リマーケティングとリターゲティングの違い|仕組みやメリットも解説
Web広告を運用する時に当たり前に利用されるのがリマーケティング広告です。
人や状況によってはリターゲティング広告と呼ばれることもあります。
本記事では、リマーケティングとリターゲティングの違いの他、リマーケティングの仕組みやメリット・デメリット等を解説します。
リマーケティングの現状と今後についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リマーケティングとリターゲティングの違い
リマーケティングとリターゲティングは、自社のサイトやアプリ、YouTube動画等を利用・視聴等を行ったユーザーに対し、再訪問・再利用を促す広告を配信する手法です。
自社ECサイトで商品をカートに入れたままユーザーが離脱する、いわゆる「カゴ落ち」を防止するための広告もリマーケティング・リターゲティングになります。
リマーケティングとリターゲティングは内容や性質はほぼ同じもので、違う部分は媒体ごとの呼び名だけです。
それぞれの媒体での呼び名をまとめると以下のようになります。
- Google:リマーケティング
- Yahoo!:サイトリターゲティング
- Facebook:リターゲティング
- Criteo:リターゲティング
リマーケティングの仕組み
リマーケティングは、自社のサイトを訪問してくれたユーザーに「Cookie(※1)」というファイルを付与して行います。
※1「Cookie」
”閲覧したWebサイトの履歴やログイン情報等を、ブラウザで一時的に保存しておく仕組みです。”付与したCookieに保存された情報を利用してユーザーを特定・識別し、追跡して広告を表示させることが可能です。
Google広告のケースでは、Webサイトに「グローバルサイトタグ」を設置することで訪問ユーザーの情報をリスト化します。
リマーケティング広告は、このリスト化されたユーザー情報を活用し、自社サイトに再訪問を促したいユーザーに対してリマインドのための広告を配信します。Cookieに保存する情報は個人を特定できるようなものではありません。
あくまでも、ユーザーのWebサイトにおける閲覧履歴やサイト内での行動等、アクセスに関わる情報のみです。
一定の期間が経過すると自動的にデータが無効化されますし、ユーザー側でも自由に削除できます。リマーケティングのメリット
この項目では、リマーケティングのメリットを3つ紹介します。
- コンバージョン率が高くなる
- 比較検討中のユーザーにアプローチできる
- 単純接触効果を期待できる
コンバージョン率が高くなる
リマーケティングで配信する広告は、自社のWebサイトを閲覧したり、アプリをインストールしたり等、自社の商品やサービスにある程度のニーズを持つユーザーに配信できます。
まったくニーズが発生していない潜在顧客にゼロからアプローチするケースとくらべて、コンバージョン率は高くなる傾向にあります。
比較検討中のユーザーにアプローチできる
リマーケティングは、高額商材のような比較検討する期間が長くなりがちな商材のアプローチにも有効です。
比較検討する期間が長めの商材は、Webサイトへの一度の訪問でコンバージョンに至る可能性は低くなります。
リマーケティングによる広告配信によってサイトへの再訪問を促したり、ユーザーがまだ知らない耳寄りな情報を提供したりすることで、ニーズを刺激することが可能です。単純接触効果を期待できる
ユーザーに対し、リマーケティングによる広告配信を複数回行えば、単純接触効果を期待できます。
単純接触効果は、接触する機会が多ければ多いほど、対象となるものに親近感や好意を抱きやすくなる心理効果です。
ザイオンス効果とも呼ばれます。リマーケティングによる広告は、ユーザーを追跡して広告を表示する回数も設定可能です。
ユーザーの迷惑にならない程度の適切な回数で広告を届ければ、一定の単純接触効果を期待できるでしょう。リマーケティングのデメリット
この項目では、リマーケティングのデメリットを3つ紹介します。
- リストが一定数ないと配信できない
- 広告効果がリストの質に左右される
- ユーザーにネガティブな印象を持たれる
リストが一定数ないと配信できない
リマーケティングによる広告を行う場合、一定のユーザー数を確保したリストが必要です。
最低限必要なユーザー数は媒体によって異なります。
Google広告であれば過去30日間のアクティブユーザー数(※2)が100以上、Yahoo!広告ならユーザーリスト1,000以上、用意しなければなりません。※2「アクティブユーザー数」
