税理士事務所の集客方法を見直す時代!従来のやり方では問い合わせは増えない?

競合が増加や会計ツールの普及により、税理士事務所の集客の難易度が上がってきました。
従来の集客方法では見込み客が集められなくなったため、これまでの集客方法を見直し、新しい手法の導入を迫られる事務所が増えています。
本記事では、まず税理士事務所の集客が難しい理由を説明し、これを踏まえ、おすすめの集客方法を6つ紹介します。
また、税理士事務所の集客に重要な全体の戦略設計、集客の成功事例についても解説しますのでぜひ参考にしてください。
なぜ税理士事務所の集客は難しいのか?
この項目では、税理士事務所の集客が難しくなっている理由について紹介します。
競合環境の激化と価格競争
税理士事務所の集客が難しい理由のひとつ目は、競合との価格競争が激化しやすいことです。
顕著な例が、相見積もりサイトでの競争です。
相見積もりサイトでは「スピード」と「価格」のみで比較されることが多いため、価格競争に巻き込まれる可能性も高くなります。
通常の受注金額では、依頼の候補にすら入れないこともめずらしくありません。
受注価格を下げて依頼の候補に入ったとしても返信が途絶えたり、商談を直前にキャンセルされたりなど、契約の獲得にはほど遠い状況に陥ることが多くなります。
成約に近い見込み客を増やすには、自社の集客の仕組みを整え、比較サイトに頼らずに直接の問い合わせを増やしていくことが大切です。
AI会計ツールの影響
税理士事務所の集客が難しい理由の二つ目は、会計ツールや会計事務ツールの普及が拡大していることです。
現在の会計ツールは月額数千円程度、負担するだけで決算書の作成まで自動で行えます。
法人のような複雑な会計処理が必要ない個人の確定申告は会計ツールで十分対応できるようになったため、これまで税理士事務所を利用していた個人事業主の依頼が減っています。
個人事業主の確定申告は会計ツールを使うのが当たり前になりつつあるため、税理士事務所への依頼はおろか問い合わせ自体、減っているのが現状です。
紹介頼みから抜け出せない現状
税理士事務所の集客が難しい理由の三つ目は、集客を紹介に頼ることから抜け出せないことです。
現在、「具体的な集客の方法やノウハウがわからない」「集客まで手が回らない」など、紹介に頼る体質を改善できない事務所は多いです。
紹介での案件があることは自社の実力と信頼の証明にもなりますが、紹介だけに頼っていると将来的に不安が残ります。
紹介がいつまで続くかは誰にも予測できず、安定した集客にはつながりにくいからです。
実際「紹介はあるけれど新規のお問い合わせはほとんどない」という状況に悩む事務所も少なくありません。
紹介があるうちにこそ、新しい集客の仕組みを作っておくことが大切です。
税理士事務所の集客方法6選
この項目では、税理士事務所の集客でおすすめの方法を6つ紹介します。
【集客方法①】ホームページ & SEO対策
おすすめの集客方法のひとつ目は、名刺代わりとなるホームページを作成し、SEO対策を施すことです。
税理士事務所のホームページは、訪れるユーザーの役に立つ情報を記載することが大切です。
具体的には、以下のような情報を掲載しておきましょう。
- 事務所の基本情報(電話番号・メールアドレス、営業日と時間、事務所の住所など)
- これまでの受注実績や専門性が伝わる内容
- サービスページ(補助金申請や助成金対応について)
- 料金体系
- 対応可能な業務の紹介
- 事務所代表の顔写真と挨拶文
- 既存顧客の声
SEO対策も行ってGoogleなどの検索結果でホームページを上位に表示できれば、多くのユーザーにアプローチできます。
検索エンジン経由で訪れるユーザーは税理士のサポートを必要としている人が多いため、成約の可能性も高まります。
【集客方法②】ブログとSNSの活用
おすすめの集客方法の二つ目は、ブログとSNSを活用する方法です。
ブログとSNSを活用すれば、税理士の集客で重要になるユーザーからの信頼を築けます。
具体的には、税務サービスに関する専門的かつ難解な内容をわかりやすい説明と言葉で発信することで、見込み客となるユーザーとの距離を縮めます。
ブログでは、最新の税制改正や事業承継といった、ユーザーが求める情報を発信するのがおすすめです。
これにより、ユーザーからの信頼度を高めつつ、Googleなどの検索エンジンからの評価も高められるのでブログへのアクセス数を増やせます。
ブログから無料相談を受け付けるページにユーザーを誘導できれば、問い合わせや契約の獲得にもつなげられるでしょう。
SNSでは、YouTubeやFacebook、Xなどの媒体を活用するのがおすすめです。
YouTubeで確定申告の変更点や最新の税制について解説すれば、多くのファンと見込み客を獲得できます。
Facebookは、経営者や企業の管理職に就いているユーザー層に情報を届けやすく、実名登録が必須なのでビジネス目的で利用するユーザーとつながりやすいのが特徴です。
Xは情報の拡散力に優れており、個人事業主や若年層との接点づくりに役立ちます。
SNSを活用するときのポイントは以下のとおりです。
- すぐに成果を求めず、長期的な視点で取り組む
- ユーザーにとって役に立つ情報を発信する
