コラム

A/Bテストのメリット・デメリットは?効果的に実施するポイントを解説

コラム:2024年4月9日

ABテストメリット・デメリット

A/Bテストは、広告やランディングページ、自社のホームページなどのパフォーマンスを改善するために効果的な手法です。
テストで比較できるので、効率よく効果が出る施策や要素を判断できます。

本記事では、A/Bテストの概要やメリット・デメリット、実際にA/Bテストを実施するときの手順を紹介します。
また、実際の実施例や効果的なA/Bテストを行うポイントなども解説しますので、ぜひ参考にしてください。

A/Bテストとは

A/Bテストは、異なる2つのパターン(AとB)をテストして、どちらがより効果的かを測定する方法です
広告のテキスト、画像、デザインなどを一部変更したものを2つ以上用意して比較します。
結果を比較し、より高い成果を出したパターンを採用することで、広告やランディングページのパフォーマンスを向上させていきます。

テスト結果の検証・分析は、テストツールを使って行うのが一般的です。

A/Bテストの目的

A/Bテストは、広告などで使うテキストや画像、情報設計などの最適解を探す目的で行います

トレンドやユーザーの好みは常に変化するため、今、採用しているデザインや広告テキストがいつまで有効なのかわかりません。

新商品を販売するときのプロモーション施策や既存商品の売上を伸ばすための施策も、実際に試してみないとその効果はわかりません。

A/Bテストでは、これらの施策を実際の広告運用やランディングページ運用で実験し、有効な施策と有効でない施策を判断できます。

企業はA/Bテストにより、新しいマーケティング戦略を試し、最適な広告アプローチを特定することが可能です。

A/Bテストが実施される対象

ABテストの対象

この項目では、A/Bテストがよく実施される対象について紹介します。

  • リスティング広告
  • バナー広告
  • ランディングページ(LP)
  • ホームページ
  • メールマガジン

リスティング広告

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索したときに表示される広告です
ユーザーが検索するキーワードに連動しているため、検索連動型広告ともいわれます。

リスティング広告のA/Bテストでは、主に以下の要素がテスト対象になります。

  • 検索キーワード
  • 広告タイトル
  • 広告テキスト

バナー広告

バナー広告は画像や動画を用いた視覚的な広告で、ユーザーの注目を引き、商品やサービスの認知度を高めることを目的とします
ディスプレイ広告と呼ばれることも多いです。

バナー広告のA/Bテストでは、主に以下の要素がテスト対象になります。

  • ボタンの色や配置
  • 使用する文言やフォント
  • デザイン

ランディングページ(LP)

ランディングページとは、バナー広告やリスティング広告から遷移するリンク先として設定されるWebサイトです
広告を経由して訪問してくるユーザーに対し、商品やサービスを紹介して成約につなげて売上を作る重要なページです。

ランディングページのA/Bテストでは、主に以下の要素がテスト対象になります。

  • メインビジュアル
  • キャッチコピー
  • オファー
  • アクションを促すボタン
  • 購入・入力フォーム

ホームページ

ホームページとは、オウンドメディアや商品販売サイトなどのWebサイトのことです
自社の概要を伝えるコーポレートサイトもホームページの一種です。

ホームページのA/Bテストでは、主に以下の要素がテスト対象になります。

  • メインビジュアル
  • キャッチコピー
  • オファー
  • 問い合わせフォーム
  • アクションを促すボタン

メールマガジン

メールマガジンとは、メールを使って限定情報やお得情報をユーザーに届けるマーケティング手法です
メルマガとも呼ばれ、定期的に送付することでユーザーとのつながりを維持する効果も期待できます。

