コンテンツマーケティングとは?メリットや種類等を簡単に解説
「コンテンツマーケティングという言葉は聞いたことあるけど、何をすればいいのか分からない」
マーケティングに関わっている方なら一度はこのような悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。
そこで今回はコンテンツマーケティングに関する基礎知識とメリットや種類について解説させていただきます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに価値のあるコンテンツを提供して、見込みユーザーのニーズを喚起し、コンバージョンにつなげるマーケティング手法です。価値のあるコンテンツを提供し続けることで、短期的ではなく長期的なリピーターを獲得することができます。
コンテンツマーケティングでは、顕在層ではなく潜在層に対して価値のあるコンテンツを提供することで自社を認知してもらい、そこから段階的にリピーターの獲得へとつなげていきます。コンテンツ=Webサイトと思われがちですが、SNSやカタログの郵送などもコンテンツに該当します。
コンテンツマーケティングの流れは以下のとおりです。
- サイトへの流入(認知)
- 価値のあるコンテンツを提供(潜在層の獲得)
- その後もコンテンツの提供を続ける(潜在層の育成)
- SNSやカタログなどさまざまなコンテンツを使い、購買意欲を促進させる(成約)
- リピーターの獲得
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングでは、ユーザーに価値のあるコンテンツを提供することが大前提となりますが、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?
【メリット①】はじめやすい
コンテンツマーケティングは、インターネット広告と比較すると、導入・運用コストが低くはじめやすいという点がメリットとして挙げられます。
インターネット広告の場合は、各媒体に支払わなければいけない広告費用が発生してしまいます。単価自体はそこまで高額ではありませんが、競争が激しい分野の場合は入札単価が高くなり、月額数十万~かかることも珍しくありません。
しかし、コンテンツマーケティングでは、SNS・メルマガ・ブログなどのオウンドメディア構築からはじめられるため、それに掛かるコストはサーバーやドメイン費用、記事作成を外注化するのであればライターの人件費だけで済みます。
また、コンテンツマーケティングではリピーターの獲得を目的としているため、時間が経つにつれて掛かるコストが減少していく傾向にあります。一方インターネット広告ではどれだけユーザーを獲得してもコストが減少することはありません。
【メリット②】資産が増える
コンテンツマーケティングにおいて、ブログやSNSなどのオウンドメディアで配信したコンテンツはインターネット上に資産として蓄積されます。このように資産を蓄積できるコンテンツのことをストック型コンテンツとよびます。また、ユーザーにとって価値のあるコンテンツは、作成を中断しても検索エンジンに評価され続けるため、自動的に集客を行うことができます。
一方、インターネット広告の場合は配信をやめた時点でコンテンツがインターネット上から消えるため、配信をやめた途端にオウンドメディアへの流入が減少してしまいます。インターネット広告は短期的な効果は望めますが、中長期的な効果は期待できません。
【メリット③】顧客ロイヤリティが高くなる
顧客ロイヤリティとは、ユーザーがあるブランドや商品に対して感じる信頼や愛着のことです。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーに対して継続的に価値のあるコンテンツを提供することで顧客ロイヤリティが高まる可能性があります。顧客ロイヤリティが高まれば、自社の商品やサービスを継続的に利用してくれるリピーターを獲得できるだけではなく、ユーザー個人のメディアを通して拡散してもらえる可能性が高まります。そうすれば広告費用を掛けずに、自社の商品やサービスへと集客することができるのです。
【メリット④】クラウドソーシングで外注できる
コストが低く始めやすいと言われているコンテンツマーケティングですが、オウンドメディアの構築には時間と労力がかかってしまいます。そのため数年前までは小規模の企業や個人では参入することが難しい状況でした。
しかし、近年では個人同士をマッチングさせるクラウドソーシングが普及したことにより、コンテンツの作成を外注できるようになりました。そのおかげで、構築にかかる時間や労力を削減することができるようになりました。それにより中小企業はもちろん個人でもコンテンツマーケティングを行うことが可能になったのです。
【メリット⑤】ソーシャルメディアとの連携で拡散できる
コンテンツマーケティングでは、コンテンツをソーシャルメディアで拡散できるメリットがあります。
ソーシャルメディアは、検索エンジンには無い「拡散されやすい」「ユーザーとのコミュニケーションをとりやすい」「UGCが発生しやすい」などの特徴を持っており、コンテンツマーケティングとの相性が抜群です。コンテンツをソーシャルメディアと連携させることにより、ユーザーとの接点が増えます。またユーザー自身が作り出すコンテンツ(UGC)は、企業にとって新しいマーケティング手段といえるでしょう。
