Yahoo!広告のA/Bテスト実施ガイド|準備・設定・分析まで徹底解説
A/Bテストは、Yahoo!広告の検索広告やディスプレイ広告といった運用型広告のパフォーマンス改善に役立つ手法です。
異なるパターンの広告を同時に出稿し、どちらの広告効果が大きいかを比較するので優劣がはっきりわかります。
本記事では、A/Bテストの概要やYahoo!広告でA/Bテストを行うメリット、実際の準備や設定方法、A/Bテストを行う際のポイントなどについて紹介します。
Yahoo!広告のA/Bテストとは
A/BテストはWebマーケティングにおける重要な手法のひとつで、複数の施策や要素の変更について、「どちらがよりよい成果を出せるのか」を検証できます。
A/Bという単語から「2つのパターンを比較する」と連想しますが、実際は3パターン、4パターンと複数のパターンを比較することも多いです。
Yahoo!広告では、2022年10月のアップデート時にディスプレイ広告でA/Bテストが実施できるようになりました。
ただ、検索広告で使えるA/Bテスト機能はありません。
A/Bテストでよく検証される要素や施策は以下のとおりです。
- 広告テキスト
- 画像
- キーワード
- リンク先のランディングページ
- 入札戦略
上記の要素をテストによって最適化していくことで、広告そのものを最適化できます。
Yahoo!広告のA/Bテストを実施するメリット
この項目では、Yahoo!広告のA/Bテストのメリットを紹介します。
- 【メリット①】手軽に実施できる
- 【メリット②】コンバージョン率(CVR)が向上する
- 【メリット③】ランディングページ(LP)の改善に役立つ
【メリット①】手軽に実施できる
A/Bテストのメリットは、低コストで広告効果を改善できる点と、実施にともなうリスクが低いことです。
変更する内容はテキストや配色の調整といった比較的小さな部分が多いため、仮に失敗しても広告効果に与える悪影響は小さくおさえられ、多くの予算も必要としません。
テストの検証についても、無料のツールや媒体側が提供する機能を活用できるので、ツールの利用に費用をかけなくて済みます。
【メリット②】コンバージョン率(CVR)が向上する
A/Bテストで広告内容を最適化させると、コンバージョン率を向上させることが可能です。
テストによって、複数の施策やアイディアの中から、コンバージョンにつながりやすいユーザーに刺さる施策やアイディアを選び出せるからです。
コンバージョンにつながりやすい、いわゆる熱量や購入意欲の高いユーザーをランディングページに誘導できれば、それだけコンバージョンに至る確率も上がります。
【メリット③】ランディングページ(LP)の改善に役立つ
ランディングページをリニューアルするときも、事前に最適な施策や要素の変更内容をA/Bテストで調べておけば効率よく作業できます。
ランディングページのリニューアルには、多くの費用や手間がかかるものです。
事前にテストを実施せずに行き当たりばったりでリニューアルを行うと、期待した効果が得られない場合、効果が出るまで何度も施策や要素を変更することになります。
これはあまりにも非効率です。
事前のA/Bテストによってファーストビューやフォームの内容、ボタンの配置などの最適解を知っておけば、リニューアル作業も1回だけで済むでしょう。
ユーザーが購入ボタンを押しやすくなる導線や、決済ページに遷移しやすくなる導線も調べておけばランディングページのパフォーマンスも上がります。
複数回にわたるリニューアル作業による、機会損失も防げるでしょう。
【準備】Yahoo!広告のA/Bテストを実施する方法
この項目では、Yahoo!広告のA/Bテストを実施するときの準備について紹介します。
- テストの目的を整理する
- 仮説を立てる
- 予算を決める
テストの目的を整理する
ほかのWebマーケティング施策と同様、A/Bテストもまず「何を目的に行うのか?」を決めることが重要です。
自社の広告出稿で達成したい目的によって、テストする箇所や変更する内容が大きく違ってくるからです。
たとえば、認知獲得を目的にする場合と、コンバージョン獲得を目的にする場合では、広告文の内容や掲載する画像が大きく異なります。
当然、検証・分析するポイントも違ってきます。
この初期段階での目的設定がテストの方向性を決めるので、目的は必ず明確にしましょう。
仮説を立てる
目的を明確化できれば、次は目的達成のためにどの要素を改善すべきかについて、仮説を立てます。
A/Bテストの結果に説得力を持たせるためには、仮説を実行した上での検証が必要だからです。
具体的には、クリック率の向上、コンバージョン率の上昇、ランディングページの直帰率をおさえるといった目的を達成できる仮説を立てます。