メールマガジンのA/Bテストでは、主に以下の要素がテスト対象になります。

  • メールの件名
  • 導入文
  • コンテンツの量や長さ
  • 送信日時
  • 差出人名

A/Bテストのメリット

この項目では、A/Bテストのメリットについて紹介します。

  • 【メリット①】コンバージョン率(CVR)の向上が期待できる
  • 【メリット②】手軽に実施できる
  • 【メリット③】リニューアルのリスクヘッジに繋がる

【メリット①】コンバージョン率(CVR)の向上が期待できる

A/Bテストは、低コストでコンバージョン率を向上させることが可能です
既存の広告やランディングページの一部を変更するだけで済むため、多額の改修費用が必要ないからです。

広告やWebページのデザインや文章を部分的に変更し、どのパターンがより効果的かを評価することで、大規模なサイトリニューアルにくらべて少ない投資で最適解を得られます。

コンバージョン率を向上させるには、やはりコンバージョンに一番近いCTA(※1)の要素から取り組むのがおすすめです。

※1「CTA」
”Call To Action(コール トゥ アクション)の略で、行動を喚起すること。 Webサイトへの訪問者に具体的な行動を促すこと”

【メリット②】手軽に実施できる

A/Bテストは、比較的気軽に実施できるのもメリットです
簡単な変更なら特別な技術も必要なく、プログラマーなどに依頼せずとも変更できるからです。

広告ならテキストやタイトルの差し替え、ランディングページならメインビジュアルやキャッチコピーの差し替えなどは比較的簡単に行えます。

1回で多くの要素をテストするとかえって混乱するため、変更する箇所が少ないのも実施のハードルを下げています。

【メリット③】リニューアルのリスクヘッジに繋がる

事前にA/Bテストを実施して最適解を知っておくことは、Webサイトのリニューアルのリスクヘッジに繋がります
Webサイトのリニューアルには多額の費用と時間が必要です。
A/Bテストを行って事前に最適解を知っておけば、費用や時間を無駄にするリスクを軽減できます。

テストによって方向性が間違っていないことを知っているので、自信をもって作業に取り組めます。

A/Bテストのデメリット

この項目では、A/Bテストのデメリットについて紹介します。

  • 【デメリット①】母数が少ないと正しい結果が取得できない
  • 【デメリット②】仮説によってサイトが誤方向導かれることがある
  • 【デメリット③】継続して実施する必要がある

【デメリット①】母数が少ないと正しい結果が取得できない

A/Bテストのデメリットは、効果的なデータを得るためには、ある程度の数値を確保する必要があることです
ユーザー数やページビュー数、クリック数などの数値を一定数以上確保しなければ、データの正確性を確保できません。

正確なデータを取得するためには、WebページのA/Bテストならユーザー数は100以上、ページビューなら2,000以上は確保したいところです。

【デメリット②】仮説によってサイトが誤方向に導かれることがある

立てた仮説が間違っていた場合、A/Bテストや改善作業の方向性も間違ってしまうリスクがあります
不適切な仮説に基づいたテストは、Webサイトを望ましくない方向に導く危険性があるので注意が必要です。

A/Bテストの仮説を立てるときは、熟考して行いましょう。

【デメリット③】継続して実施する必要がある

A/Bテストは1回実施して終わりではなく、継続して実施することが求められるのもデメリットでしょう

先述のとおり、トレンドやユーザーの好みは日々変化します。
この変化に対応するためには、定期的にA/Bテストを実施し、Webサイトや広告のパフォーマンスを高めるためにPDCAサイクルを回す必要があります。

継続したA/Bテストには予算と人的リソースも必要です。

A/Bテストは意味ない?よくある失敗パターンや実施する際のポイントを解説

A/Bテストを実施する手順

ABテスト実施手順

この項目では、A/Bテストの手順について紹介します。

  • 【手順①】目的を明確にして仮説を立てる
  • 【手順②】テストを実施する
  • 【手順③】仮説検証を行う
  • 【手順④】結果をもとに改善を行う

【手順①】目的を明確にして仮説を立てる

A/Bテストでは、まず目的の明確化と仮説の立案を行います
たとえばリスティング広告ならクリック率の向上、ランディングページなら購入ページへの誘導率の向上といった具体的なゴールを設定します。