- クレームや炎上には誠実かつ丁寧に対応し、信頼を損なう言動は避ける
【集客方法③】MEO対策とオフラインでの地域密着
Googleビジネスプロフィールに自社の情報を登録し、MEO対策を行うのもおすすめです。
MEO対策を行えば、ユーザーがGoogleマップで「税理士」や「税理士事務所」などのキーワードで検索したときに自社の事務所を上位に表示できます。
Googleマップの検索で自社の情報を上位に表示できれば、多くの見込み客の目に留まることになり、問い合わせや来所しての無料相談につなげられます。
MEO対策で行う施策は以下のとおりです。
- 上位表示をねらうキーワードをGoogleビジネスプロフィールの掲載情報や口コミの返信に自然な形で入れる
- 既存顧客に口コミ投稿をお願いする
- 営業時間や対応できる業務、実績、事務所の外観・屋内の写真など、Googleビジネスプロフィールの情報を充実させる
こうした対策を丁寧に積み重ねることで、地域での認知度と集客力を高めることができます。
【集客方法④】WEB(リスティング)広告の活用
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索結果にテキスト形式で表示する広告です。
ユーザーが検索するキーワードに連動する形で配信できるので、税理士を探しているユーザーが検索しそうなキーワードに広告を出稿すれば、効率よく見込み客を獲得できます。
たとえば、「税理士 八王子市」というキーワードにリスティング広告を出稿すれば、八王子市で税理士を探しているユーザーだけをねらって集客できます。
税理士事務所がリスティング広告を使って集客する場合、以下のようなキーワードに出稿すると効果的です。
- 地域名 税理士
- 税務相談 税理士
- 独立開業支援 税理士
- 確定申告 税理士
- 法人手続き やり方
リスティング広告を出稿するときは、ターゲットの明確化と、成約につながるLPを用意することが求められます。
既存顧客にアンケートを実施し、自社が選ばれた理由をもとにLPを設計すれば、成果につながりやすくなります。
【集客方法⑤】既存顧客からの紹介システム設計
顧問先などの既存顧客から紹介を受ける仕組みとして、無料セミナーの開催やダイレクトメールを活用する方法があります。
具体的には、無料セミナーの開催やダイレクトメールの配布などで既存顧客との接点を維持しつつ、「お知り合いがいれば気軽にご紹介ください」という流れを作ります。
無料セミナーは、こちらの人柄や税理士としての実績などを直接伝える場として非常に有効です。
セミナー参加者と対面で話すことでこちらの人柄を伝えやすく、安心感を持ってもらえます。
同時に、これまでの実績や経験をわかりやすい言葉でアピールすれば、信頼度も高められるでしょう。
ダイレクトメールはニュースレターを送ることが多いです。
ニュースレターで既存顧客に税制改正の情報や経営に役立つ情報などを定期的に発信することで、接点を維持しつつ信頼度も高められます。
また、こちらの存在を想起する機会を定期的に作れば、知り合いの経営者などに自社を紹介してもらう機会も生まれやすくなります。
【集客方法⑥】ポータルサイトに登録
ポータルサイトを利用することも有効な手法です。
先述のとおり、ポータルサイトでの集客は価格や対応の早さで比較される傾向にあり、価格競争にも巻き込まれやすくなります。
ただ、案件を獲得できる可能性も一定数あるので、独自の集客ルートが整うまで利用するのも一手です。
集客チャネルのひとつとして捉えて、予算や状況を見極めながら活用しましょう。
税理士事務所の集客で使えるポータルサイトには以下のようなものがあります。
- 税理士ドットコム
- 税理士紹介センター
- 税理士紹介エージェント
- freee税理士検索
税理士事務所の集客に必要なのは「戦略的な全体設計」
税理士事務所の集客では、「誰に、どのような流れで、自社のサービスを届けるか」という戦略設計が非常に重要になります。
具体的には集客における自社のターゲット像を明確にし、ターゲットが税理士を探す経路を予測し、使うべき施策を決めて問い合わせ獲得のための導線を設計するといった流れです。
集客活動における全体の戦略を決めないまま個々に集客施策を試しても、時間と費用の浪費で終わる可能性が高くなるので注意してください。
戦略設計では、獲得した問い合わせを契約につなげる対応や、既存顧客との接点維持に必要な施策も織り込んでおきましょう。
「集客→契約→関係維持」に必要なことをすべて考慮して戦略の全体像を描けば、どの施策に力を入れるべきかの優先順位も見えてきます。
このように、全体の流れを先に考えてから施策を選ぶことで、無駄なく効果的な集客が実現できます。
“差別化”の要 ─ 競合と比較して選ばれるためのヒント
税理士事務所の集客の差別化で悩んだときは、自社の強みや自社に依頼するメリットを洗い出し、他の事務所と比較して異なる部分をアピールするのがおすすめです。
たとえば、競合の多くが料金の安さを強調するようなホームページを使っているなら、自社は実績や専門性の高さを強調するホームページを用意するといったイメージです。