たとえば、広告のクリック数が多く、ランディングページを訪問するユーザーは多いもののトップページでの直帰率が高い場合、ファーストビューの改善が必要と判断できます。
表示される画像やキャッチコピーといったクリエイティブがユーザーのニーズとマッチしていない可能性が高いので、これらの改善案を複数用意してA/Bテストにかけます。
予算を決める
目的の明確化と仮設の立案が完了すれば、あとは予算の設定です。
精度の高いA/Bテストを行うにはそれなりにまとまった結果やデータが必要になるので、その分、費用も多く必要になります。
コンバージョンの獲得数やコンバージョン率向上のためのテストであれば、検証のために100程度のコンバージョンは欲しいところです。
このケースでは、コンバージョンを1件獲得するために必要な単価に100をかけて計算するとテストに必要な予算がわかります。
【設定手順】Yahoo!広告のA/Bテストを実施する方法
この項目では、Yahoo!広告のA/Bテストの設定手順について紹介します。
- 検索広告
- ディスプレイ広告
検索広告
検索広告のA/Bテストを実施する方法は以下のとおりです。
①まず、キャンペーンの管理画面でA/Bテストの対象となるキャンペーンにチェックを入れ、「編集」を選択します。
次に広告グループまで絞り込んで「選択した広告をコピー」を選びます。
②切り替わった先の画面でコピー先のキャンペーンと広告グループを選んで、「コピー」のボタンを押してください。
③コピーしたものの要素を変更して広告出稿すれば、テスト開始です。
出典:【公式】Yahoo!広告でサイトへの集客アップ|LINEヤフー for Business
出典:検索広告 – ヘルプ
ディスプレイ広告
出典:【ディスプレイ広告(運用型)】A/Bテスト機能の提供開始について-Yahoo!広告
ディスプレイ広告のA/Bテストを実施する方法は以下のとおりです。
①最初にA/Bテストに設定する2つのキャンペーン、配下の広告グループ、広告を作成しておきます。
②広告管理ツールで「ツール」→「A/Bテスト」の順に選びます。
③「A/Bテストを作成」ボタンを押してください。
④以下の内容を入力します。「説明」の入力は任意ですが、それ以外の項目の入力は必須です。
- (A)テスト名
- (B)説明(テストに関するメモ)
- (C)テスト対象キャンペーン(A・Bそれぞれの「選択してください」を押してテストに使うキャンペーンを選び、「適用」ボタンを押す)
- (D)テスト期間(最大3ヶ月まで設定可能)
上記の操作が完了したら「作成」ボタンを押します。
⑤作成されたテストが一覧に表示され、テスト名をクリックすると詳細を確認できます。
出典:【公式】Yahoo!広告でサイトへの集客アップ|LINEヤフー for Business
出典:A/Bテストについて – ヘルプ – Yahoo!広告
【結果の測定】Yahoo!広告のA/Bテストを実施する方法
出典:【ディスプレイ広告(運用型)】A/Bテスト機能の提供開始について-Yahoo!広告
この項目では、Yahoo!広告のA/Bテストの結果測定について紹介します。
- 検索広告
- ディスプレイ広告
検索広告
検索広告のテスト結果は、キャンペーン一覧画面から通常広告分析と同じ画面で確認・分析できます。
Yahoo!の検索広告にはA/Bテスト機能がないため、テスト結果を反映するにはすべて手動で行う必要があります。
出典:【公式】Yahoo!広告でサイトへの集客アップ|LINEヤフー for Business
出典:検索広告 – ヘルプ
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告のテスト結果の確認は「パフォーマンスレポート」で確認します。
確認方法は以下のとおりです。
①管理画面で「レポート」を選び、「レポート・テンプレート作成」をクリックします。
②「基本レポート」や「配信先URLレポート」、「最終リンク先URLレポート」などから作成したいものを選び、配信結果を確認します。
自動入札のキャンペーンで「学習中」と表示されている場合は、表示が消えてから確認してください。
出典:【公式】Yahoo!広告でサイトへの集客アップ|LINEヤフー for Business
出典:ディスプレイ広告(運用型) – ヘルプ
効果的なA/Bテストを実施するためのポイント
この項目では、効果的なA/Bテストを行うためのポイントを紹介します。
- 【ポイント①】訴求ポイントを比較する
- 【ポイント②】広告出稿時期に注意する
- 【ポイント③】CV数が多いキャンペーンから実施する