目的を明確にすることで、改善の方向性も明確にすることが可能です。

テストしたいページが複数ある場合は、コンバージョンとの距離や離脱率が特に高いページなどを優先するといいでしょう。
仮説の立案では、CTAボタンのテキストや配置、ファーストビューの画像やキャッチコピーを変更したパターンを複数作成してそれぞれユーザーの動きなどを予想します。

メールマガジンのように配信時間や配信日時が重要な施策の場合は、さまざまな曜日や時間帯を試してみましょう。

【手順②】テストを実施する

A/Bテストを実施するときは、最低でも1週間以上のテスト期間を設けましょう
平日・週末のデータをそれぞれ取得するためです。
施策や要素変更の効果を正確に把握するためには、この両方のデータを比較することは必須です。

場合によっては1週間でも短い可能性があるので、できれば2週間~4週間、テスト期間を確保したいところです。

【手順③】仮説検証を行う

A/Bテストの実施後は、結果と仮説の妥当性を検証します

テストの結果が期待通りにならなかった場合、「仮説に誤りがあったのか?」や「変更内容や施策がユーザーに受け入れられなかったのか?」などを検証します。
この2つの観点から分析し、成功しなかった原因を明らかにして次のA/Bテストに活かすことが大切です。

【手順④】結果をもとに改善を行う

A/Bテストでは、テストの結果を踏まえた改善を継続することが大切です
ユーザーの好みや行動の傾向、世間や市場のトレンドは常に変わり続けるので、現在は効果的な施策でも、時間の経過とともにその効果を失う可能性があるからです。

このような状況に対応するためには、一度きりではなく定期的にA/Bテストを実施し、継続的に小さな改善を積み重ねていく必要があります。

A/Bテストの実施例

この項目では、A/Bテストの具体的な実施例について紹介します。

  • 広告を配信するキーワードを変える
  • バナー広告を変える

広告を配信するキーワードを変える

キーワード精査
ひとつ目の実施例は、広告を配信するキーワードを複数個試すケースです。

ランディングページの訴求やデザインに自信があるものの、どのようなキーワードで広告を出稿すれば購入意欲の高いユーザーを集客できるかわからないときなどに実施します

広告のクリエイティブがまったく同じものを複数用意し、出稿するキーワードだけを変えてGoogleやYahoo!などのプラットフォームに出稿してその効果を比較します。
両プラットフォームでユーザー条件を同じに設定しておけば、ほぼ同じ環境下でどのキーワードが最良かを確認することが可能です。

バナー広告を変える

バナー広告 ABテスト
二つ目の実施例は、ディスプレイ広告やランディングページ、コーポレートサイトなどの画像を変更してA/Bテストを行うケースです。

広告でもWebサイトでも、画像は非常に重要な要素です。
画像の内容やクオリティ次第でユーザーの反応は大きく変わります

ただ実際、上記の画像のように「使用感が伝わるモデルと化粧品の画像」と「化粧品だけを訴求している画像」のどちらがユーザーに刺さるのかは、テストしてみないとわかりません。

広告であれば配信先のユーザー条件を同じに設定できるので、同じ環境下で「自社のターゲットはどちらの画像を好むか」を比較できます。

A/Bテストの実施方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでご一読ください。

・Google広告「Google広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・分析まで徹底解説

・Google広告ランディングページ「【Google広告】ランディングページ(LP)のA/Bテスト実施ガイド

・Yahoo!広告「Yahoo!広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・分析まで徹底解説

効果的なA/Bテストを実施するためのポイント

この項目では、効果的にA/Bテストを行うためのポイントを紹介します。

  • 【ポイント①】母数が大きいサイトから実施する
  • 【ポイント②】同程度のアクセス数が見込める時期に実施する
  • 【ポイント③】条件は途中で変更しない

【ポイント①】母数が大きいサイトから実施する

効果的なA/Bテストには、テスト結果が偶然ではないといえるだけの差である「有意差」が必要です
統計学では、標本誤差(※2)が5%以下ならそのデータは偶然ではないといえます。

