【実例付き】パンくずリストにSEO効果はどのくらいある?
「うちのサイトも、パンくずリストを設置しようかな?」
とお悩みの方、多いのではないでしょうか。
しかし、
「本当にパンくずリストって効果あるの?」
「どうせ、そんなに効果はないんじゃないの?」
という疑問をお持ちの方も、いらっしゃることでしょう。
そこで今回は「パンくずリストにはどのくらいのSEO効果があるのか」について、3つの実例を基に解説します。
最後まで読んでいただければ幸いです。
パンくずリストとは
パンくずリストとは、現在閲覧しているページの位置を示すリストのことをいいます。
例えば、当サイトでは下記のようなパンくずリストを設置しています。
上記のパンくずリストを見ると、閲覧しているページは『SEOにグッと効く「共起語」とは?無料ツ…』です。
そのページは「SEO」というカテゴリーに入っています。
そして「SEO」カテゴリーは「TOP」に入っていることが分かります。
このようにパンくずリストは、「現在開いているページが、サイトのどこに位置するか」を教えてくれる道標なのです。
パンくずリストのSEO効果
パンくずリストをWebサイトに配置することで、SEO効果が生まれると言われています。
この章ではパンくずリストの設置によって見込まれる、4つのSEO効果について解説します。
効果1 クローラビリティの向上
1つ目のパンくずリストによるSEO効果は、クローラビリティの向上です。クローラビリティとは、「クローラー(情報を取得するためにページを巡回するAI)が、どれだけページを回遊しやすいか」を指しています。
パンくずリストを設置すると内部リンク(自サイトに向けられたリンク)が増え、クローラーがページ内を回遊する機会が増えます。
検索エンジンのクローラーがサイト内を回遊しやすくなると、以下のようなメリットがあります。
- インデックス(クローラーによるページの登録)が早くなる
- インデックスされないケースが少なくなる
インデックスされないページは検索結果に表示されません。パンくずリストによってクローラビリティが上がると、サイトが運用しやすくなります。
効果2 ユーザビリティの向上
2つ目のパンくずリストによるSEO効果は、ユーザビリティの向上です。
ユーザビリティは、「ユーザーにとっての使いやすさ」を意味する言葉です。適切に配置されたパンくずリストがあると、ユーザーは現在のページの位置を把握しやすくなります。さらに、パンくずリストによって現在開いているページのカテゴリーが分かれば、ユーザーがコンテンツの内容をざっくりと理解しやすくなるでしょう。
ユーザビリティの高いパンくずリストが配置されている場合、検索順位の向上に繋がると考えられています。
効果3 クリック率の向上
パンくずリストによる3つ目のSEO効果は、検索結果からのクリック率が上がることです。
構造化データマークアップという方法を用いてパンくずリストを設置している場合、下の画像のようにパンくずリストが検索結果に表示されます。
画像引用元:パンくずリスト Google – Google 検索
記事内容のカテゴリーを検索結果に適切に表示できている場合、ユーザーが記事をクリックする前に内容をざっくりと把握できる可能性があります。
その理由から、パンくずリストの設置によって記事へのクリック率が向上することが予想されます。
効果4 検索順位が上がる可能性がある
パンくずリストによって前出の1~3の効果が表れると、検索順位が上がる可能性が考えられます。それは、記事を読むユーザーの満足度が高まるためです。
例えば、パンくずリストによりユーザーがサイト内を快適に移動しやすいなどが、ユーザーの満足度の向上に挙げられます。
パンくずリストの効果に関する事例
それでは、パンくずリストには実際にSEO効果があるのでしょうか?