また単純に「創業融資に強い」や「補助金申請の実績が豊富」「建築会社関連の税務ノウハウが豊富」など、自社の強みを前面に出すだけでも競合との違いをアピールできます。
このように「どの部分で競合より優位に立てるか」を考えて、その部分をブラッシュアップすれば、多くのユーザーに自社を選んでもらえるでしょう。
【成功事例】WEB広告&ホームページとSEO対策
出典:【士業必見!】広告✕SEOで受任率を劇的にアップさせる秘策
この項目では、弊社がWEB広告運用とホームページのSEO対策を組み合わせて集客を行った際の実績を紹介します。
WEB広告の運用では無駄なクリックを徹底的に削減し、クライアント企業様のターゲット層への的確な訴求を行いました。
これにより、得られた集客効果は以下のとおりです。
- クリック率(CTR)が 2.5% → 5%に向上。弊社運用前の約2倍に
- 月間問い合わせ数が 10件 → 30件 に増加。弊社運用前の約3倍に
ホームページのSEO対策ではターゲットが求めるコンテンツや情報を掲載し、見込み客を安定的に呼び込める基盤を構築しました。
これにより、得られた集客効果は以下のとおりです。
- 「○○ 弁護士 相談」のキーワードで検索1位を獲得
- 月間自然流入数が30%増加
リスティング広告の運用改善とSEO対策を強化した結果、最終的に得られた成果は以下の内容になります。
- 問い合わせ件数が増加したことによって新規顧客獲得数も大幅にアップした
- 受任率が向上したことでWEB広告の費用対効果が大幅に改善した
- SEO対策によってホームページへの自然流入を増やすことで、WEB広告への依存度を下げても安定した集客ができるようになった
今回の事例では、ターゲット層にねらい定めた広告戦略とSEO施策の掛け合わせによって、問い合わせ件数・受任率の両面を大幅に伸ばすことに成功しました。
同時に、広告コストを削減しつつ安定集客につなげたことで、クライアント企業様の集客活動全体の費用対効果を高めるに至りました。
また、下記のリンクから無料ダウンロードできるホワイトペーパーもご用意しております。
【士業必見!】広告✕SEOで受任率を劇的にアップさせる秘策」
ぜひダウンロードしていただき、弊社の広告運用とSEO対策の実力をご覧ください。
よくある質問
最後に、税理士事務所がWEB施策を活用するときに頻出する疑問について回答いたします。
Q:WEB広告に必要な費用は?
弊社は問い合わせが50件以上が出るくらいの予算を推奨しています。
ですので、狙うターゲットにもよりますが、30万(/月)以上は必要です。リスティング広告は費用が100万30万(/月)以上になると最も効率よく運用できるようになります。ですので、受注案件数に余裕があれば少しずつ予算を増やしていくことをおすすめします。
Q:SEOやMEO対策は自分でやるべき?外注したほうがいい?
MEO対策は、自身でできる範囲が大きいので、外注しなくてもある程度の対策は可能です。
ただ、SEOは「知見やノウハウが必要であること」「工数がかかること」から、外注することをおすすめします。外注費用に関しましては、以下の記事をご覧ください。
Q:ホームページが古いままだが、どれくらい改修すべき?
ホームページが古いと、SEO上で大きなマイナスになっている可能性があります。
ですので、モバイル対応(レスポンシブデザイン)や表示速度の改善、タイトルタグ・メタディスクリプションの適正化などは最低限やるべき改修だといえます。
既存のCMSを流用した上記のような改修であれば50万以内でリニューアルが可能です。
Q:スタッフが少なくても集客施策を回せる?
スタッフが少ない場合、一気に全部をやる必要はありません。
施策の「費用対効果」や「緊急性」を考慮しながら、段階的に進めていきましょう。
弊社が推奨するのは、ホームページ&MEO対策→SEO(ブログなど)→リスティング広告の順に実施することです。自身でやるのも一手ですが、質や効率の面でも外注を視野に入れながら進めていきましょう。
まとめ
税理士事務所の集客のハードルは年々、高くなっています。
主な理由として、競合の増加と価格競争の激化、AI会計ツールの台頭、紹介頼みの体質から抜け出せないなどがあります。
これらの理由により、税理士事務所の集客活動は大きな見直しを求められている状況です。
現代のユーザーは、サービスの詳細や評判を調べるときにインターネットを活用することが多いので、WEB施策を活用した集客方法の導入は必須といえます。
実際、多くの税理士事務所がWEB施策による集客を行っています。
ただ、事務所にWEB施策の運用に長けたスタッフがいない場合、成果が出ずに悩んでいるケースが多いようです。
WEB施策を活用した集客にはホームページの作成やWEB広告運用、ブログ運営などの手法がありますが、これらの施策を使いこなすには一定のノウハウや知見が必要になります。
ノウハウや知見がない場合、目に見える集客効果を得るまで長い時間がかかります。
このような場合、WEB施策の専門家である広告代理店を利用するのがおすすめです。
弊社もそのひとつで、前項の事例のように、WEB施策の集客において多くの実績とノウハウを持っています。
もし、集客活動が行き詰ってお悩みなら、ぜひ弊社にお気軽にお問い合わせください。