※2「標本誤差」
”母集団の一部を無作為に抽出して調査した結果にともなう誤差のこと”

標本誤差が5%以下のデータを取得するためには、400程度の母数が必要です。

サイトの母数は多ければ多いほどデータの正確性が増すので、A/Bテストを行うときは母数の大きいサイトから優先的に実施しましょう。

【ポイント②】同程度のアクセス数が見込める時期に実施する

A/Bテストを効果的に行うためには、同程度のアクセスが見込める時期を選ぶのも重要です
同程度のアクセス数を確保できなければ、A/Bテストの正確性が低くなるからです。

たとえば、季節のイベントがたまたまA/Bテストの実施時期と重なってしまい、サイトのアクセス数が想定よりも増えてしまうと通常通りの比較が難しくなります。

外部的要因によってアクセス数が大きく変動するような時期のテストは、避けるのが無難です。

【ポイント③】条件は途中で変更しない

A/Bテストを効果的に行うためには、テスト内容を途中で変更しないことも重要です
テスト中に内容を変更してしまうと、データ取得後の分析や検証が困難になるからです。

ただ、上司からの指示などで「今すぐ別の施策や要素の変更を試さなければならない」というケースもあるでしょう。
このようなときは、無理をして現行のテスト内容を変更せず、新しくA/Bテストの環境を用意することをおすすめします。

PDCAサイクルを回そう!

PDCAサイクル
A/Bテストを効果的に行うには、クオリティの高いPDCAサイクルを回す必要があります
前回のテスト結果をしっかり分析・検証し、その結果を次のテストに活かせばテストの精度を高めていくことが可能です。

逆に、これまでのテスト結果で得た教訓や学びを、次に活かせなければ成功率も上がっていきません。

クオリティの高いPDCAサイクルを回すためには、最初の準備が重要です。
前回の反省点を活かし、慎重に目的や仮説、テスト計画を立てていきましょう。

広告のA/Bテストはインハウスでは難しい!

一般的に、A/Bテストをインハウスで行うのは難しいといえます
A/Bテストの成功率は、一般的に3割程度といわれているからです。
テストの実施自体は難しくないですが、成果に繋がるテストを行うには一定の知識や経験が必要です。

特にA/Bテスト初心者の担当者様や企業様の場合、思うような成果を出せるようになるまで繰り返しの試行錯誤が求められます。
ただ、マーケティングリソースが充実している状況ならいざ知らず、本業と兼務でテストを行う環境では、A/Bテストの継続的な実施は重い負担になるでしょう。

おすすめの広告代理店

A/Bテストに関する知識や経験もマーケティングリソースも不足している企業様は「自社でA/Bテストを実施しても成果を出せる気がしない…」と諦めるケースも多いです

このような状況なら、広告代理店を活用するのがおすすめです。
広告代理店であれば、A/Bテスト実施の代行から運用のアドバイスまで幅広く対応してくれます。
専門家なので知識や経験、実績も豊富で、どのような業界・業種でも対応可能です。

弊社、株式会社ヒューワンズウェイ(Hew One’s Way)も、そういった広告代理店のひとつです。
弊社はWebメディア・Web関連事業を手掛けるほか、Webでの集客も得意としております。
当然、A/Bテストの設計から実施、分析、検証のノウハウも豊富です。
ご要望に応じて、A/Bテストの実施代行からアドバイスまで幅広くお手伝いいたします。

「A/Bテストをプロにまかせてリソースを本業に集中させたい」
「A/Bテストの具体的なやり方のアドバイスが欲しい」

上記のようなニーズをお持ちの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
弊社が、御社の理想とする結果が出るようサポートいたします。

顧客と伴走し、集客にコミットする

この記事を監修した人

株式会社Hew One’s Way(ヒューワンズウェイ)のマーケティング部

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