- 【ポイント④】条件は途中で変更しない
【ポイント①】訴求ポイントを比較する
A/Bテストは、訴求ポイントを比較するときに有効な手法です。
自社商品やサービスのメリットやベネフィット、セールスポイントなどを洗い出し、それらをユーザーに伝わりやすいように言語化します。
そしてこれらをいくつかのグループやパターンに分けてA/Bテストにかけ、その結果を比較すればどの文言や内容が1番コンバージョンを獲得できるかがわかります。
たとえば資格取得のスクールの場合、「費用の安さ」と「レッスンのクオリティ」のどちらを訴求すれば、より多くのコンバージョンを獲得できるかをテストするといった具合です。
【ポイント②】広告出稿時期に注意する
A/Bテストは、実施時期に注意することも大切です。
広告のパフォーマンスは、時期や季節のイベントの影響を受けることも多いからです。
たとえば自社が引っ越しのサービスを提供する会社の場合、引っ越しが多い時期である3月と、引っ越しが少ない時期である9~10月ではコンバージョン数に差が出るでしょう。
ほかの商品を提供する場合でも、テストの実施時期とボーナス時期が偶然重なった場合、想定していた状況での仮説検証は難しくなります。
このように、A/Bテストを実施するときは、時期や季節のイベントの有無などを考慮する必要があります。
【ポイント③】CV数が多いキャンペーンから実施する
A/Bテストを行うキャンペーンを選ぶときは、コンバージョン数の多いものを優先しましょう。
先述のとおり、A/Bテストでは、得られるデータが多ければ多いほど結果の信憑性も増すからです。
コンバージョンでいえば、合計獲得数が100のデータと1,000のデータでは、どちらのデータに説得力があるかはいうまでもありません。
【ポイント④】条件は途中で変更しない
A/Bテストを実施するときは、途中でテスト条件を変更しないようにしましょう。
途中で条件を変更すると、テストで得られるデータの信憑性が低くなり、分析・検証作業も難しくなるからです。
条件を途中で変更したテストの分析・検証では、条件変更によるテストへの影響を加味して作業を行うため、通常の分析・検証作業よりも大変です。
条件変更による影響が数値で表せるものならまだしも、数値で確認できない抽象的なものならテスト結果の信憑性は著しく低くなり、得られるデータの価値も失われます。
そのためどうしても条件を変更する必要のあるときは、その条件を次回に回すか、新しいテスト環境を用意してください。
Yahoo!広告のA/Bテストはインハウスでは難しい!
A/Bテストは、実施自体は難しくないですが、成果につながるテストを行うにはある程度の知識やノウハウが必要になります。
そのため、インハウスで行うのは難しいケースが多いです。
主な理由は以下のとおりです。
- A/Bテストの成功率は一般的に3割程度
- ノウハウや知識が貯まるまで時間がかかる
- どの施策を試せばいいのかわからない
- 仮説をどのように立てればいいのかわからない
- PDCAサイクルの回し方がよくわからない
「自社でA/Bテストを実施しても成果を出せる気がしない…」という企業様は、広告代理店を活用するのがおすすめです。
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当然、A/Bテストの設計から実施、分析、検証のノウハウも豊富です。
A/Bテストの実施代行からアドバイスまで対応しています。
広告代理店を利用するメリット
A/Bテストを広告代理店にまかせるメリットとして、以下のようなものがあります。
- 代理店はA/Bテストに関する実績・スキルが充実しているため、短期間で成果を出しやすい
- 代理店に丸投げも可能なので、自社のリソースを使わずに済む
- どうしてもA/Bテストをインハウスでやりたい場合は、アドバイスやサポートを依頼できる
広告代理店を利用すれば、自社のニーズに応じて、A/Bテストの丸投げもサポートやアドバイスの依頼も可能です。
まとめ
A/Bテストは、Yahoo!広告のパフォーマンス改善に役立ちます。
ただ、Google広告とは違い、Yahoo!広告の検索広告にはA/Bテスト機能が実装されていないので注意してください。
Yahoo!広告でA/Bテスト機能が使えるのはディスプレイ広告だけです。
先述のとおり、A/Bテストをインハウスで行うのはハードルが高いです。
加えてYahoo!広告では、A/Bテスト機能が使えるのはディスプレイ広告だけなので、その分Google広告よりもさらに難しく感じるかもしれません。
「自社で試行錯誤する費用や時間的余裕はない…」と悩む企業様には、広告代理店の活用をおすすめします。