーマッチは広告配信で使うリストを用意する機能です。
Google広告の管理画面で利用したい顧客データをアップロードし、Googleのデータとマッチングさせてリストを作ります。

カスタマーマッチで作成したリスト(以下「顧客リスト」という)は、下記の配信面(※1)で利用可能です。

※1「広告の配信面」
”広告が配信される枠のこと。配信面によって広告の見え方が異なります。”

  • Google検索広告
  • Googleショッピング広告
  • Gmail広告
  • YouTube広告
  • ディスプレイ広告

 

広告配信で顧客リストを使うとターゲティングの精度が高まるため、広告運用における成果も出やすくなります。
広告出稿の目的に応じて臨機応変に5つの配信面を使い分けられるため、広告運用にかかるコストも抑えられるでしょう。

 

カスタマーマッチの仕組み

 

広告運用で顧客リストを使うと、以下のような配信が可能です。

  • 既存顧客や顧客リストのユーザーに似た属性のユーザーに配信
  • 既存顧客だけを外し、顧客リストのユーザーとそれに似た属性のユーザーに配信

カスタマーマッチで使用する顧客データには、主に下記のようなものがあります。

  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 氏名
  • 居住国

顧客リストを使って配信した広告は、ユーザーがGoogleブラウザを使ってキーワード検索やYouTubeの閲覧をする時に表示されます。

 

カスタマーマッチの活用の仕方

それぞれの配信面における顧客リストの使い方を紹介します。

  • Google検索広告
  • Googleショッピング広告
  • Gmail広告
  • YouTube広告
  • ディスプレイ広告

1つずつ解説します。

 

Google検索広告

Google検索広告では、顧客リストのユーザーが検索しそうなキーワードに対して、入札に参加するタイミングや入札に必要になる単価の価格調整等を行えます。

具体例を挙げると以下のとおりです。

  • 潜在顧客が検索しそうなキーワードに資料請求や商品・サービスの無料お試しを訴求する広告を配信する
  • 既存顧客にはECサイトへの流入や商品のリピート購入を訴求する広告を配信する

 

Googleショッピング広告

Googleショッピング広告も、基本的に検索広告と同じことが出来ます。

具体的には、既存顧客が特定のキーワードを検索した時の入札の強化を行うことにより、下記のようなアクションが可能です。

  • より高額な商品を勧めるアップセル
  • 関連商品の購入を勧めるクロスセル

上記のアクションは既存顧客に対してのみ行い、潜在顧客や新規顧客には行いません。

 

Gmail広告

メールのように受信トレイに広告を届けられるのがGmail広告です。
金融系サービスや不動産を扱うサービスと相性がいいことで知られています。

Gmail広告では、顧客リストを使って以下のユーザーに広告を届けることが可能です。

  • 商品の購入・サービスを申し込んだ実績のあるユーザー
  • ホワイトペーパーをダウンロードしたり、ウェビナーに参加したりしたユーザー
  • 既存顧客に類似したユーザー

 

YouTube広告

YouTube広告では、顧客リストのユーザー、既存顧客とそれに類似するユーザーにTrueView広告(動画の前後や中盤に流れる広告)を配信出来ます。

動画の特長を活かして自社商品やサービスの強み、こだわり、ブランドの歴史等をテレビCMのように訴求することが可能です。

商品・サービス・ブランドの認知度拡大やコンバージョン促進の効果がねらえます。

 

デイスプレイ広告

ディスプレイ広告では、顧客リストを使って既存顧客にリピート購入やクロスセル・アップセルを促します

新商品をPRする広告を配信するのも有効でしょう。

潜在顧客に的を絞って広告を配信すれば、商品やサービス、自社ブランドの認知を拡大することも可能です。

 

カスタマーマッチの設定方法

カスタマーマッチの設定は下記の手順で行います。

  1. 配信計画の策定
  2. 顧客リストの作成
  3. 顧客リストのアップロード
  4. 顧客リストの適用

1つずつ解説します。

 

配信計画の策定

配信計画の策定では、以下の内容を把握しておくことが大切です。

  • 自社が所有している顧客データの種類
  • 所有している顧客データのボリューム

上記を把握したうえで、どのように活用していくのがもっとも効果的なのかを検討して広告の配信計画を立てます。

 