”設定した特定の期間内にどれくらいのユーザーがサイトを訪れたかを表す指標。”最低限必要なユーザー数を満たせない場合やギリギリのユーザー数しか確保できない場合、最悪配信できないか、配信できたとしても思うように広告を表示できない可能性が高いです。
広告効果がリストの質に左右される
得られる広告効果はリストの質次第であることもデメリットです。
自社サイトを訪問したり、YouTube動画を視聴したりするユーザーすべてが自社の商品やサービスに興味を持っているわけではありません。
メディアやインフルエンサーに取り上げられて話題になったケース等が典型例です。
「話題になってるから」という冷やかしが動機の訪問者や視聴者にどれだけリマーケティング広告を配信しても、成果は見込めないでしょう。リマーケティング広告で成果を出すには、「純粋にニーズを感じて自社の商品・サービスに接触したユーザー」をリストに集める必要があります。
ユーザーにネガティブな印象を持たれる
WebサイトやYouTubeを離脱したユーザーを追跡できることが、マイナスに働いてしまう可能性があることもデメリットです。
追跡されることを嫌うユーザー、興味が薄い商品を継続してアプローチされることを煩わしいと感じるユーザーに対して、ネガティブな感情を抱かせる可能性があります。
「監視されている気がして不快」「二度、三度とアプローチがしつこい」という悪感情を持たれてしまうと、コンバージョンどころか商品やブランド自体が敬遠されかねません。すでに類似商品を購入してニーズを満たしたユーザーに対し、しつこくリマーケティング広告で商品やサービスをアピールしてしまうケースも危険です。
リマーケティングを行う時は、無駄な配信やユーザーを不快にさせる配信を行わないよう、しっかり運用プランを立てて配信設定を行う必要があります。
リマーケティング広告の現状
この項目では、リマーケティング広告の現状について、2点解説します。
- Cookie規制について
- リマーケティング広告への影響
Cookie規制について
Cookieには、以下の2種類あります。
- 1st Party Cookie:サイトの運営側が発行するCookie
- 3rd Party Cookie:訪問したサイト以外のドメイン(第三者)が発行するCookie
リマーケティング広告で利用するのは、3rd Party(サードパーティ) Cookieです。
現在、ユーザーの行動を追跡できるという性質がプライバシーの侵害に当たるとして、サードパーティCookieを規制する動きがあります。
実際、EUやアメリカのカリフォルニア州では、サードパーティCookieが法律で規制されています。日本においても、2022年4月に施行された改正個人情報保護法により、Cookie等の個人関連情報を第三者に提供し、個人情報の紐づけを行う場合は本人の同意が必要になりました。
これにより、Cookieを取得する時は本人の同意は必要ないものの、Cookieのデータを個人情報に紐づける時は同意を得ることが必須になります。同意を得るための手段としては、Webサイトの閲覧時等に「Cookie使用についての同意」をポップアップで示して得るのが一般的です。
参照:改正法に関連するガイドライン等の整備に向けた論点について (個人関連情報)
リマーケティング広告への影響
サードパーティCookieへの規制の影響は、あちこちで出ています。
たとえば、Apple製品で主に利用されているブラウザ「Safari」では、サードパーティCookieをブロック可能です。
ブロックされてしまうと、リマーケティングによる広告は届きません。Googleが提供するブラウザ「Chrome」でも、2024年第1四半期からテストを行い、その後、第3四半期から段階的に廃止していく予定です。
リマーケティングによる広告でコンバージョンを獲得してきた企業は、新たな手法や媒体の開拓が求められています。
まとめ
リマーケティングとリターゲティングの違いは、名称と、リストで必要になる最低限のユーザー数だけです。
Google広告のリマーケティング広告は100以上、Yahoo!広告のリターゲティングは1,000以上になっています。リマーケティング広告は自社サイト等の訪問者を追跡して広告を配信できるため、コンバージョン獲得に有利な手法です。
しかしその反面、ユーザーに嫌われやすく、広告効果もリストの質に左右されます。リマーケティング広告に不可欠なサードパーティCookieへの規制も見逃せません。
これからリマーケティング広告の利用を検討する人は、メリット・デメリットとともに規制についてもしっかり理解しておきましょう。
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