ソーシャルメディアを活用することにより、コンテンツマーケティングを加速させることができるのです。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングでは、顧客に興味をもってもらうために魅力的なコンテンツを発信することが重要です。さらに、ターゲット層に合ったコンテンツを用意することで商品・サービスの購入にあたるコンバージョンに至る可能性が高くなります。
ここではコンテンツマーケティングの種類について解説させていただきます。
【種類①】オウンドメディアマーケティング
オウンドメディアとは自社発行のパンフレット・カタログ・Webサイト・ブログなど、企業や個人自らが所有しており、顧客に向けて発信する媒体を意味する言葉です。
デジタルのオウンドメディアでは、ブログやWebサイトの記事を作成する際にコストが掛からない点や文字数やページ数に制約がないというメリットがあります。
その反面デメリットとして、自社サイトへユーザーを呼び込むためにはさまざまな施策が必要となり、具体的な施策として、インターネット広告やコンテンツを上位表示させるためのSEO対策があります。コンテンツの出稿自体にはコストが掛かりませんが、作成時の施策に膨大なコストが掛かる可能性があります。
【関連記事】オウンドメディアとは?種類やメリット等をわかりやすく解説
【種類②】ブログマーケティング
ブログマーケティングとは、自社サイト内でブログを運営し、そこに顧客を呼び込むマーケティング手法です。
ブログは個人だけでなく、クラウドソーシングを利用して外注することができるので、コストだけ支払えばコンテンツを量産することができます。コンテンツを量産することでインターネットの情報を探している潜在層の検索結果に表示され、興味を育てることが可能です。
ブログマーケティングのメリットとして、ブログ記事に日時を表示することで、コンテンツが新しい情報であることを訴求することができるという点が挙げられます。また、公式ホームページよりも親近感の湧く表現を使いやすいため、ユーザーがサイトから離脱してしまう可能性が低くなります。
【種類③】ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアとは、Twitter・Instagram・Facebookなどのソーシャルネットワークを使用したものです。簡単に言うとSNSを利用したマーケティング手法になります。
ソーシャルメディアを利用することで、写真や動画によるイメージ付けや自社サイトへの誘導が可能となります。また、各SNSを利用している年齢層は異なるので、SNSごとにコンテンツ内容を変えることで、自社サイトへの流入を増やすことが可能です。
投稿の際にコストが掛からないうえに拡散力に長けていますが、文字数などに制限があるため、短い文章のなかでユーザーの興味を引くコンテンツを作成する必要があります。
【種類④】他社サイトへの出稿
他社サイトへの出稿は有料のため、ペイドメディアに分類されます。
他社サイトへの出稿は、他社サイトの力を利用して自社サイトへ誘導できる点や先方が記事を作成してくれるため、労力がかからない点がメリットとして挙げらるでしょう。
しかし、高額な費用が必要になるため自社の予算とは合わない可能性があります。
【種類⑤】印刷物のマーケティング
コンテンツマーケティングといえばWebサイト・ブログ・メルマガなどデジタルを想像する方が多いと思いますが、自社で発行したパンフレットやカタログもコンテンツマーケティングといえます。
印刷物のメリットとしては、ユーザーが驚くような写真を掲載すればインパクトが残り、一定期間たった後もユーザーの記憶に自社のイメージを残すことができます。また、雑誌への掲載の場合、各雑誌の読者層を想定しやすいため、ターゲットを絞ったうえでコンテンツを作成することが可能です。
デメリットとしては、掲載できるスペースに制約があることやコストがかかる点が挙げられます。
【種類⑥】ビデオマーケティング
以前はユーザーに認知してもらうための広告用だけでしたが、今では企業がリピーター確保のために、ユーザーの印象に残るビデオの作成にコストを費やしている企業も珍しくはありません。
ビデオマーケティングではユーザーにインパクトを残せますが、制作に労力がかかる点やユーザーのインターネット環境によっては閲覧できないというデメリットがあります。
コンテンツマーケティングの成功事例
コンテンツマーケティングを利用した成功事例を紹介します。
【成功事例①】北欧暮らしの道具店
北欧暮らしの道具店は、「自分を理解してくれて大事にされている」感覚のサービスを提供できることを目的としていました。そこでコンテンツもそれと同じだと考え、「新しいことを教えてくれる」コンテンツよりも「自分のための」コンテンツを発信し続けることで、ユーザーが欲しいものが見つかったときに「あのサイトで購入しよう」と思い出してもらえる存在になったのです。
北欧暮らしの道具店がコンテンツで重視していることは、読了率と独自の業績評価指標(KPI)です。この2つの指標が北欧暮らしの道具店のコンテンツマーケティングの柱となっています。
【成功事例②】経営ハッカー
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