この章では主に海外の事例から、パンくずリストの設置によって検索順位やアクセス数に良い影響が見られた事例を紹介します。
事例1 アクセス数・検索順位の大幅な改善
画像引用元:Moz – SEO Software for Smarter Marketing
1つ目は、アクセス数・検索順位を大幅に改善させたMoz株式会社です。Moz株式会社は北米の老舗SEO会社。Moz株式会社のクライアントの事例では、パンくずリストの設置を含めた様々な施策の結果、アクセス数の増加、検索順位の向上が確認されました。
下図はアクセス数の推移を示したグラフです。
画像引用元:Moz.inc『Case Study: One Site’s Recovery from an Ugly SEO Mess』
Moz株式会社は、2014年3月にクライアントのSEO改善の依頼を受け、パンくずリストの設置を含めた様々な施策を行いました。
上のグラフの通り、PC版のWebサイトアクセス数は、2014年1月の時点で2000-3000でした。
それが、2015年初頭には18000程にまで改善されたのです。
なんと、アクセス数が6~7倍増えていることが分かります。
また下図は、施策を打つ前と後を比較した検索順位の表の一部です。
画像引用元:Moz.inc『Case Study: One Site’s Recovery from an Ugly SEO Mess』
「Pre Audit Rank」には施策を打つ前の順位、「After Phase 1 Audit Work」では、施策後の順位が表示されています。
クライアント名や上位に上がったキーワードは伏せられていますが、具体的には、
- 2つのキーワードで15位から4位
- 3つのキーワードで6位から1位
などの目覚ましい効果を得られていることが分かります。
Moz株式会社は、パンくずリスト以外にも多くの施策を打っています。そのため必ずしもパンくずリストが効果を発揮しているとは言えません。
しかし、パンくずリストによって内部リンク(自サイトへのリンク)が増え、少なからずSEOに寄与していると言えるのではないでしょうか。
事例2 自然流入数が70%増、新規ユーザー数が62%増
2つ目の事例は自然流入数を70%、新規ユーザー数を62%増加させたKravitz(クラヴィッツ)株式会社です。Kravitz株式会社は、90年以上の歴史を持つイスラエルのオフィス機器メーカーです。Kravitz株式会社の事例では、パンくずリストの設置を含めた多くの施策を行った結果、下記のような効果が得られました。
(画像引用元:How Kravitz’s ECommerce Site Achieved 461% Organic Transaction Growth│Angora Media)
- オーガニックトランザクションが 461% 増加
- 自然流入数が 70% 増加
- 自然流入による新規ユーザー数が 62% 増加
上記のように、大幅な改善が確認されました。
また、下図はKravitz株式会社のECサイトに設置されているパンくずリストです。
画像引用元:Rio エルゴノミックチェア – Kravitz Israel Ltd
上の画像を見ると、ECサイトではパンくずリストによる影響が大きいと考えられます。その理由は、開いているページの商品が気に入らない場合、ユーザーは似た商品のページに移動する傾向にあるためです。
そのためパンくずリストがあると、ユーザビリティが高くなるのです。
この事例では、パンくずリスト以外にもキーワード調査や競合調査など様々な施策を打っています。そのため、得られた結果がパンくずリストによるものとは限りません。しかし、ECサイトでのパンくずリストは極めて有用であるため、少なからずSEO効果を発揮しているものであると考えられるでしょう。
事例3 パンくずリストの改善によって自然流入が8%増加
画像引用元:Semrush – Online Marketing Can Be Easy
事例の3つ目は、パンくずリストの改善によって自然流入数が8%増加したSemrush(セムラッシュ)社です。Semrush社は世界各地にオフィスを構えるWebマーケティング会社です。
Semrush社はアルコールの大手小売会社からのページ改善の依頼を受け、「商品名がパンくずリストに含まれている」というページの問題点を発見しました。商品名をパンくずリストに含めると冗長になりやすく、ユーザビリティを損ないかねません。そこでSemrush社は、「冗長なパンくずリストをシンプルにすることで、どの程度SEOに影響があるのか」を検証しました。詳しくは、下記の例をご覧ください。
【従来のパンくずリスト】
ブランド / お酒 / ウイスキー / バーボン / ブラントン シングルバレル バーボン
【改善されたパンくずリスト】
ブランド / お酒 / ウイスキー / バーボン /
パンくずリストの末尾に記載された商品名「ブラントン シングルバレル バーボン」を省き、冗長だったパンくずリストをよりシンプルにしました。
検証前の平均的なWebサイトの訪問者数は60〜100万人程度。検証は21日間にわたって行われました。
その結果、パンくずリストの改善によって自然流入数が 8.7% 増加しました。
加えてクリック率、インプレッション数、ページランクの上昇も確認されました。
画像引用元:SEO Split-Testing [Case Study] “Removing Breadcrumbs on Product Pages”
Semrush社の見解によると、この結果が得られた理由は3つです。
- 商品名をパンくずリストから省くことで、キーワードの繰り返しを避けることができ、Googleの考える「良い」ページとなった可能性があるため。
- 商品名は1行に収められるようになり、その読みやすさによってユーザビリティが向上した可能性があるため。
- パンくずリストの末尾に付けていた商品名は、もともと色やフォントの変更を施していた。そのため、Googleは商品名を重要なものだと勘違いし、カテゴリーの単語を重要度の低いものだと認識していた可能性がある。
Semrush社の事例では、パンくずリストが自然流入数やアクセス数、時にはページランクにまで影響を与える可能性があることがわかります。