顧客リストの作成

前項で策定した配信計画に基づき、CSVファイルでGoogleにアップロードするための顧客データのリストを作成します。
Googleが用意しているテンプレートを利用すれば、スムーズに作成出来るでしょう。

CSVファイル作成テンプレート

顧客データのリストをアップロードする時は、ハッシュ化(データを不規則な文字列に変換する手法)を必ず行ってください。
顧客情報は顧客の大切な個人情報であるため、万一に備えるためです。

 

顧客リストのアップロード

顧客データのリストのアップロード手順は以下のとおりです。

1.広告管理画面で「ツールと設定」を選び「オーディエンスマネージャー」をクリック

2.「顧客リスト」をクリック

3.「ファイルを手動でアップロードする」をクリック

4.「セグメント名」を入力→「アップロード

5.「保存

Google および Google ロゴは Google LLC の商標です。

 

顧客リストの適用

顧客データをアップロードして作成した顧客リストをキャンペーン(※2)に適用します。

※2「Google広告のキャンペーン」
”広告を管理する単位。入札単価や予算、ターゲット、配信期間等、広告運用に関わる方針を設定出来ます。”

手順は以下のとおりです。

  1. 顧客リストを適用したいキャンペーンを選ぶ
  2. オーディエンス」を選ぶ
  3. ターゲット設定」を選ぶ
  4. 適用したい「顧客リスト」を選ぶ
  5. 最後に保存

 

カスタマーマッチの注意点

カスタマーマッチを利用する時は、以下の3点に注意点する必要があります。

  • カスタマーマッチの利用条件
  • データの件数
  • 個人情報の取り扱い

1つずつ解説します。

 

カスタマーマッチの利用条件

カスタマーマッチを利用出来るGoogleアカウントの条件は以下のとおりです。

  • Googleのポリシーを遵守してきた実績がある
  • 支払いに関する遅延や問題が発生したことがない
  • Google広告を利用した期間が3ヶ月以上
  • Google広告を利用した期間の広告出稿金額が5万米ドル超(アメリカドル以外でアカウントを管理している場合の利用金額は、その通貨の月別平均換算率でアメリカドルに換算されて判断される)

上記の条件を満たした状態でGoogleのアカウント担当が決まれば、カスタマーマッチを利用出来ます。

参照:Customer Match policy

 

データの件数

カスタマーマッチを利用する時は、アップロードする顧客データのリストのボリュームも重要です。

顧客データのリストボリュームがあまりに少ないと、配信リストのボリュームも少なくなる可能性があるからです。
アップロードする顧客データリストの件数は、少なくとも1,000件以上確保するのが望ましいと考えられています。
くれぐれも、1,000件を下回らないように注意しましょう。

 

個人情報の取り扱い

先述のとおり、Googleにアップロードする顧客データは顧客の大事な個人情報なので 取り扱いには十分注意する必要があります。

顧客データをGoogleにアップロードする行為は「顧客データの第三者提供」に当たるので、データの取得には顧客からの同意が必須です。

顧客データを収集する際は、以下の内容をプライバシーポリシーのページに記載する必要があります。

  • Webサイトに登録する時に入力する氏名・メールアドレス・電話番号等の個人情報は第三者に提供される可能性があること
  • 提供先に関する情報
  • 外国にある第三者への提供(Google広告を提供するGoogle社は海外法人であるため)

 

参照:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」 に関するQ&A

顧客の同意がないデータの取得や利用は、個人情報保護法違反になる可能性が高いので注意してください。

Google広告の「カスタム オーディエンス」とは?仕組みや設定方法等を解説

まとめ

Google広告のカスタマーマッチは、自社の顧客データとGoogleのデータをマッチングさせたリストを使って広告を配信する機能です。
ターゲティングの精度を高める効果が期待出来るので、広告配信の精度も高まり、広告運用の費用対効果も高められます

認知度拡大やコンバージョンの促進等、それぞれの目的に応じた最適なユーザー層に対し、5つの配信面を使い分けて広告を配信出来ます。

利用上の注意点としては、アップロードする顧客データが1,000件以上必要なこと、個人情報の扱いに対する周知徹底や顧客データのハッシュ化等が必要になります。

機能のメリットと注意点をしっかり把握して、カスタマーマッチを活用しましょう。

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この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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