パンくずリストの種類
パンくずリストには位置型、属性型、パス型の3種類が存在します。この章では、それぞれのパンくずリストの特徴を解説します。
位置型パンくずリスト
位置型パンくずリストは、現在閲覧しているページの階層構造を表示するパンくずリストです。
最も基本的なパンくずリストであり、多くのサイトで位置型パンくずリストが採用されています。以下の画像は、当サイトで表示されている位置型パンくずリストです。
上記の画像のように位置型パンくずリストは、開いているページのカテゴリーを示していることが多いです。また、ユーザーの流入経路による表示の変化がないため、サイト内のユーザーは現在地を把握しやすいというメリットがあります。
属性型パンくずリスト
属性型パンくずリストとは、ユーザーが入力・選択した情報が反映されるパンくずリストのことを指します。
以下の画像は、ZOZOTOWNで使用されている属性型パンくずリストです。
画像引用元:【セール】「Dog」に該当するLサイズのレディースファッション通販 – ZOZOTOWN
上記の画像のように属性型パンくずリストでは、ユーザーが入力・選択した「キーワード」「性別」「サイズ」などが反映されるのです。
このような特徴から属性型パンくずリストは「検索結果を表示したリストである」ともいえるでしょう。
属性型パンくずリストは、膨大な量のページから何かを検索するサイトに適しています。そのため、ECサイトなどに採用される傾向があります。
パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストとは、ユーザーが閲覧したページの履歴を表示するパンくずリストのことを指します。足跡のようなイメージです。
「ページのカテゴリが把握できない」「パンくずリストが際限なく長くなる」等の理由から、現在では滅多に採用されていません。
パンくずリスト設置時の注意点
パンくずリストの設置には、いくつかの注意点があります。
それぞれ確認していきましょう。
注意点1 階層は5つまでに抑える
パンくずリストを設置する際の1つ目の注意点は、階層数を抑えることです。具体的には、TOPページと現在ページを含めて5階層に抑えることをお勧めします。過度に長いパンくずリストは使い勝手が悪く、ページ全体のユーザビリティを落としかねません。
可能な限りシンプルなパンくずリストを目指しましょう。
注意点2 ページ上部に設置する
基本的にパンくずリストは、ページの上部に配置します。その理由は、ユーザーがざっくりと記事内容を把握できるためです。
「閲覧中の記事がどんなカテゴリーに含まれているのか」を、パンくずリストで確認することによって記事への理解度が深まります。
ユーザビリティの向上という観点から、パンくずリストはページ上部に設置することを推奨します。
注意点3 ファーストビューの中で目立たせない
多くの場合、パンくずリストはファーストビュー(ユーザーがWebサイトに訪れた時にスクロールせずに表示される部分)に含まれます。そのため、目立たせないことが重要です。
パンくずリストがファーストビューで悪目立ちしてしまうと、重要なタイトルやアイキャッチ画像が目に留まりにくくなります。そのため、離脱率が上がってしまうおそれがあります。
注意点4 パンくずリストにページタイトルを含めない
パンくずリストにページタイトルを含めると、パンくずリストが余計に長くなり、ユーザビリティの低下を招きます。もしページタイトルを含めたい場合、何か対策を施す必要があります。
当サイトではパンくずリストにページタイトルを含めています。しかし、表示文字数を制限して切り詰めることによって、パンくずリストが長くならないようにしています。
注意点5 PC・スマホでの見え方を確認する
パンくずリストの設置後、PCとスマホでの見え方を確認しましょう。
PCでは適切な見え方になっていても、スマホでは文字列が折り返して表示面積が広がってしまうおそれがあります。
スマホ版のページでもタイトルの非表示やテキストの切り詰めなどの施策を行い、パンくずリストを目立たせず綺麗に見せるようにしましょう。
パンくずリストの設置方法
それでは、パンくずリストはどのように設置するのがよいのでしょうか。
ここではパンくずリストの設置方法を簡単に解説します。
パンくずリストを作れるプラグインを使用する
WordPressを用いてサイト運営をしている場合、プラグインを用いてパンくずリストを作成することをお勧めします。
下記のURLは、「Breadcrumb NavXTプラグイン」という、パンくずリストを導入できるプラグインの解説記事です。
WordPressプラグイン _ Breadcrumb NavXTプラグインの使い方(パンくずリストの表示)
上記URLのページでは、下図のようなパンくずリストが比較的簡単に作れます。
画像引用元:WordPressプラグイン _ Breadcrumb NavXTプラグインの使い方(パンくずリストの表示)
もしWordPressをご使用でしたら、ぜひご一読ください。
専門的な業者に頼む
もし設置が面倒であれば、パンくずリストを設置してくれる業者に依頼しましょう。
既にサイトを運営している場合、全てのページに適切なパンくずリストを配置する作業には、多くの手間と知識が必要です。
また、スマホでサイトを閲覧する際のレスポンシブ対応にも気を配る必要があります。
もし、パンくずリストの設置について問題を抱えている場合、クラウドソーシングサービスなどで依頼するのも一手です。
まとめ
パンくずリストを設置すると、クローラビリティ、ユーザビリティ、クリック率の向上が期待でき、最終的には検索順位が上がる可能性があります。
特にECサイトの場合、パンくずリストはユーザーにとって極めて便利なものです。ぜひ、ページ内を不自由なく回遊できるパンくずリストを設置してください。
当サイトを運営する株式会社Hew One’s Wayでは、クライアント様に寄り添い「長期的な売上アップをサポートするSEO対策」を提供しています。
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